ニュース

インドネシア・ビンタン島が商品造成セミナー。プライベートビーチとプール付きヴィラを持つリゾートが集まる

2018年5月29日~30日 開催

ビンタンリゾートが商品造成セミナーを開催した。写真はBintan Resorts International ジャン・ムー(Jan Moo)氏

 ビンタンリゾート(Bintan Resorts International)は5月29日~30日、インドネシア・ビンタン島の観光業関係者とともに来日し、旅行商品造成セミナーを開催した。セミナーではビンタン島の概要を説明したほか、各リゾートが客室やレストランなどの施設や周辺環境などにも言及した。

 ビンタン島はインドネシアのリアウ諸島最大の島で、シンガポール海峡を挟んでシンガポールの南東に位置している。シンガポール・チャンギ国際空港からタナメラ・フェリーターミナルまでは、空港の各ターミナルを経由するシャトルバス(2シンガポールドル、約162円、1シンガポールドル=約81円換算)が出ており、そこからフェリーでビンタン島のバンダル・ベンタン・テラニ・フェリーターミナルまで約50分で訪れることができる。

 ちなみにこのフェリー、揺れの少ない双胴船で、ビジネスクラス56席、エコノミークラス280~300席の2クラス制になっている。ビジネスクラスはレザーシートでソフトドリンクなどの提供もあるとのこと。

 日本とシンガポールの時差はマイナス1時間、ビンタン島はマイナス2時間なので、ビンタン島に到着してもシンガポールとほぼ時刻が変わらない、ということになる。一方、ジャカルタから空路で訪れる場合は、島南部のラジャ・ハジ・フィサビッリラー空港まで90分ほど。ただし、多くのリゾートホテルは島北部に集中している。

 ビンタン島は169カ国のビザを免除しており、日本国籍所有者もビザフリーで入島できる。2017年の世界からの訪問者を順位で見ると、インドネシア、シンガポール、中国、インドに次いで日本は第5位。インドネシアへの日本人旅行者はジャカルタとバリ島で人気を二分しているが、その次のデスティネーションがビンタン島となっている。

ビンタンリゾート
ビンタン島の概要などを説明したインドネシア共和国観光省 ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所 チーフマーケティングオフィサー 高橋直美氏
2017年の外国人訪問者で日本は第5位
フェリーでシンガポールから50分程度
シンガポール・チャンギ空港からフェリーターミナルまではバスで
ビンタン島へのアクセスなど
リゾートホテル以外にもグランピングなども用意している
ザ・サンチャヤ・ビンタン
カノピー・アット・トレジャーベイ・ビンタン
クラブメッド・ビンタン
著名ゴルファーがデザインしたゴルフコース
マングローブツアー
動物保護区
独特のソースにつけて食べる巻き貝「ゴンゴン」(左下)や、魚や海老をバナナの葉でくるんで焼く「オタオタ」(中央下)

ビンタンラグーンリゾート

「ビンタンラグーンリゾート」は、300ヘクタールの敷地に南シナ海に面した1.5mのプライベートビーチを擁するビンタン島最大のリゾートで、島のフェリーターミナルからプライベートフェリーで訪れることができる。

 敷地内には2つの巨大なプールと、ジャック・ニクラウスがデザインしたものと、イアン・ベーカーフィンチがデザインしたものの2つのゴルフコース、14のレストランがあり、客室は計450室。客室の内訳は、デラックスルームが37m2で385室、スイートが74m2で8室、ヴィラが140~325m2で57棟となっている。

 リゾート内には50を超えるアクティビティやスパがあり、3歳~11歳までの子供にはキッズプログラムが用意してある。

300ヘクタールの敷地を持つビンタン島最大のリゾート
広大な敷地にヴィラやレストラン、ゴルフコースなどが点在する
ゴルフコースはジャック・ニクラウスとイアン・ベーカーフィンチがデザインしたもの

バンヤンツリー

「バンヤンツリー」はフェリーターミナルから10分の位置にリゾート3軒とゴルフ場を所有しており、リゾートは全館全室プライベートプール付きのヴィラで構成されている「バンヤンツリー・ビンタン」、ツインルームが豊富で家族や団体利用者に向いているという「アンサナ・ビンタン」、2017年にオープンしたばかりで全館全室キッチン付きのサービスアパートメント「カッシーア・ビンタン」からなる(関連記事「バンヤンツリー、インドネシア・ビンタン島にホテルレジデンス『カッシーア・ビンタン』8月開業」)。

 バンヤンツリー・ビンタンは64のヴィラ、アンサナ・ビンタンは113室、カッシーア・ビンタンは56部屋。レストランは、タイ・プーケットの旗艦ホテルにもあるシグネチャーレストラン「サフロン」(タイ料理)のほか、「ツリートップ」(オールデイダイニング)、「コーブ」(地中海料理)などをバンヤンツリー・ビンタンに用意しており、アンサナとカッシーアの宿泊客も利用できる。

 バンヤンツリーはスパに力を入れていることでも知られているが、グループのセラピストになるには「バンヤン・スパアカデミー」で350時間以上のカリキュラムを受ける必要があるため、「世界中でレベルが一定」という。

バンヤンツリーは「バンヤンツリー・ビンタン」「アンサナ・ビンタン」「カッシーア・ビンタン」で構成されている
ラグーナ・ビンタン・ゴルフコースはホテルの裏手にあり、15分ほどでコースに出ることができるという
2017年にオープンしたビーチクラブ

ニルワナ・ガーデンズ

「ニルワナ・ガーデンズ」は6つのホテルで構成されており、すべてがプライベートビーチを擁している。その中心的存在が241室の「ニルワナ・リゾート・ホテル」で、そこからクルマで10分程度の距離に2017年まで「スイス・ベルホテル」だったものをリブランド・リノベーションした132室の「グランド・ラゴイ・ホテル」、さらに51室の「マヤン・サリ」がある。部屋の作りがシンプルな「ニルワナ・ビーチ・クラブ・カバナ」は料金が抑えてあり、学生旅行などにも向いているという。このほか、15室のヴィラの「バンユービル・ヴィラ」、8室のヴィラのみのハイエンド向け「インドラ・マヤ」などがある。

 広い敷地のなかには多数のレストランがあり、なかでも著名なのは500席以上のキャパシティを持つ「ケロン・シーフードレストラン」で、「ほかのホテルに泊まっていても滞在中一度はくる」と言われるほど象徴的な存在だという。

6つのホテルで構成されるニルワナ・ガーデンズ

ザ・レジデンス・ビンタン

「ザ・レジデンス・ビンタン」はここまでのリゾートと異なり、ビンタン島の南部に位置している。2018年2月に開業したばかりの非常に新しいリゾートで、フェリーターミナルからはクルマで1時間程度。手つかずの自然が残り、近くの島へエクスカーション(小旅行/遊覧旅行)すれば、スキューバダイビングやシュノーケリングも楽しめるという。

 敷地内のビーチは3km程度と長く、部屋はほとんどがプールヴィラになっている。1つの建物にスイートが4室収まったエントリーレベルの「ガーデン&ビスタテラス」が80部屋、全室プール付きの「ビーチフロントヴィラ」は28部屋、独立性が高く、プライベート感が強い「エステート」が15部屋用意されている。レストランはオールデイダイニングと、「リチャ・リチャ」というインドネシアフュージョン料理が楽しめる。

2018年2月に開業したばかりのザ・レジデンス・ビンタン
マングローブツアーは夜がお勧めで、蛍が年中見られるという

Bintan Resorts International ジャン・ムー氏に聞くビンタン島

インタビューに答えるBintan Resorts International ジャン・ムー(Jan Moo)氏(右)と、インドネシア共和国観光省 ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所 代表 成田忠彦氏(左)

――インドネシアには数多くの島があるが、ビンタン島の強みは。

ジャン・ムー氏:多くの場合、ビンタン島にはインドネシア国内からではなく、シンガポールからアクセスするということが、むしろ強みになっています。一度の訪問でシンガポールとビンタン島のどちらも楽しむことができますし、なによりシンガポールは飛行機の便数が豊富です。

 また、ビンタン島にはさまざまなタイプのホテルやヴィラがありますが、ゴルフコースも多くあります。例えば、シンガポールにもゴルフコースはありますが、(ラウンドに時間がかかり過ぎないよう)ハンデキャップに下限を設けるなど、予約の難しい面があります。しかし、ビンタン島のゴルフコースはそういった制限がありません。

――日本の市場は第5位だが、今後どう伸ばしていくか。

ジャン・ムー氏:かつて日本は第2位~第3位に位置していました。実は、最近は飛行機の席の確保に苦慮しています。これほど便数があるのですが、日本への訪日客が非常に増えたため、その復路も混雑していて、日本人が席を取りづらくなっているのです。

 お客さまを増やす方法としては、グランピングとキャノピング(テントでの宿泊)、そして豪華なホテルをアピールしていきます。日本のマーケットは、仕事疲れを癒すため、リラックスしにくる人が多いため、外でBBQをするなど非日常的な体験を提供していきます。

 今後は月に3000人~4000人、年間で5万人くらいを目指して、再び日本人旅行者が第2位~第3位くらいまで伸びてくれることを期待しています。