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JAL、令和初めてのお正月に初日の出フライト実施。赤坂社長がスピーチとお出迎えし、オリンピックに使う聖火リレー用トーチも展示

2020年1月1日 実施

機上から富士山と初日の出を鑑賞できるJALの「初日の出・初富士フライト」

 JAL(日本航空)は1月1日、元日恒例の「2020年 初日の出・初富士フライト」を実施した。首都圏では羽田空港と成田空港発着のフライトが用意されているが、ここでは羽田空港から飛び立つ「JL2011便」の模様を紹介しよう。ちなみにJL2011便は、2020年の“20”と1月1日の“11”を組み合わせたこの日限りの便名だ。

 空の上から一足早く初日の出と富士山を見られるとあり、大人気のフライトでリピーターも多い。2019年11月19日に発売開始された本フライトも窓際席は30分で完売。通路側の席もその日のうちに売り切れた。使用機材はボーイング 767-300ER型機で252席仕様(ファーストクラス5席、クラスJ 42席、普通席205席)。羽田空港を5時40分に出発し、富士山の西で初日の出を鑑賞。北東に進路を取り、栃木県日光付近を経由して羽田空港に降り立つスケジュールになっている。

JL2011便は第1ターミナル南ウイングにほど近い10番ゲートから出発。年が明けて、国内線では最初のフライトになる

 5時5分に始まった出発前セレモニーでは、代表取締役社長の赤坂祐二氏が参加者を前にあいさつをした。JALは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルエアラインパートナーとして大会に参加する立場であることから、「初日の出・初富士フライトのご搭乗たまわりまして、本当にありがとうございます。今年もこの便が日本航空国内線の初便になりますので、ぜひお楽しみいただければと思います。2020年になりまして、いろいろなところで言われているようにオリンピック・パラリンピックイヤーになります。オリンピックが決まった時はまだまだ遠い先の話と思っていましたが、こうして2020年を迎え、あっという間にやって来たなと思います。JALグループでは昨年からオリンピックの準備をしてきました」と、初日の出フライトへの参加に対する感謝とオリンピックに対して入念な準備をしてきたことを伝えた。

 続けて「機体もエアバス A350型機を導入いたしました。ラグビーワールドカップも大変盛り上がりまして、私どもはオリンピック・パラリンピックの前哨戦と位置付けて国外から多くのお客さまをお招きできたと思います。微力ながら、日本の魅力を伝えて、今年のオリンピック・パラリンピックにつなげられるように取り組んでまいりました。開催されるオリンピック・パラリンピックは、わずか1.5か月ほどしかないので、早めに盛り上げていきたいと考えております。3月からはアテネからの聖火を運ぶお手伝いもさせていただき、4月からは職員の制服も一新し、お迎えにあたっての準備をしっかりと行なってまいります。JALグループも皆さまのご期待にそえるように今年も全力でやって行きたいと思っておりますので、引き続きのご愛顧のほどよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。皆さま行ってらっしゃいませ!」と、オリンピック・パラリンピックへの抱負を語り、参加者を送り出した。

日本航空株式会社 代表取締役社長 赤坂祐二氏

 今回のフライトにはゲストとして、ミス日本グランプリ/ミス日本ミススポーツである度會亜衣子さん、ミス日本「水の天使」/ミス日本ミス着物である谷桃子さんも参加しており、イベントに華を添えていた。また、赤坂社長が述べていたようにオリンピック・パラリンピックイヤーということもあり、搭乗口付近には実物の聖火リレーで用いるトーチを展示。実際に触れながら記念撮影できるようになっており、多くの人が出発前に記念撮影を楽しんでいた。

ミス日本グランプリの度會亜衣子さん(写真左)と、ミス日本ミス着物である谷桃子さん(写真右)
聖火リレーで使われる予定のトーチ。アルミニウム製で、約30%は東日本大震災の復興仮設住宅のアルミ建築廃材を再利用している
トーチの中央には「TOKYO 2020」のエンブレムが施されており、燃焼部は上から見ると桜の花びらを模したデザインになっている。実物に触われるとあって、大勢の参加者が記念撮影をしていた
東京2020オリンピックの公式マスコットであるミライトワも参加

 出発前セレモニーが終わり、5時15分から搭乗開始。赤坂社長がお見送りするなか、参加者はスタッフからおせち風弁当や記念品などが入ったオリジナルトートバッグを受け取り、続々とJL2011便に乗り込んだ。今回のフライトに乗務する客室乗務員(CA)は8人全員が子年生まれで統一されており、そのうち3人は歴代制服を着用。搭乗する際は乗客をにこやかに迎えていた。

搭乗前には機内で楽しめるおせち風弁当や升酒、紅白饅頭、オリジナル今治タオルなどが手渡された
整備出身の赤坂社長は“お見送りする側”としてのポリシーがあるため同乗はせず、ていねいに参加者を送り出していた
歴代の制服を着用した客室乗務員。左側の鮮やかな青色の制服は1967年3月~1970年6月まで使われた4代目。赤いスカーフがポイントの真ん中の制服は1970年7月~1977年9月まで使われた5代目。右側のスタイリッシュなボタンが目を引く制服は1988年1月~1996年9月まで使われた7代目

 乗客214名、メディアと関係者を合わせ245名を乗せたJL2011便は5時45分に出発。6時2分にD滑走路から離陸した。予定通り進路を西に取り、目的地である富士山の西方に向けて進んだ。ベルト着用サインが消灯すると、機内では度會さんと谷さんが参加者に搭乗証明書を手渡していた。

 本機の操縦を担当するのは板垣機長と竹村副操縦士。初日の出ポイントに到着する前には板垣機長から詳細な機内アナウンスがあった。初日の出と富士山を鑑賞するポイントは富士山の西北西約38kmで、山梨県と静岡県の県境にあたり、高度約5800mから楽しむことになる。鑑賞ポイントでは日の出予定時刻である6時41分から機体の右側、左側から日の出が見れるようにコースを設定しており、片側約3分間、2回ほどシャッターチャンスがあることを伝えていた。約20分、日の出を楽しんだ後は北東に進路を変更し、関東平野をぐるりと右まわりに飛行。7時55分に羽田空港に着陸することをアナウンスした。

 6時25分を過ぎた頃にはビューポイントに到着。うっすらとした光の中、富士山が雲の中から顔を出しているのが確認できた。6時40分を過ぎた頃にはオレンジ色も強くなり、参加者の嬌声がそこかしこから上がり、誰しもが窓の外の雄大な景色に釘付けになっていた。

 初日の出を堪能したあとは、スタッフが記念撮影のお手伝いをしに機内をまわっていた。記念ボードや今年ならではのミライトワと一緒に写真に納まる参加者の姿が多く見られた。

ミス日本が搭乗証明書を一人一人に配布
雲海の中から顔を出す富士山
明るくなってくると雪化粧している姿がよく分かる
元日に富士山と初日の出を一緒に見れるのはこのツアーならでは。ふだん、飲み正月の筆者にとっては心が洗われ、気持ちも引き締まったような気がする
機体後方左側の席からはこのような感じで見ることができる
窓側の参加者は本格的なカメラを手にし、撮影に没頭する姿が多く見られた
スタッフとミライトワが記念撮影をお手伝い
機内サービスをする歴代制服を着用したCA(客室乗務員)

 楽しいひと時はあっという間に終わり、JL2011便は8時過ぎに羽田空港に到着。ゲート前では出発時と同様に赤坂社長がお出迎えをし、参加者に感謝を伝えていた。

 ツアーを企画しているジャルパックのスタッフによると、詳細は未定だが2021年も初日の出フライトを行なう予定であるとのことだ。一年の初めに縁起物を一度に堪能できる本ツアー、興味を持たれた方は11月ごろからJALのWebなどで発売情報をチェックしてもらいたい。人気商品なので予約の道のりは険しいが(とくに窓側席)、参加できた際はきっとよい一年になるハズだ。

羽田に戻ると赤坂社長とミス日本の2人が参加者をお出迎え
スタッフも横断幕を掲げて参加者に感謝を伝える
初日の出フライトを終え、到着したJL2011便
パイロット2人も操縦席から手を振りながらお見送り