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うっわクサッ! 広島パルコ「におい展」でストレス臭を嗅いでみた

あの「シュールストレミング」の鼻がもげるようなニオイも体験できる

2019年7月19日~9月9日 開催

広島パルコの6階で開催されている「におい展」。五感の一つである嗅覚を刺激する企画だ

「『悶絶』から『美臭』まで、あなたの嗅覚を刺激します」。こんなキャッチで始まる「におい展」が、広島パルコ 本館6階で7月19日から9月9日まで開催されている。過去に名古屋、池袋、静岡、福岡、札幌、大阪、熊本で開催され、総動員数が18万人を数える人気の展示会だ。

 仙台・楽天生命パーク宮城内イーグルスドーム開催時には、2018年10月に資生堂が特定して発表した「ストレス臭」を初めて展示し、来場者を驚かせた。今回も目玉はストレス臭の展示だ。そのほか、ご当地名物である、もみじ饅頭や牡蠣をイメージさせるニオイの展示も行なっている。

 会場にはそれぞれのテーマごとにブースが設けられており、例えば12か月の花を展示したブースでは、1月はロウバイ、2月はウメといったように、それぞれのニオイを充填したガラス容器が置いてある。入場者はそれを嗅ぐことにより、曖昧になりがちなニオイ元の特定と新しい発見ができるわけだ。

テーマごとにブースが設けられている。こちらは月別に花の香りを集めたもの
ガラス容器の中にはニオイを染み込ませた繊維が入っており、入場者は自由に嗅ぐことができる

 香水の素材や花の香りといった嗅覚によい印象を与えるものもあれば、ミイラを生成する際に使われた乳香や没薬といったミステリアスなもの、日本の武将が戦いの際にまとったと言われている木香など、展示物はさまざまなテーマで用意されている。

 そして、鼻にダメージを与えるのではないかと思うくらい強烈な刺激臭を放つ、シュールストレミングなどの臭いもの自慢の猛者たちも展示されている。

香水の原料になる香料を集めたもの
日本ではあまりなじみのない乳香や没薬は、エジプトや中東地域で古くから使われてきた歴史を持つ
広島開催ということで、中国地方の戦国大名であった毛利元就のまとっていたとされるニオイも展示されている。武将は戦の前にお気に入りの香木の香りをまとうのが習わしだったようで、歴史資料を元に復元したそうだ
天下人であった織田信長や豊臣秀吉、徳川家康のニオイも展示されている

臭いニオイのチャンピオンたちが集う。いやーキツイっす

 猛者級や特別なニオイを放つものは扉で隔てられた部屋に置かれており、激臭レベル(2~5)が記されているので、嗅ぐか嗅がないかは自分自身で決められる。

 意を決して中に入り、実物が入ったアクリルケースの上部に貼られたフィルムをはがすと、待ち焦がれた(?)ニオイと対面することができるわけだ。こちらに用意されているのは、「くさや」(レベル2)、「加齢臭」(レベル3)、「ドリアン」(レベル4)、「臭豆腐」(レベル4)、「シュールストレミング」(レベル5)、「ストレス臭」(レベル?)の6種類。

 シュールストレミングやドリアンといった強烈クラスは言わずもがなであり、ほかの取材陣、特に女性の「ムリ! ムリ! ムリ!」といった叫び声はそこかしこで聞かれた。

なにやら怪しいドア付きの個室に劇物レベルが置いてある
部屋のなかでは、アクリルケース内にブツが置かれており、上部のフィルムをめくってチャレンジする。こちらはドリアンだが、もちろんカットされたものが置かれているので強烈! ちなみに筆者はシュールストレミングよりもこちらの方がキライだ
世界で一番臭いという、ニシンを発酵させた缶詰「シュールストレミング」。一度体験しておけば話のネタとして使える
写真ではニオイまでは伝わらないので、せめておどろおどろしいその姿をご覧あれ

 そして目玉になっているストレス臭。イヤなニオイであることは想像できるが、実際に嗅いでみるとなんとも言えぬ嫌悪感を抱くものであったと記しておこう。

 このストレス臭は、面接や試験、スピーチなど、心理的に心拍数が上がるようなストレスがかかる状況で人体から発せられる硫黄化合物系のニオイであり、資生堂は「ST チオジメタン」と命名している。

 ST チオジメタンは、ジメチルトリスルフィド(DMTS:dimethyltrisulfide)とアリルメルカプタン(AM:allyl mercaptan)という2つの成分から構成されており、汗のニオイとは別物として研究されてきた物質である。ちなみに資生堂のデオドラント製品はこちらのストレス臭も解消できるそうだ。

ストレス臭は頑丈なケース内にディスプレイされており細菌兵器を彷彿させる。ストレスを感じると人間はこんなイヤなニオイを発するというのを知ることができる。日本初となっているが、仙台で初お目見えしているので「広島初展示」になる
資生堂の新製品はストレス臭も目立たなくする

 このほかにも悪魔の糞と呼ばれる香辛料「アサフェティダ」をこちらの展示会では初めて用意したり、ニオイ当てクイズといった趣向もこらされているので、友人や家族でも楽しめる内容になっている。

 嗅覚は視覚や聴覚に比べるとあまり注目されないが、食欲増進であったり心身を安定させるのに重要な役割を持っていたりすることが、この展示で再発見できるはずだ。会期中、広島市にお越しの際は足を運ばれてみてはいかがだろうか。

最後にはこんな仕掛けも用意されている。調香師が用意した最“臭”兵器
「におい展」

会期: 2019年7月19日~2019年9月9日
開催時間: 10時~20時30分 ※最終入場20時
会場: 広島パルコ本館6F パルコファクトリー(広島市中区本通10-1)
入場料:
[前売券]700円(会期中1回限り有効)
[当日券]800円
Webサイト: におい展