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JRバスグループ、「第2回全国ジェイアールバス運転競技会」開催。通信型のドライブレコーダを使って車外から審査
2018年12月7日 21:15
- 2018年12月6日 開催
ジェイアールバスグループは12月6日、「第2回全国ジェイアールバス運転競技会」を開催した。全国に展開するジェイアールバスグループ8社で、運転技術の研鑽とブランドイメージの向上を図ることを目的に行なっており、今年で2回目。
競技は高速線の部と一般線の部に分かれており、競技会初日の12月5日に「筆記試験」を済ませた選手たちが参加、翌6日に東京臨海副都心イベントスペースで実技競技会を公開した。
競技会の開会式であいさつに立ったジェイアールバス関東 代表取締役社長の中村泰之氏は、「この運転競技会は今回が2回目。安全・安心のレベルをさらに上げて取り組んでいかなくてはと、まじめな議論を社長同士で行ない、1回目は大阪で始めました。JRグループ、JRバスグループが将来も発展するには、安全・安心をいかにブランドとして磨きをかけていくか、地味な取り組みを続けていけるかにかかっており、それを象徴する大会にしようということになりました」と、運転競技会を開催するきっかけと目的について語った。
「今年は新たな取り組みをしています。ジェイアール東海バスが採用した最新のドライブレコーダをジェイアールバス関東でも採用し、通信型のドライブレコーダを使って車外から審査できるようにしました。構内の取り回し競技については、足元に置いたパイロンだけでなく、ミラーの位置にあたる地上3mのところにも柵を張りました。大型バスなので車両感覚をしっかり持って、安全運転をしていただくのがきわめて大切なポイントですので、ぜひ技量を発揮してください」と新しい競技内容についてもコメントした。
来賓を代表してあいさつした国土交通省 関東運輸局 局長の掛江浩一郎氏は、「JRバスグループは、安全対策に関して全国のバス会社のリーダー、お手本として尽力いただいていることに敬意を表したいと思います。過去の競技会のビデオを拝見して驚きました。私自身もバスの乗客として利用しますが、よく狭いところを曲がれるものだとか、狭い場所に停めたりできるものだと感心することがしばしばあります。その背後には皆さんの技量と裏付けがあるからだと、改めて感じています」とコメントした。
実際の競技は、まさに神業
ジェイアールバス運転競技会の競技種目は「筆記試験」(12月5日に実施済み)、「点呼」「路上運転」、タコつぼと呼ばれる狭路コースでの「方向転換」と「隘路通過」「前進後退スラローム」など。特に実技は大型バスを使用して行なうにはかなり難易度の高いコースが設定されていたが、いとも簡単にすり抜けていくドライバーもいて驚いたほどである。
「前進後退スラローム」について競技後の選手に話を聞いたところ、「バックの方が楽ですね。理由は簡単で、後輪の位置だけ誤らなければフロントタイヤはステアリング操作で動かせますから」とのことだった。
これは大型バスだけでなく、一般の乗用車でも同じことが言えるが、大きさがつかみづらい大型バスで狭小スペースでの方向転換を行なうには、前輪と後輪が車体のどこにあるかを把握し、目指す位置に後輪を持っていくためにどう操作すべきかを理解できていなければならない。参加者たちの技術は、まさに神業と言ってよいだろう。
競技会場では、日野自動車が今年から販売している「ドライバー異常時対応システム・EDSS」搭載車両の展示とデモも行なっていた。ドライバーに異常が発生した際に、ドライバー自身が非常ブレーキスイッチを押すか、乗客が客席上部にあるスイッチを押すことで車両がブレーキをかけ停止するもので、外部に対してはハザードランプがオンになりブレーキランプが激しく点滅、ホーンが断続的に鳴って周囲に異常を知らせる機能で、高速道路などで時速100km/h走行時にスイッチが押された場合はドライ路面であれば約200mで停止できる仕組みとのことだった。