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戌年のパイロットが運航した、ANAの「2018年 初日の出フライト」
ANA 平子社長は、「一番富士山に近いところからご来光を望んでいただける」と紹介
2018年1月2日 18:01
- 2018年1月1日 実施
ANA(全日本空輸)は1月1日、機内から初日の出と富士山を鑑賞する「2018年 初日の出フライト」を実施した。2001年の初実施から18回目となる今回は、長野県駒ケ根市周辺上空から初日の出を眺めた。
この「初日の出フライト」は、ANAマイレージクラブ会員限定のフライトで例年11月ごろに募集を行なっている。コースは羽田空港発着とセントレア(中部国際空港)発着の2種類を実施しており、機内ではおせち料理と飲み物がふるまわれるほか、「2018年元旦 初日の出フライト搭乗証明書」や記念品が配布される。
今回記者が参加した羽田発着コースは、羽田を離陸後、伊豆半島や南アルプス上空を通過し、富士山の北西約80km地点の「初日の出鑑賞ポイント」を旋回しながら初日の出と赤富士を鑑賞。その後、栃木県の那須高原から茨城県上空を経て羽田に戻るスケジュールとなっていた。
4時30分ごろになると、初日の出フライトの搭乗客が続々と集合。搭乗を待つあいだ、着物姿のグランドスタッフらと記念撮影をしたり、椅子に座ってリラックスしたりとそれぞれに過ごしていた。
搭乗前の5時になると、ANA 代表取締役社長の平子裕志氏が登場し「あけましておめでとうございます。皆さま本日は、かくも早朝に、ANAの2018年初日の出フライトにご搭乗いただきまして誠にありがとうございます」と挨拶。続けて「この初日の出フライトでございますが、2001年に他社さまに先駆けて私どもが就航したんですね。毎年好評を博しておりまして、今回18回目を迎えることができました。
本日のフライトでございますが、羽田を離陸いたしまして伊豆半島、三浦半島を経過して富士山の約西北80kmのところに約30分ほどで到着いたします。そのときの高度が3960mの予定で、これは富士山の高さ3776mよりも約200mほど上です。本日は、初日の出フライト計6社10便が飛ぶというふうに聞いておりますが、そのなかで一番低い高度を飛ぶことになりまして、そういう意味では、皆さんが一番富士山に近いところからご来光を望んでいただけるということでございます。
本日の初日の出は6時45分を予定しております。離陸から着陸まで1時間50分の初日の出フライトでございますが、どうぞゆっくりとお楽しみいただければと思っております」と話し終了した。
その後アナウンスが流れ搭乗開始。搭乗口までは、平子氏や着物姿のグランドスタッフらがお見送りを行なった。乗客とCA(客室乗務員)らスタッフや報道陣を含む168名を乗せたボーイング 787-8型機、NH2018便は5時31分にプッシュバックを開始、5時48分に離陸した。
順調に高度を上げ水平飛行となった機内では、胸元に「さくらひめ」(デルフィニウム)のコサージュを付けたCAがおせちと飲み物を配布し、食事の時間に。食事のあいだに窓の外を見ると、離陸時には真っ暗だった窓の外の景色も、徐々に東の空がオレンジ色に染まり始めていた。
そして鑑賞ポイントに到着した機体は旋回を開始。この初日の出鑑賞ポイントは、ANAが富士山と日の出が同時に見られるポイントを計算して選定したものなのだそうだ。この日、機体は高度約4000m付近を飛んでいたが、ふと上を見上げると他社の飛行機が見える場面も。
いよいよ6時45分過ぎに日の出になると「当機はこの地点で右旋回をいたしますので、右席のお客さま、左席のお客さまどちらも順に富士山と日の出がご覧いただけます。どうぞお席にお座りのまま、お楽しみください」と機長アナウンスが入った。
機内では、窓から真っ赤な太陽と富士山が見えるたびに歓声が上がっていた。カメラやスマートフォンで撮影する姿もあり、それぞれが初日の出フライトを楽しんでいるようだった。
鑑賞を終えたNH2018便は羽田に向け飛行を開始。CAは乗客一人一人に手書きのメッセージカードなどを配布し、着陸の準備を行なった。
その後、NH2018便は順調に栃木県の那須高原上空を通り過ぎ7時49分に羽田に着陸すると、約1時間50分の「2018年 初日の出フライト」は終了した。