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スターバックス、世界遺産の広島・宮島 嚴島神社前にオープンする船で行くスターバックス「厳島表参道店」を事前公開

11月22日オープン。宮島ビールの「宮島ブルワリー」と併設

2017年11月22日 10時オープン

世界遺産 広島・宮島 嚴島神社の前にオープンする「スターバックス コーヒー 厳島表参道店」。参道側が表の入口になる

 スターバックス コーヒー ジャパンは11月17日、22日10時にオープンする「スターバックス コーヒー 厳島表参道店」の事前公開を実施した。厳島表参道店は、日本三景の一つとして知られる広島県 宮島の島内に作られ、店舗の向かいには世界遺産にもなった嚴島神社の大鳥居や瀬戸内の海が望める。

店舗情報

店舗名:スターバックス コーヒー 厳島表参道店
住所:広島県廿日市市宮島町 459-2
開店日:2017年11月22日 水曜日
営業時間:9時~20時
(オープン日は10時からの営業)
店舗面積:57.5坪(約190m2
席数:40席

 この厳島表参道店の特徴は、クラフトビールである宮島ビールの「宮島ブルワリー」を併設となっていること。宮島の企業である宮島ビールと協力することによって世界遺産に向かい、瀬戸内を望むという場所に出店した。

日本初の船で行くスターバックス「厳島表参道店」

 スターバックス コーヒー ジャパン 店舗開発オフィサー 松村壱仁氏は、以前からこの宮島に出店したいと思っていたという。そこに、宮島が地元であり、7年前に宮島ビールを創業した 宮島ビール CEO 有本茂樹氏がコンタクト。3年前から話し合いを進め、そこからは出店まで順調に進んだという。

 厳島表参道店の建物は、1階がスターバックス コーヒー 厳島表参道店と、宮島ビールの醸造施設、ビールスタンドがあり、2階が厳島表参道店の客席、3階が宮島ビールのレストランという構造になっている。2階、3階とも瀬戸内海方向は大きなガラスで海を望め、2階のベランダからは嚴島神社の大鳥居を見ることができる。

厳島表参道店へは、宮島口からカーフェリーで渡る。カーフェリーからは、瀬戸内の美しい景色を見ることができる
フェリー会社は複数社ある。どちらを利用しても宮島には行けるので、チケットのカウンターの混み具合で決めるのもよいだろう

 スターバックス 松村氏は、スターバックス店舗の特徴について、地域の特色を採り入れており、1店舗1店舗が異なるという。厳島表参道店については、1階の店舗ではローカウンターにすることで同社がパートナーと呼ぶスタッフと来店客の会話が容易になるよう配慮し、2階の客席に上って行く途中にローストしたコーヒーやパネルなどを配置することでストリー性をもたせ、2階の客席の壁面には730本の木製しゃもじで作られたアート作品を展示。

 言うまでもなく木製しゃもじは宮島の伝統工芸品で、広島に甲子園の強豪校が多いことから甲子園のスタンドで打ち鳴らされるしゃもじは有名だ。その伝統工芸品のしゃもじで作られたアート作品は、スターバックスのシンボルとなっている人魚の「サイレン」のうろこを表現。さまざまな風合いの木製しゃもじが落ち着いた空間を演出している。

 2階の客席も、木を活かしたものが多く、テーブルやイスも木を多用し、ソファの色調も木のトーンに合わせてある。

 スターバックス 松村氏によると、この厳島表参道店は日本で初めて船で行くスターバックス店舗になるという。島にあるスターバックス店舗は石垣空港店が初めてのものとなり、厳島表参道店は2番目の店舗になる。「石垣空港店は飛行機で行くスターバックス、厳島表参道店は船で行くスターバックス」とうれしそうに紹介してくれた。

 松村氏によると、こうしたストーリー性のある店舗もスターバックスの特色ではあるが、一番の財産は店舗で働くパートナーだという。スターバックス店舗を彩るイラストなどもパートナーが描いており、パートナーの工夫によってスターバックスが支えられている。そのうえで、「一杯のコーヒーでも何かができる」と考えており、コーヒーを軸に「夢を売る企業でありたい」と語る。

 厳島表参道店は、日本三景、世界遺産という立地条件にあり、宮島を訪れる観光客の利用が多いと思われるが、「島の人に利用していただき、スターバックスがあってよかったね、と言われるようになりたい」(スターバックス 松村氏)とのこと。地元にしっかり根を下ろした店舗として育てていく方針のようだ。

厳島表参道店と併設する宮島ビールの「宮島ブルワリー」

「 厳島表参道店」は、宮島ビールの「宮島ブルワリー」と併設。こちらは瀬戸内に面した海側になる

 一方、厳島表参道店と併設する宮島ビールの「宮島ブルワリー」は、この店舗開設を機会に、ビールの醸造施設を宮島に設置。宮島ビール CEO 有本氏の実家の井戸を約50年振りに開け、その天然水を使ってビールを醸造していく。

 すでに天然水は「宮島天然水」として、島内の一部店舗で販売されており、「とても美味しい」(宮島ビール 有本氏)とのこと。もちろん、この宮島ブルワリーで購入できる。

 店舗内でのビールの醸造は12月を目処に開始。ビールができるまで1カ月程度かかることから、宮島天然水を使った宮島ビールは1月後半からになるという。現在の宮島ビールもそうだが、熟成が進むタイプのビールのため、新鮮なものより、ある程度熟成が進んだ方が美味しい麦酒になっているという。

 宮島ビール 有本氏が7年前にクラフトビール造りに挑んだのは、ビールもつ気軽さや楽しさに引かれたため。「とりあえずビール」「かんぱーい」といったビールの楽しさを宮島ビールによって共有していきたいという。

 3階に設置されたレストランは全48席。このレストランからも瀬戸内海や嚴島神社の大鳥居が望め、朝、昼、そしてライトアップされた夜と美しい景色が広がるという。レストランでは、焼きガキやアナゴなど、ビールに合う料理が用意され、瀬戸内海を望みながら、クラフトビールと合わせて楽しめる。

 神の島である宮島は結婚式の場所としても人気で、年間330組が結婚式を行なうという。ただ、その場合、披露宴などは島ではなく対岸(本州)の宮島口にあるホテルが利用されることが多い。このレストランは貸し切りも可能なので、親族同士の食事会などにも使ってもらえたらとのことだった。

 安芸の宮島は紅葉が美しいことから、11月が観光のピークとのこと。11月22日というオープン日は、勤労感謝の日となっている11月23日の前日であり、近くに住んでいるのであれば来週末は宮島の観光に訪れることも容易だろう。広島・山口観光を考えている人も、一足伸ばせば宮島なので、スターバックス コーヒー 厳島表参道店を訪れてみていただきたい。21年前の銀座1号店を皮切りに、全国1300店舗以上あるスターバックスのなかでも、強い個性を持つ店舗に違いない。