ニュース
コスタクルーズ、「コスタ ネオロマンチカ」による太平洋周遊クルーズ開始。6泊7日で1名6万800円から
東京・晴海ふ頭を母港に9本の自主運航クルーズ実施、2018年4月~8月のコース詳細も発表
2017年11月7日 13:21
- 2017年10月20日 実施
コスタクルーズは10月20日、約5万7000トンのカジュアル客船「コスタ ネオロマンチカ」による同社初の太平洋周遊クルーズを開始。2018年1月末にかけて自主運航で合計9本を実施する。東京港初入港となった10月20日、船内で東京都港湾局による歓迎セレモニーが実施され、メディア向けに船内を公開した。合わせて発表されたばかりの2018年4月~8月のコース詳細も解説する。
すべてのクルーズを晴海ふ頭を母港に実施、9本を自主運航
コスタクルーズは、1948年創業で15隻の船を保有するヨーロッパ最大手のクルーズ会社。2006年からアジアで航海を開始し、日本では2016年7月から9月にかけてイタリア船籍のカジュアル客船「コスタ ビクトリア」による日本海側の周遊クルーズを初めて自主運航。「コスタビクトリア古都と城下町を巡る麗しの日本海と釜山」が日本外旅客船協会による「クルーズ・オブ・ザ・イヤー 2016」グランプリを受賞するなど好評を受けて、2017年度は4月から10月までに期間を広げ、福岡を母港に同じくイタリア船籍の「コスタ ネオロマンチカ」で運航した経緯を持つ。
今回は、その「コスタ ネオロマンチカ」の母港を福岡から東京へ移し、初めての太平洋側の周遊クルーズの自主運航を開始。期間は10月20日から1月27日までで、コース数は9本。期間中、11月末までのコースでいったん改修に入り、12月24日からの年末年始コースで再開して、1月27日まで計9本の太平洋周遊コースを運航する。
東京発着となる秋・冬シーズンの太平洋周遊クルーズは、6泊7日で6万800円(内側クラシック2名1室、1人分のクルーズ代金。別途港湾税と船内チップが必要)からというカジュアル船ならではの利用しやすい価格。さらに大人2名と同室の13歳未満の子供は、2名までクルーズ代金無料(別途港湾税と4歳~12歳は船内チップが必要)。11月25日出発の「錦秋ロマン紀行 神戸・済州島クルーズ」限定で、5泊6日2万4800円(内側クラシック2名1室、1人分のクルーズ代金。別途港湾税と船内チップが必要)からという特別価格も登場するなどクルーズ船のハードルを大幅に下げており、クルーズが初めての乗客でも利用しやすい。
コスタ ネオロマンチカ船内で東京港初入港歓迎セレモニーを開催
今回、東京港に初入港となったコスタ ネオロマンチカを歓迎し、船内のラウンジ「グランドバー」でセレモニーが開催された。
まず、東京都 東京港管理事務所 所長の飯田紀子氏が東京都港湾局長の祝辞を代読。「東京港を代表し、心より歓迎申し上げます。コスタクルーズ社の客船は、まさに“海の上のイタリア”として船に乗った瞬間からイタリアを感じられる船と聞いています。コスタ ネオロマンチカをこれから毎週のように東京港にお迎えできることを非常にうれしく思っております。
東京は2020年オリンピック・パラリンピック開催都市として、世界から注目を集めており、この機会に東京が国際観光都市として発展できるよう、クルーズ客船誘致に積極的に取り組んでおります。合わせて臨海副都心地域において、世界最大の客船にも対応可能な客船埠頭を2020年までに整備し、首都東京の玄関口として国内外から多くの方々をおもてなしの心を持ってお迎えしてまいります。
東京には日本を代表する繁華街である銀座など、観光客に人気の見どころがたくさんあります。また、東京港は新幹線の駅や空港へアクセスしやすく、遠くから来られるお客さまにとりましても非常に便利な港です。これから太平洋周遊クルーズで東京港を重ねてご利用いただき、訪れるたびに新しい感動に出会える街、東京の魅力を存分に味わっていただきたいと思います」とコメントした。
続いてコスタ ネオロマンチカの東京港初入港を記念して、記念盾や記念品の贈呈を実施。東京港管理事務所からは記念盾と東京の伝統工芸である和凧のミニチュアセットを、中央区文化・国際交流振興協会からは記念盾を、東京都埠頭株式会社からは日本人形を、東京都港湾振興協会からは日本酒を贈呈。さらに第36代中央区観光大使・ミス中央の3名から花束が贈呈され、コスタ ネオロマンチカからは返礼品としてコスタ ネオロマンチカの船の模型が贈られた。
挨拶に立ったマリオ・モレッタ船長は「東京港に初入港することができて大変うれしい。この初入港により、東京という都市とコスタ ネオロマンチカとの新たな長い友好の歴史が築けることを願っている。皆さまにコスタクルーズを体験していただき、日本の市場をより開拓していきたい。コスタクルーズに乗船いただき、独特の楽しい体験をしていただきたい」とコメントした。
2018年度のコスタ ネオロマンチカのクルーズは東京発着が増加、ドリンクパッケージ付きに注目
続いて、コスタクルーズ 日本支社長 糸川雄介氏から2017年度、2018年度のクルーズ概要について紹介があった。
2017年度は、コスタ ネオロマンチカによる日本海側のクルーズを4月から32回実施。福岡から東京港に母港を移し、10月20日から秋・冬の東京シーズンをスタートした。初回のクルーズは沖縄や台湾を巡るクルーズを予定したが台風の直撃を受けてスケジュールを変更。函館・ウラジオストクのクルーズが実施された。1100名ほどの予約があったが、800名強の乗船になったという。
この秋・冬の東京港を母港とするシーズンは、2018年の1月27日までの実施を予定。8泊や6泊のクルーズを中心にし、年末年始は10泊のクルーズを実施。トータルで9回の東京港発着クルーズが実施される。
2017年5月に発表した当初のスケジュールでは、コスタ ネオロマンチカは日本での通年運航を計画。3月まで東京港をベースにした運航を予定していた。しかしコスタクルーズが現在アジアに配船している5隻のうち、コスタビクトリアが年明けの2018年初頭にヨーロッパに帰ることになった影響を受け、中華圏の旧正月シーズンの需要に対応するため2月から3月にかけてコスタ ネオロマンチカが台湾と香港へ配船されることになったという。
続いて2018年のシーズンの全体の概要についても発表された。ポイントは、太平洋側コースの増加、バリュー(変動制料金)の導入、ドリンクパッケージ付きの料金体系、リピーター割引導入の4点。
「太平洋側コースの増加」については、国際情勢が大きく影響。当初は2018年も日本海側のクルーズを中心に実施する予定だったが、日本海側のクルーズに北朝鮮の情勢が大きく影響したことから、急遽スケジュールを変更。4月21日から6月30日まで東京・横浜と神戸を発着港とする太平洋側のクルーズが合計10本実施されることになった。東京・横浜と神戸の太平洋側でも、複数の港での乗降船が可能なインターポーティングを実施する。7月1日から8月27日までの2カ月間は、これまで同様、福岡、舞鶴(京都)、金沢を発着港とする日本海でのインターポーティング形式のコースを中心に、計11回のクルーズを実施する。浜田(島根県)と佐世保(長崎県)には初寄港。
4~6月はシニアや女子旅をコンセプトに、初めてクルーズに乗船する人やリピーターをターゲットに設定。また、東京発着になることでヨーロッパからのフライ&クルーズもより取り込んでいく。実際、10月からの東京港のクルーズの初回は半分が外国人、半分が日本人という比率になっているとのこと。外国人の国籍はイタリア、フランス、ドイツ、スペイン、ロシアなどヨーロッパを中心とした多国籍だという。
7月~8月の日本海側のシーズンはこれまでターゲットとしてきたファミリーを中心に、特に初めてクルーズに乗る人に焦点を置く。引き続き、日本海側でしか設定ができないショートクルーズや、終日航海がなく毎日港に寄港できる点などを活かしていくという。
「バリュー(変動制料金)の導入」については、従来の「パンフレット料金」に加え、販売の動向に合わせてクルーズ代金が変動するプランを導入するもの。この方法での予約の場合、後述のドリンクパッケージなどの特典は付帯せず、夕食のシーティングの希望も出せない。指定できるのは内側、海側、バルコニーのキャビンタイプのみ。キャビン番号は出港の約2週間前に確定するというプランだ。かなりお得に乗船できる可能性がある分、クルーズに慣れた人向けともいえる。
この需要と供給により料金が変わるバリューは、これまで日本では他社を含め実施されていないが、欧米でのクルーズはほとんどがバリューを導入している。日本では旅行会社からの旅行商品としての販売であるため導入されてこなかった経緯がある。ホテルや航空券が変動制料金を取り入れている昨今、コスタクルーズにもこのバリューを導入したとのこと。
「ドリンクパッケージ付きの料金体系」については、クルーズ代金のカテゴリを「コンフォート」と「エレガント」に分け、コンフォートに属するクラシックキャビンには食事のときのドリンクが飲み放題。プレミアムキャビンはすべてのレストランやバーで12ドル以下のメニューが常時飲み放題となる。また、バルコニー・デラックスとすべてのスイートが属するエレガントでは、すべての場所での飲み放題に加えて、有料レストランマンマ トラットリアが1回無料。サムサラスパの利用2日分が付く。
糸川支社長によると、ラグジュアリークラスのクルーズではオールインクルーシブ型が導入されている例があるが、1泊1万円クラスのカジュアルクラスのクルーズでドリンクパッケージが含まれているのは非常に珍しく、他社との差別化を考えた取り組みだとのこと。現在はクルーズ中のドリンクパッケージとして全旅程ドリンク無料セットが1泊あたり32.9ドルで実施されている。
また、今回初めて「リピーター割引」も導入される。2018年は日本周遊コースの実施が3年目となり、リピーターが増えてきていることから、「もういちどネオロマンチカ割引」という名称でリピーター割引を導入する。割引額は、内側キャビンの4~6泊クルーズで1人2万円、海側キャビンの7泊以上のクルーズで4万円など。
さらに、広告面ではコスタクルーズの独自広告を強化。年内・年明けにはテレビCMのスタートを予定しているとのこと。従来型の広告展開に加え、WebサイトやSNSでの展開もさらに強化していく。
コスタ ネオロマンチカは、コスタクルーズが所有する15隻の船のなかで最もグレードの高い船。船名に「ネオ」とつくシリーズ3隻では、カジュアルクラスの船でありながらワンランク上のサービスを提供するコンセプトだという。クオリティを求める日本人の乗客には非常に好評で、今後も強化していきたいと語った。
コスタ ネオロマンチカは、このあと12月5日から12月19日までの2週間、ドライドック入りして船の大幅改修を予定。その後12月24日からはじまる年末年始のクルーズに就航する。この改修でさらに要所要所に日本人に向けた施設を作る。
2018年4月~6月 太平洋クルーズ 主なコースと料金
南国島めぐりクルーズ
出港日:
東京・横浜発着:4月28日、6月16日
神戸発着:4月29日、6月17日
コース:東京(晴海ふ頭)~神戸~那覇~基隆(台湾)~宮古島~東京~神戸
日数:8泊9日
料金:(東京発着 4月28日の例)内側クラシック[IC]早期割引 16万7800円/通常料金 18万2800円、海側プレミアム[EP]早期割引 19万1800円/通常料金 21万1800円、バルコニープレミアム[BP]早期割引 26万9800円/通常料金 28万9800円 ※港湾税2万5800円、船内チップ大人108ドル(スイート132ドル)
済州島・九州ロマン紀行
コース:東京(晴海ふ頭)~神戸~済州島(韓国)~鹿児島(※6月10日東京発は佐世保)~横浜~神戸
出港日:
東京・横浜発着:5月13日、6月10日
神戸発着:5月14日、6月11日
日数:6泊7日
料金:(東京発着 5月13日の例)内側クラシック[IC]早期割引 10万8800円/通常料金 11万8800円、海側プレミアム[EP]早期割引 12万4800円/通常料金 13万9800円、バルコニープレミアム[BP]早期割引 17万5800円/通常料金 19万800円 ※港湾税1万8000円、船内チップ 大人81ドル(スイート99ドル)
2018年7月~8月 日本海クルーズ 主なコースと料金
お気軽日本海ショートクルーズと釜山
コース:福岡~舞鶴(京都)~金沢~釜山(韓国)~福岡~舞鶴(京都)~金沢
出港日:
福岡発着:7月10日/26日、8月16日
舞鶴発着:7月11日/27日、8月17日
金沢発着:7月12日/28日、8月18日
日数:4泊5日
料金:(福岡発着 8月16日の例)内側クラシック[IC]早期割引 7万8800円/通常料金 8万8800円、海側プレミアム[EP]早期割引 9万800円/通常料金 10万5800円、バルコニープレミアム[BP]早期割引 12万7800円/通常料金 14万2800円 ※港湾税1万5600円、船内チップ 大人54ドル(スイート66ドル)
古都と城下町を巡る麗しの日本海と釜山
コース:福岡~舞鶴(京都)~金沢~浜田(島根)または境港(鳥取)~釜山(韓国)~福岡~舞鶴(京都)~金沢
出港日:
福岡発着:6月30日、7月5日※/21日、8月6日/11日/20日
舞鶴発着:7月1日/6日※/22日/12日、8月21日
金沢発着:7月2日/7日※/23日、8月8日/13日/22日
※は浜田寄港
日数:5泊6日
料金:(福岡発着 7月21日の例)内側クラシック[IC]早期割引 9万800円/通常料金 10万1800円、海側プレミアム[EP]早期割引 10万5800円/通常料金 12万800円、バルコニープレミアム[BP]早期割引 14万8800円/通常料金 16万3800円 ※港湾税1万8000円、船内チップ 大人67.5ドル(スイート82.5ドル)
カジュアル船には見えない豪華な船内。大型のジムやスパ、体験型のショーが見どころ
続いて、コスタ ネオロマンチカの船内見学が実施された。コスタ ネオロマンチカで乗客が利用できるのは4階から14階までの10層(医務室のみ3階に設置)。4~7階は主に内側と海側の客室で、バルコニーがあるのは一部のみ。8~14階には共有施設部分とバルコニーのあるデラックスやスイートのカテゴリーの客室を配置。船体中央の前寄りと後ろ寄りの2カ所にエレベータと階段が設置され、4階から14階まで吹き抜けになっている分かりやすい構造だ。
乗客が乗下船する5階の中央ロビーには、搭乗ゲート、カスタマーサービス、寄港地観光オフィスなどが集中。この日は乗船のサポートのため、日本語はもちろん、イタリア語、ドイツ語、フランス語など各国語の話者が対応していた。
この5階と9階にも設置されているクレジットカード登録機は、コスタのクルーズで乗船をスムーズにするための重要な機器。船内で身分証明書や支払いに使用する「コスタカード」は客室にあらかじめ置かれており、乗客は時間があるときにこの端末でそのコスタカードにクレジットカードを登録する。これにより乗船時の作業がスムーズになり、乗船・下船の際にカスタマーサービスで乗客が長時間並ぶ必要がなくなるという。その横に並ぶ「トーテム」と呼ばれるタッチパネルの船内案内機では、レストランやツアーの予約も行なえる。
共有施設で特に目を引くのは、11階の「サントロペプール」と「モテカルロプール」の2つのプールと、8~9階の船首にあり、シアターから改装された吹き抜けのジムや有料のスパエリア。プールやジム、スパエリアは大人向けの品がある落ち着いた作りで、11階の船尾には白を基調とした隠れ家のような大型ラウンジチェアが設置された有料エリア「リドバーモンテカルロ」もある。カジュアル船とはいえ、ワンランク上の雰囲気があり、「女子旅」を推す理由が伝わってくる。
大型のシアターがスパエリアになっているため、クルーズ船につきもののミュージカルやオペラ、マジックなどは9階の「キャバレービエンナ」や8階の「グランドバー」で実施。ステージが近い利点を活かして、観客も参加するような体験型のショーも多いという。
このほか、8階にカジノやカードルーム、チャペルなどが、9階に免税品やコスタのグッズが購入できるショップ、シガーラウンジ、フォトギャラリーなどを設置。無料託児サービスや子供向けイベントが開催される「スクウォッククラブ」は10階、船内PCやプリンタを利用できる「インターネットポイント」は11階に設置。船内PCは1日8ドルから利用できる。Wi-Fi接続はソーシャルメディア1日パッケージが1日8ドル、全日程パッケージが30ドル。インターネットパッケージはM(250MB)が10ドル、L(1GB)が30ドル。スマホやタブレットで利用でき、通話やメッセンジャー機能がある船内通信専用アプリ「マイコスタモバイル」は乗船中無料で利用できる。
高級感のあるメインダイニングとビュッフェレストラン。有料レストランも充実
クルーズ料金に含まれるコース料理が提供されるメインダイニングは、8階船尾の「ボッティチェッリメインレストラン」。日本語表記のメニューももちろん用意されているが、入り口で料理の実物も番号付きで展示されているため、あらかじめ気になる料理の番号をメモしておけばスムーズに注文できるように工夫されている。
朝食などには10階船尾の「ジャルディーノブッフェレストラン」が便利。11階の「グリルカプリ」でも軽食や夜食、デザートなどが提供されるほか、朝食はルームサービスでの利用も無料だ。
このほか、有料レストランとして、石窯で焼く焼きたてピザが食べられる「ピッツェリアカプリ」、イタリア郷土料理の「マンマ トラットリア」、高級ステーキハウスの「ラ・フィオレンティーナ」があるほか、バーやラウンジも6カ所。どのラウンジでもイタリアのillyのエスプレッソが楽しめるなどこだわりが感じられる。
なかでも非常に充実したワインが揃い、豊富な種類のチーズも楽しめる「ヴェローナ ワイン&チーズバー」はぜひ利用したいエリア。広々としたラウンジを取り囲むようにさまざまなワインが自動のサーバーにセットされ、気軽にグラスで楽しむことができる。
シンプルで機能的な作りの客室。2段ベッドの有無など部屋の作りはさまざま
客室は、窓のない「内側」、丸い窓のある「海側」、外に出られるバルコニー付きの「バルコニー」、広々した「スイート」の4種類。この4種類がさらに船内の位置により、低層階で船首や船尾の「クラシック」、上層階または中央付近に設置された「プレミアム」、上層階の「デラックス」に分かれている。
どの客室にも室温調整ができるエアコンや衛星テレビ、金庫、ミニバー、湯沸かしポット、電話、タオル、ドライヤー、スリッパ、石けん、リンスインシャンプー、ティッシュ、コンセント(Aタイプ115VおよびCタイプ220V)がある。
今回見学できたのは、「スイート」(定員4名、約31.1m2+バルコニー8m2)、海側プレミアム(定員2~4名、約16.6m2)、内側プレミアム(定員2~4名、約16.6m2)の3カ所。内側・海側のキャビンは、壁に収納式の上段ベッドがある部屋とない部屋、エキストラベッドを入れて3名で利用できる部屋など条件がさまざま。バルコニーやスイートにはエキストラの2段ベッドを入れて利用するケースもある。
スイートには広々した客室はもちろん、バスルームも広く、シャワーブースと別にバスタブもある。内側・海側はシャワーのみだがハンドシャワーが設置されている。アメニティ類は必要十分で、ほかのクルーズ船同様、歯ブラシやヘアブラシ、ひげそりやパジャマの用意はないので持参する。
壁に設置された大型液晶テレビ、デスクとチェア、小型のテーブルなど過不足ないシンプルで機能的な作りだ。デスクには日本の電化製品がそのまま使えるAタイプ115Vのコンセントが設置されているので変換アダプタも不要。コスタ ネオロマンチカの場合、夏休みを中心に祖父母、両親、子供と3世代で乗船する家族も多いそうだが、海側プレミアムやバルコニープレミアムの一部は2部屋をつなげて1つにできるコネクティブキャビンも便利だ。
コスタ ネオロマンチカのクルーズは、カジュアル船とは思えないワンランク上の豪華な施設と、スタッフのフレンドリーなサービスが魅力の船。エンタテイメントや仮面舞踏会の「カーニバル・オブ・ヴェニス」を始めとするテーマナイトなどのパーティも充実している。外国人の多い太平洋側のクルーズは、定番となりつつある日本海側のクルーズとはまた違った雰囲気で楽しめそうだ。確かに若い世代や女子旅にも最適で、料金的にも内容的にも、ブームになりつつあるクルーズ旅を初めて体験したい人に、安心してお勧めできる。
クルーズ旅行は最初の1回のハードルは高いが、意外に費用が安く抑えられると気が付き、リピーターになるケースが非常に多い。その意味で、2年前から開始された同社の日本海周遊クルーズは、カジュアル船でのファミリーでのクルーズ旅を非常に身近にしてくれた。今期・来期の太平洋周遊クルーズが、東京・名古屋・神戸といった大都市圏を舞台にしたインターポーティングクルーズの実施でさらに注目を浴び、クルーズ旅行がより身近になることに期待したい。