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シンガポール航空、河村 名古屋市長や三菱重工・川崎重工・SUBARUと最新鋭旅客機 ボーイング 787-10の機内見学会
河村市長は、三菱重工スタッフへMRJの応援コメント
2018年7月29日 15:31
- 2018年7月28日 運航開始
シンガポール航空は7月28日、セントレア(中部国際空港)にボーイング 787シリーズの最新型となる「787-10型機」を就航した。セントレアからの1番機はSQ671便としてシンガポールへ向けて出発、最新旅客機がセントレア~シンガポール間を毎日運航しはじめた。
シンガポール航空 中部国際空港~シンガポール・チャンギ国際空港線
SQ671便:セントレア(10時30分)発~シンガポール(16時20分)着、毎日運航
SQ672便:シンガポール(01時20分)発~セントレア(09時05分)着、毎日運航
シンガポール航空は、1番機となるSQ671便の就航に合わせてボーイング 787-10就航記念式典を実施したが、式典終了後関係者向けにボーイング 787-10の機内内覧会を実施した。
この機内内覧会には、式典に出席した名古屋市長 河村たかし氏、シンガポール航空関係者、ボーイング関係者に加え、ボーイング 787シリーズの部品を製造する三菱重工・川崎重工・SUBARUの製造スタッフも参加。この3社で作る部品はボーイング 787の部品の35%にも上り、主翼、前部胴体、中央翼と主要部品を製造している。
機内の内覧に参加した三菱重工・川崎重工・SUBARUのスタッフに聞いたところ、もちろん製造現場でボーイング 787-10の部品製造にたずさわっているものの、完成品としての旅客機を見るのは初めて。自分たちの製造した部品がボーイングに納入され、そしてそれがボーイングで組み立てられ、世界中の航空会社に販売されていく。その機体を実際に見たり、乗ったりするのはとても感慨深いとのことだ。
川崎重工のスタッフは自社で製造する前部胴体を、SUBARUのスタッフは中央翼付近を気にしていたのが印象的だった。
この機内見学会では、報道カメラが多数入るため、河村市長らのグループを最初にビジネスクラス、三菱重工・川崎重工・SUBARUのスタッフを最初にエコノミークラスと2班に分けて実施。後半は入替を行なったりするなどしていたが、河村市長がビジネスクラスからエコノミークラスに移動する際に、三菱重工のスタッフにMRJの製造に対してエールを贈り、川崎重工のスタッフについては各務原の工場についての質問をしていたのが印象的だった。
河村市長は、減税政策を行なうなどなによりも民間企業の成長が大切としており、航空産業についても深く理解しているようだった。
SQ671便の離陸を見送ったあと、シンガポール航空はセントレアで機内食の調理を依頼している名古屋エアケータリングで三菱重工・川崎重工・SUBARUのスタッフを招いての機内食試食会を開催。セントレア~シンガポール便で提供している、ビジネスクラス、エコノミークラスの機内食をお披露目していた。
セントレア発の機内食で話題となっているのが、「うなぎ」をビジネスクラス、エコノミークラスともに提供すること。シンガポール航空によると、このうなぎの提供はセントレアが関係する便であること、ボーイング 787ー10が787シリーズ最長であることから決めたとのこと。就航から1週間は、日本産うなぎを、それ以降は輸入うなぎで提供していく。シェフに確認したところ、ビジネスクラスとエコノミークラスで提供しているうなぎの素材に差はないとのことだ。エコノミークラスでは、このうなぎのほか、シンガポールの郷土料理であるチキンライスも提供され、いずれか選択できる。記者も実際に試食したが、薄味ながらスパイスの効いたチキンライスは非常に美味しく、うなぎとの選択には迷いそうだ。
ビジネスクラスはさすがの美味しさ&量で、約7時間のフライト中にゆっくり食事を楽しめるもの。洋風、和風ともに豪華で、シンガポール航空最新のビジネスクラシート、ワインなどとあわせ、くつろぎの料理が提供されていく。また、まったくアナウンスされていないが、ビジネスクラスの料理に使われている陶磁器は世界的なメーカーとして知られるナルミ(鳴海製陶)製のもの。日本では、ノリタケとナルミが世界的メーカーとして1位、2位を争っているが、いずれも愛知県名古屋市に本社がある。地元の食材、地元の食器とシンガポール航空がいかにセントレア~シンガポール線を重視しているか改めて理解できるモノだった。