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1週間単位で滞在するタイムシェア・リゾート「ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブ」、順次オープン
「ヒルトン小田原リゾート&スパ」の敷地に10のコテージと100のユニット
2018年3月26日 19:02
- 2018年3月26日 発表
- 2018年から順次オープン
HGV(ヒルトン・グランド・バケーションズ)は3月26日、コンラッド東京(東京都港区)で記者会見を開き、HGVにとって日本初となるタイムシェア・リゾート「ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブ」を、「ヒルトン小田原リゾート&スパ」(神奈川県小田原市)内にオープンすることを発表した。
最終的に10の「コテージ」と、ヴィラ・スタイルの100の「ユニット」を約5万9000m2の敷地に展開する計画で、まず2018年の半ばごろまでに10のコテージをオープン、近日販売を開始する予定だ。
日本市場はタイムシェア・リゾートの成長のフロンティア
HGV 取締役社長 兼 CEOのマーク・ワン氏は、同社が提供するサービスや「ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブ」の概要を説明した。
HGVはヒルトンの1部門としてスタートしたが、2017年1月にニューヨーク証券取引所に独立した1企業として上場。タイムシェア・リゾートの開発・管理、マーケティング、バケーション用不動産の販売などを行なっている。
通常ホテルの宿泊は1泊から予約するが、HGVが提供するタイムシェア・リゾートでは、1週間単位で客室を利用する期間を購入する。客室には1~3室のベッドルーム、リビングルーム、キッチンのほかに洗濯機など生活に必要なものが揃い「長期滞在の家族を想定して、リゾートでの休暇でありながら自宅で過ごすよう」整え、「ゆとりある広さ、上質の調度品」を備えている。
現在世界48カ所のリゾートを手がけ、オーナー数は28.8万組、そのうち日本人オーナーは5万8000組ほどとのこと。ハワイを訪れる日本人向けのリゾート販売を2000年に開始し、今では国内拠点数は10カ所、約500人のスタッフが働いている。
「ハワイが好きな日本人」がメインターゲットであるものの、もっと近くて頻繁に訪れることができるタイムシェア・リゾートの地として、東京から新幹線なら約30分、クルマなら約2時間というアクセスで温泉や自然に触れることができる利便性から、小田原を選んだという。宿泊客は既存のヒルトン小田原リゾート&スパにある、温泉、屋内・屋外プール、屋内テニスコート、スパ、フィットネスセンター、ゴルフ場、ボウリング場などの充実した施設を利用できることもメリットとなる。
開発は数段階に分かれており、まずは7名までの宿泊が可能な10棟のコテージの完成を目指す。そのあとはユニットを25棟ずつ、4期に分けて合計100棟完成させる計画という。ユニットは6名までが利用でき「スタンダードタイプ」で90m2ほど。料金は未定だが「1週間の滞在で3万5000ドルから8万ドル付近になるのでは」とのこと。
ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブは「山と海の壮大な景色と、伝統的な和のデザインの融合」がデザインコンセプト。箱根山麓と相模湾に囲まれた立地で、宿泊客は「海辺に佇む静かな森」というリゾートのコンセプトを堪能できる。内装の一部には波をモチーフにしたタイルや、ブルーグリーンのアクセントを加えるなど、海の表現を取り入れている。また、現代的なデザインに、漆喰や木彫を施した壁や繊細な組子細工をあしらうなど、日本古来の伝統工芸を各所に取り入れ、「心和む穏やかな空間」を演出しているという。
マーク・ワン氏は、HGVは「日本市場はタイムシェア・リゾートの成長のフロンティア」と考え注力しており、ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブは訪日旅客というより日本人の家族利用をメインターゲットに据え、「ご家族でHGVのタイムシェア・リゾートを楽しんでいただきたい」と語った。
ヒルトン・グランド・バケーションズと小田原市の経済に対して貢献
ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブは、ヒルトン小田原リゾート&スパの約25%(約5万9000m2)の土地を取得して開発が進められる。また、ハウスキーピングやメンテナンスなどのホテルサービスは、ヒルトンが提供する。会見にはヒルトンから日本・韓国・ミクロネシア地区 運営最高責任者のティモシー・ソーパー氏が出席した。ヒルトンは1963年の東京ヒルトンホテルのオープンから54年の長い日本との関係があり、その歴史のなかで「ゲストに素晴らしい体験を提供することをヒルトンとして重要視」してきており、「これからもHGVと小田原市の経済に対して貢献してまいります」とあいさつした。
小田原市は東京から1番近い城下町
ヒルトン小田原リゾート&スパは小田原市がオーナー、ヒルトンが運営という体制をとっており、小田原市からは市長の加藤憲一氏が出席した。「小田原市は東京から1番近い城下町」であり、年間約600万人の観光客がいるが、そのほとんどは小田原城を見学するなど滞在時間が短い傾向があり、箱根に滞在する際の立ち寄り観光地的なところがあるという。そこに長期滞在型のザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブができることで、「小田原に数日間滞在していただけるようになり、小田原の水産業や農業、山や海といった自然、小田原城などの歴史、地場産業に触れていただけたら」と述べた。また、ヒルトングループにより世界に向けて小田原の魅力が発信されることで「地域への集客効果、ブランド向上により、大きな経済効果につながっていくのでは」と期待を寄せた。