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日本トランスオーシャン航空ら、西表島での除草活動を実施。イリオモテヤマネコなど希少動物のロードキル防止に
2019年2月9日 11:11
- 2019年1月19日 実施
JAL(日本航空)とJTA(日本トランスオーシャン航空)などJALグループは、西表島の自然保護活動の一環として、1月19日に除草活動を行なった。
この取り組みは、沖縄県、環境省、竹富町の協力のもとJALとJTAの主催で実現したもので、JTA社員のほかジャルパック、JALJTAセールスからも社員が参加。また、動物保護活動団体や動物クリニックらも参加し、総勢約80名での作業となった。
JALグループでは、奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島の世界自然遺産登録に向けた啓発・支援活動を実施しており、JTAではヤンバルクイナやイリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギなどのイラストをあしらった機体を運航している。ちょうど除草活動当日も、那覇空港から石垣空港に向かうJTA機はイリオモテヤマネコが描かれた機体だった。
石垣空港に降り立つと、参加者全員でバスにて石垣港へ移動。そこから西表島までフェリーで移動となる。西表島の大原港に着くと、バスにて中野地区にある「わいわいホール」まで移動。
12時半過ぎより、わいわいホールの広場にて参加者全員によるキックオフ集会が行なわれた。
キックオフにあたり、JTA 代表取締役社長の丸川潔氏よりあいさつがあり、「JALグループでは5年にわたり世界遺産登録応援活動を行なっている。JTAでは機体の入口へのロゴ、翼の先に希少動物たちのイラストをペイントしたり、シンポジウムなどによる啓発活動や今回のような除草活動、外来種の駆除活動、ビーチクリーン活動などを実施。
いろいろな取り組みのなかで私どもが手応え、やりがいを感じるのは地元の皆さまと一緒に汗をかけるということ。今日は天気にも恵まれた。地元の皆さま、行政の皆さま、そして民間企業が一体となり、ともにいい汗をかいて世界遺産登録へつなげていきたい」と呼びかけた。
後援・協力者である沖縄県 環境部長の大浜浩志氏からは、「西表島の島内には貴重な野生生物が生息している。国の特別天然記念物であるイリオモテヤマネコ、カンムリワシが生息しており、我々は将来にわたって保全し、地元の子供たちに引き継いでいく責任がある。平成30年(2018年)はイリオモテヤマネコの交通事故が9件発生しており、7頭が死亡した。このような交通事故防止をはじめ、盗掘、密漁などについても県では取り組んでいきたい」とあいさつがあった。
また、環境省 那覇自然環境事務所長の東岡礼治氏は、「環境省では、イリオモテヤマネコの目撃情報がたくさんある場所や、事故が起きた場所に看板を立てドライバーへの注意喚起を図ったり、事故に遭ったイリオモテヤマネコを保護・治療しリハビリして野生に戻す活動をしている。
道路の近くに藪があるとそこまでヤマネコが近付いてしまったり、運転手が気付きづらいということがあり、環境省と竹富町とで連携して草刈り活動を行なっている。今回JALグループの皆さまに協力いただけ、地域、民間、行政の連携のモデルケースができることを期待する」と述べた。
なお、わいわいホールの館内ではJTA主催のお楽しみイベントも開催されており、かるた大会やステージパフォーマンス、またJTA社員による折り紙ヒコーキ教室も実施していた。
その後、参加者は2グループに分かれ2台のバスに分乗。Aグループは海中道路、Bグループは大見謝地区でそれぞれ作業を行なうこととなった。作業現場に着くと、環境省職員より作業の仕方や注意事項などの説明があり、草を刈る人、刈った草をほうきなどで集める人、その草を捨てる人に役割分担し、いざ作業スタート。
作業場所である歩道には草が生い茂り、場所によってはふ歩くこともままならない。自転車に乗る人ははじめから車道を走っていた。このような状況では、森に暮らす動物たちが車道まで出てきてしまうのも納得だ。
参加者はカマを手に中腰の姿勢で草を刈る。この日は天気もよく、1月というのに汗だくの作業となった。
それでも皆、限られた時間内で除草するべく手を休めることはなく作業した。14時過ぎに作業終了。約1時間の作業で、歩道は見通しがよくなり歩きやすくなった
地元の人の話では、夏場は草の成長が早いので除草作業はもっと大変とのことだった。自然にあふれた素晴らしい場所は、一方で人間生活との共生には人間が保全しないといけないことを実感した。今回、JALグループの主導により地元、行政、民間企業が一体となっての活動が実現した。このような自然保護活動の輪が広がっていくことを期待したい。