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虹のアーチをくぐって「こんにちは」。ルフトハンザ カーゴ、ボーイング 777F型機への「Konnichiwa Japan号」命名式を成田空港で実施
2019年5月23日 19:54
- 2019年5月23日 発表
ルフトハンザ ドイツ航空グループの貨物事業社であるルフトハンザ カーゴは5月23日、同社が2月に受領したボーイング 777F型機(登録記号:D-ALFF)に、「こんにちは日本(Konnichiwa Japan)」と命名したことを記念し、成田国際空港で命名式を行なった。
ルフトハンザ ドイツ航空では旅客機のそれぞれに都市の名前を付けており、2018年にはエアバス A380型機に「東京」号と命名したことがニュースになった(関連記事「ルフトハンザ、エアバス A380の新塗装1号機『東京』号就航。鶴のロゴマーク100周年」)。
ルフトハンザ カーゴでも同様に機体への命名を検討した際、社員からアイディアを募集し、そのなかから、「世界にHelloと言っていこう」との案を採用。それぞれの国の言語で「Hello」を入れるというもので、日本は「こんにちは(Konnichiwa)日本(Japan)」となった。ほかには「Olá Brazil(オラ・ブラジル)」や「Good Day USA」といった機体がある。
実は、「こんにちは日本(Konnichiwa Japan)」号は、過去、MD-11F型機でも同様の機体名を付けていたことがある。ルフトハンザ カーゴAG 取締役会長 兼 CEOのペーター・ゲルバー氏は、「5年前に私がCEOになった時の最初の仕事として命名したもの。現在、フリート(機材構成)の更新をしており、そのMD-11Fはもうない。日本は主要な市場の一つなので、MD-11Fの退役後、新しい貨物機が来たときにもう1度やろうと思っていた。同じ名前を付けられることをうれしく思う」とコメント。
新たに「こんにちは日本(Konnichiwa Japan)」号となったボーイング 777F型機(登録記号:D-ALFF)は、同社が2月に受領。命名式は5月になってしまったが、すでに3月から運航を開始している機体となる。
命名式に際しては、本機の到着時にウォーターキャノンの出迎えも実施。西日が差すなか、消防車からの放水にはきれいな虹の橋が2本架かり、そこをくぐるように駐機場へと向かった。
命名式では、ルフトハンザ カーゴAG 取締役会長 兼 CEOのペーター・ゲルバー氏、ドイツ連邦共和国 駐日大使のハンス・カールス・フォン・ヴァアテルン氏、NAA(成田国際空港)代表取締役副社長の長田太氏がマイクの前に立ち、ルフトハンザ カーゴの日本市場への強いコミットメント、日本~ドイツ間の貨物輸送拡大への期待が語られた。
そして、船の進水式でシャンパンを割るセレモニーが行なわれるのに倣い、鏡開きを行なったあとに、そのお酒を機体にかける「お清め式」を実施。ユニークなセレモニーに会場も笑顔に包まれた
命名式の前には、ルフトハンザ カーゴAG 取締役会長 兼 CEOのペーター・ゲルバー氏、同日本支社長のミヒャエル・フォアヴェルク氏による記者会見も行なわれた。
ゲルバー氏は、「2017年、2018年は好調だったが、2019年は需要が想定よりも低い厳しい年になっている」とコメント。同氏は会見のなかで何度も「不確実性の高まり」について触れ、いわゆる米中貿易戦争、ブレグジット(英国のEU離脱)など、判断ができない事象による市場の冷え込みが起きているという。
また、日本においては、ゴールデンウィークが10連休と長くなったことで銀行の休日、生産活動の落ち込みがあったと指摘。また、フォアヴェルク氏は名古屋(中京地区)の自動車関連の貨物輸送の落ち込みが起きていることも紹介し、当初は夏期に週9便の成田~ドイツ路線を運航する予定であったが、需要を見て週7便の現状維持に留めているという。
一方でフォアヴェルク氏は、「日本市場は前年より伸長しており、キャパシティ(容量)も18%拡大しているが、我々の計画であった34%という期待どおりのペースではない。ほかの市場は前年並みなので、日本は伸びてはいる」ともしており、日本市場が依然として強い市場であることも強調。
また、さまざまな製品の開発サイクル短期化やEコマース需要など航空貨物需要が高まる要素が多いることや、「誰にも予測できない」(ゲルバー氏)という不確実性はあるものの、第4四半期以降については「市場を見る。柔軟に対応できる体制があり、ビジネスが成り立つならば成田にMD-11Fを(追加で)投入することもできる。柔軟に対応できるのは我々のアドバンテージ」とゲルバー氏は語り、現在は市場を注視して臨機応変に対応していく姿勢を示した。