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JAL、ACTE Global Conferenceに協賛。海外顧客やネットワーク強化に向けた取り組み
8月22日~23日開催
2017年8月23日 19:35
- 2017年8月22日~23日 開催
JAL(日本航空)は、8月22日と23日にザ・プリンスパークタワー東京で開催した出張などのビジネス渡航に関する国際会議「ACTE Global Conference」に協賛している。
業務渡航業界の発展をバックアップする米国の非営利団体ACTEが主催するこの会議は、国内外の企業やホテル、航空会社、旅行管理会社(TMC)などがビジネス・トラベル・マネジメント(BTM)について学び合うほか、バイヤーとサプライヤーをマッチングさせる商談会や展示会などのイベントも開催する。
JALは、2006年からACTEが世界各国で開催するイベントに参加してきたが、今回アジア地区のGlobal Conferenceが日本で初開催されることを機に、イベントへの協賛を決定。東京で開催されたACTE Tokyoには、アジア各国から約400名のバイヤーやサプライヤーが参加しており、イベント協賛を通じて、海外顧客に向けた認知度の向上や従来まで接点のなかった新しい顧客との関係構築を図りたいとしている。
開催当日には、JAL 代表取締役副社長の藤田直志氏と常務執行役員の二宮秀生氏が登壇したほか、国際線ビジネスクラスで採用されているフルフラットシートの「JAL SKY SUITE」(SS7/SS9用)が体験できるブースを出展した。
会議の冒頭では、まず初めにJNTO(日本政府観光局)の理事長 松山良一氏が日本で初開催されることへの感謝を述べた。松山氏は、現在の日本のインバウンド需要や今後の課題などに触れたのち、会議の成功と2020年に向けての期待を込めて挨拶とした。
次に、プリンスホテル 常務執行役員 営業部 事業開発部担当兼事業開発部長の大隅ヴィクター氏、専務執行役員 地域ゼネラルマネージャーの武井久昌氏が、プリンスホテルの紹介を交えながら開会に向けての言葉を述べた。
続いて、JAL 常務執行役員の二宮秀生氏が「イベントスポンサーとして、この会議をサポートできることをうれしく思います。私たちは飛行機のことを“シップ”と呼びますが、皆さんがこの会議で新しいリレーションシップ、パートナーシップ、フレンドシップが作れることを願っています」と話し挨拶とした。
そのあと、HRS Global Hotel Solutions CEOのTobias Ragge氏による業界展望をテーマにした講演や、マスターカード ジャパンオフィス シニアディレクターの藤井由紀氏による、法人プロダクトや決済ソリューションについての講演が行なわれ、前半が終了。休憩を挟み、後半も各種セミナーやフォーラムが実施された。
会議の終盤では、JAL 代表取締役副社長の藤田直志氏が登壇した。藤田氏は「日本航空は品質・サービスをビジネスのモットーとしている。私たちは、どのような需要、ニーズがあるのかを常に考えている。例えば、4月1日には羽田~ニューヨーク線、10月29日には羽田~ロンドン線を増便するほか、成田~メルボルン線、成田~コナ線をいずれも9月に開設することになっている。
JALが信じることは、人間同士のコミュニケーションで、これはよいサービスにもつながると思っている。JALは2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーになっている。ぜひこれからもたくさんの人に日本に来てほしい」と話し、1日目の会議は終了した。
JALはグローバルブランドになっていかなければならない
今回JALがACTE Global Conferenceへの協賛を行なった背景には、一つにアジアからのインバウンド戦略の強化、そしてビジネス需要も取り込んでいきたいという目的がある。これは、JALが2017年~2020年の中期経営計画でも説明したとおり、アジアなどの海外マーケットを国際線成長マーケットの柱としたためだ。
ビジネス層に対応するために、現在JALでは、法人営業をメインとした非日系マーケットのセールスに取り組む専門チーム「GSS(グローバル・ストラテジック・セールス)」による販売の強化を行なっている。GSSは2013年に米国で立ち上げ、2015年にヨーロッパ、2017年にアジアに展開。現在では欧米アジアの3つのエリアで活動している。
それに加えて、2016年くらいから各支店のセールスのマネージャーに現地の人材の登用も行なっている。これには、JALのセールスをもっとグローバル化してほしいというニーズがあるということだった。ビジネス層に向けた今後の施策としては、GSSを活用してメインのセールスチャンネルに入り込んだ契約を進めていくという。
一方で、レジャー層も含めたアジアからのインバウンド戦略での具体的な施策について藤田氏は、「1つ目はネットワーク。今持っている路線を海外のセールスフォースを活用していくこと。2つ目は日本の魅力をもっと海外に発信していかなければならない。今レギュラーでやっている『新・JAPAN PROJECT』のコンテンツや、地方の名所旧跡など、いろいろなものをWebサイトを使って海外に発信していったり、海外の雑誌とタイアップしたりといったことを行なっている」と話した。
また、路線展開については「日本が極東にあって、アメリカ~アジア間を行き来するお客さまが増えていくので、ここがメインのトラックになっていく。もう一つはオーストラリア。メルボルン線が就航になるが、ビジネスも観光の需要も両方ある。なぜかというと、オーストラリアの人をメインに考えると日本に来るのはほとんどがレジャーで、ビジネスクラスを使ったお金持ちのレジャーが多い。今までは、日本人をベースに観光とかビジネスを売っていたが、実はグローバルで見ると、海外から日本に来る外国人が増えてくるなかで、高単価のレジャーマーケットも結構あるなと思っているので、そこもターゲットにしたい」と語った。
個室感覚でゆったり過ごせる「JAL SKY SUITE」を展示
ACTE Tokyoでは、各企業や航空会社などがブースを出展しており、その場で関係者に話を聞くことができる。JALもヨーロッパ、アメリカ、東南アジアの一部路線のビジネスクラスで採用されている「JAL SKY SUITE」(SS7/SS9用)を展示しており、多くの人が体験していた。
今回展示している「JAL SKY SUITE」(SS7/SS9用)は、ボーイング 777-300ER型機とボーイング 787-9型機に搭載されているビジネスクラスシート。シート長最大188cm、シート幅64cmのフルフラットシートと、クラス最大級の大型23インチモニターが特徴的になっている。
座席は、隣同士を前後に少しずらして作られており、隣の人に干渉することなく通路にアクセスできるようになっている。座席の間には、パーテーションがあり、パーテーションで仕切れば個室感覚でゆっくりと過ごすことができる設計。また各座席には、ヘッドフォン出力とユニバーサルACコンセント、USBポートなどを備えている。