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JAL、福岡空港支店で空港サービスのプロフェッショナルコンテストを開催
出場権をかけて11名が接客スキルを競い合う
2017年11月2日 16:23
- 2017年10月30日 実施
JAL(日本航空)グループのJALスカイ九州は、2018年1月に開催される「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の福岡代表を決める選考会を行なった。選考は、基本アナウンス、イレギュラーアナウンス、チェックインカウンターでのサービス業務の3競技の内容で審査される。
今回は、約300名のJALスカイ九州所属のグランドスタッフから11名が選抜され、選考会に出場した。会場には出場者を応援する同僚や、社外からの審査員が来場し競技を見守った。
競技スタートを前に激励の言葉
選考会の冒頭、JAL 福岡空港支店 オペレーション部 部長の野田融(とおる)氏、JAL 九州 ・山口地区支配人の溝之上正充氏より激励の挨拶があった。野田氏は「厳正なる審査をお願いしたいのですが、その前に楽しんでいただければ、と思います。11名の参加者の皆さんも、緊張で普段どおりとはいかないかもしれませんが、最後まで諦めずに競技を楽しんでください」とコメント。
続けて溝之上氏は「ドキドキしてますよね? しかし大人になるとドキドキする機会はそんなに多くありません。リラックスして普段の力を出してください」と緊張を和らげるコメントを贈った。
1分間の基本アナウンスから競技スタート。お詫びの気持ちを込めたイレギュラーアナウンスと続く
競技は2種類のアナウンス審査とカウンターチェックイン審査の2つ。はじめに行なう1分間の搭乗時刻案内では、日本語のあとに英語で同内容のアナウンスも行なう。もう1種類は、イレギュラー状況を想定したアナウンス文を作成し、読み上げる方式。最後のカウンターチェックイン審査は、2組の搭乗客に対して接客を行なう。
出場者
基本アナウンスが終了後には、イオン九州 代表取締役 社長執行役員 柴田祐司氏より講評があった。柴田氏は「マイクを使って練習されてきたかどうか、というところに差が生まれたかと思います。空港を利用するときに聞こえやすくスッと入ってくるようなアナウンスと、そうでなく感じるときがあります。緊張によって音量レベルを超えてしまうケースもありました。アナウンス内容については毎日の鍛錬で頭に入っているところはさすがだと思います」とコメントした。
続いて行なわれたイレギュラーアナウンスでは、3つのケースからあらかじめ1つを選択し応用文章を作成、3分間で日本語と英語でアナウンスを行なう。また乗客へのお詫びの気持ちがこもっている点についても評価される。
ケース1:目的地が濃い霧のため出発時刻が遅延。1時間後の天候調査により運航の可否が決定される。
ケース2:目的地空港の航空路混雑により航空管制官から指示があり、出発時刻の遅延。併せて搭乗時刻にも遅れが生じる。
ケース3:現地空港が台風のため天候の回復を待って出発予定。1時間弱の遅延が決定。着陸できない可能性もあり出発地へ引き返すか別の空港に向かう条件付き運航となる内容。
イレギュラーアナウンスは、基本アナウンスの発表と同じ順番で行なわれた。競技終了後には、国土交通省 大阪航空局 福岡空港事務所 福岡空港長 大屋文人氏より講評があり「皆さまのアナウンスを聞いて、困っている状況ではありますが落ち着いて搭乗を待つことができると感じました。イレギュラーということで、言葉を選ぶのも非常に難しいかと思います。英語となるとさらに難しい。しかし日ごろから鍛錬されていることがよく分かった競技でした」とコメントした。
その後、10分間の休憩を挟み最後の競技へと進んだ。
チェックイン審査では英語と幼児連れへの対応能力を審査
最後は、カウンターチェックイン審査。持ち時間7分間で、2組のチェックインを行なう。内容は、福岡で観光を終え帰国するアジア系外国人への応対からはじまり、バスの遅延により心配そうな表情の女性が幼児連れで待っているというシチュエーション。アジア系の観光客は日本語を話せず、終始英語での対応となった。
1組目のアジア系外国人は、福岡空港での観光を終えて上海へ向かう設定。手荷物に描かれた宗像市の絵柄にグランドスタッフが気付き、きちんとコミュニケーションがとれるかが評価ポイント。もちろん保安検査場の場所や集合時刻、預け入れ荷物に危険物が入っていないか、という確認も必須事項。
続く、幼児連れの母親は搭乗時刻に間に合うか心配になりつつ、順番を待っている。不安を取り除きつつ、機内での授乳や手伝いが必要な場合の申し出を促す。預入れ荷物の中に電源が入った状態のタブレットがあり、手荷物に移し替える提案を行なう。
すべての競技が終了し、審査結果を集計表をまとめるために30分ほどの休憩に入り、結果の発表を待つこととなった。競技の最後には、福岡県宗像市 都市戦略室 室長 河野克也氏より「宗像市の魅力を各競技者の口から、外国の方に伝えるというのは大変うれしく思いました。また、実際に列が混雑しているときは、こうしたやり取りも難しいのだろうな、と推察します。正解のない世界だな、と私自身が勉強になりました」と講評が述べられた。
荒木恵氏が2年連続の全国大会出場。壬生恵香氏とともに福岡代表に決定
集計作業は難航し、時間を押しての結果発表となった。JALスカイ九州 代表取締役社長 扇山徹氏より「ここで選ばれた2名が東京の全国大会に進みますが、それが大事なのではなくて、日々のお客さまへのサービスの方が重要です。今日選ばれなかったとしても、自分の接客技術を振り返る良い機会ですので、よりいっそうJALのサービスを向上していってほしい」とコメントした。
代表2名の発表の前に福岡空港独自の賞として、オーディエンス賞が竹下美鈴氏、JALスカイ九州社長賞が田崎七音氏に贈られた。
そして全国大会に進む、代表2名の発表。2016年に続き荒木恵氏と壬生恵香氏が選ばれた。
田崎七音氏の受賞コメント
「私も2016年度入社とまだまだ日が浅いのですが、先輩方に優しく厳しく指導いただきました。辛かった思い出も感謝の気持ちでいっぱいです。後輩が増えていくと思いますので先輩からの教えを伝えていきたいです」。
荒木恵氏の受賞コメント
「昨年、福岡代表として本戦に出場させていただきましたが、力を発揮できず悔しい思いをしたまま帰ってきました。もし、また予選に挑戦できる機会があればリベンジしたいと思い1年やってまいりました。まだまだ自分らしい接客という答えは出せておりません。1月まで練習して本線で力を出してきたいと思います」。
壬生恵香氏の受賞コメント
「憧れの片山さんに少しでも近づけたかな、と思います。先輩方による遅くまで残っていただいてロールプレイの練習に付き合っていただき、今日も楽しく競技することができました。本戦にいっても自分らしい接客ができるように頑張りたいと思います」。
最後に、JALスカイ九州 代表取締役社長 扇山徹氏より「結果発表まで時間が押してしまいましたが、それほど審査が白熱しました。ということは、ここにいる出場者の誰もが代表になれるくらい僅差であったということです。それくらい非常に高いレベルだったと思います。また来年も参加してもらって次は自分が、という気持ちでこれからまた1年頑張っていきましょう」と締めくくった。