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JALグランドスタッフが一日警察署長、福岡空港警察署と協力し空港内を警戒パトロール

利用者が増える年末年始に向けての安全啓発活動

2016年11月29日 実施

 JAL(日本航空)と福岡県警察 福岡空港警察署は11月29日、空港利用者や空港職員に向けて安心安全への意識向上を啓蒙するパトロール活動を行なった。年末年始にかけて利用者が増える福岡空港内での安全啓発を目的としたもの。

 当日はJALのグランドスタッフが一日警察署長に委嘱され、「平成28年度歳末警戒出発式」を実施。空港内をパトロールした。

福岡空港敷地内にある福岡空港警察署

「平成28年度歳末警戒出発式」が始まる前に、福岡空港警察内の署長室で、一日警察署長委嘱式が行なわれた。

 今回、一日警察署長に任命されたのは、JAL福岡空港支店の佐藤好(このみ)氏。厳かな雰囲気のなか、福岡空港警察署長の久継敏夫氏より委嘱状が授与された。

福岡県警察 福岡空港警察署長の久継敏夫氏より、日本航空株式会社 福岡空港支店の佐藤好(このみ)氏へ委嘱状が手渡された
「一日警察署長」のタスキがかけられる
警察署員が集結した会議室で訓示を述べる佐藤氏

 続いて、署内会議室に移動し訓示式。

 佐藤氏は、「皆さま、おはようございます。一日警察署長の委嘱を受けました日本航空 福岡空港支店の佐藤好です。私は日頃、飛行機に搭乗されますお客さまの安全で快適な空の旅をサポートする業務を行なっております。日頃の業務において心がけていることは、感謝の気持ちを持つことです。今日一日、警察署長として、このような場に立たせていただいたことは、空港警察署の方々をはじめとして周囲の方々のサポートがあったからこそだと思っております。今日は、日頃の業務とは違った視点から、空港の安心と安全について考えてみたいと思っております。今日一日、よろしくお願いいたします」と、集結した署員の前で、訓示を述べた。

一同、礼で訓示式が終了。空港内でのそれぞれの配置に向かう

国内線ターミナルビルで「平成28年度歳末警戒出発式」、パトロールに出発

「平成28年度歳末警戒出発式」における出発の号令

 パトロールの出発式には、福岡空港警察署員、福岡空港ビルディング職員、警備会社、JAL福岡空港支店スタッフ、席田(むしろだ)幼稚園の園児、警察OBによる防犯パトロール隊「警友会」らが参列した。

 マスコットキャラクター「ふっけい君」も登場し、パトロール隊に参列。園児の一部は白バイ隊員と婦警の制服を着用して参列した。

出発式で挨拶をする福岡空港警察署長の久継敏夫氏

 出発式の冒頭、福岡空港警察署長の久継 敏夫氏より、「皆さま、おはようございます。本日は11月の末ということですが、お忙しいなか、早朝からこんなに多くの方々にお集まりいただいて、心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます。

 本日は、一日警察署長さまを委嘱させていただいております。のちほどご挨拶していただきます佐藤署長の指揮でパトロールを仕切っていただきますので、チラシ配布などへのご協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降警察署長を委ねますので、佐藤署長よろしくお願いします」と、佐藤氏にバトンタッチ。

「一日警察署長」として、出発の挨拶をする佐藤氏

 佐藤氏は、「福岡空港警察署長より委嘱を受けました日本航空の佐藤好です。間もなく年末年始を迎えます。たくさんのお客さまが福岡空港を利用されます。福岡空港警察署を中心として、本日お集まりの皆さま方と力を合わせて、お客さまの安全とともに、安心して利用できる福岡空港にしていきましょう。それでは、パトロール出発!」と宣言した。

チェックインカウンター前に向かうパトロール隊

 佐藤署長の「出発!」の号令とともに、パトロール隊が動き出した。最初にチラシを配布する場所となったのはJALのチェックインカウンター。佐藤署長、ふっけい君、JALスタッフや警察署員が、利用客にチラシを配布していく。ふっけい君には記念撮影を求める姿が見られた。

チラシを配布するふっけい君と佐藤署長

 続いて、パトロール隊一行は、福岡空港に直結している福岡市地下鉄 空港線「福岡空港駅」に移動。先立って待機していた防犯パトロール隊「警友会」と合流し、改札や地上入口から空港へ向かう利用客に向けて、チラシを配布した。

 席田幼稚園の園児たちは、駅構内を行き交う利用客にチラシを配布するが、警察署員から場所や渡し方の仕方についてレクチャーを受ける。チラシは順調に減っていき、規定枚数を配布し終え、一連のパトロールは終了となった。

警察署員から幼稚園児に向かって、チラシの配布時の説明があった。「分かりましたか~?」の呼びかけに「はい!」と元気な返事
「よろしくお願いしま~す!」とチラシを手渡す園児たちと佐藤署長
福岡空港警察署に戻り、署長室の椅子に腰掛けた佐藤署長とJALスタッフ
この日のために作られた特製のネームプレートが机にセッティングされていた

再編事業が続き、さらに利用客が増え続けている福岡空港の課題

 パトロール終了後、JAL福岡空港支店に空港警察署員を迎えフォトセッション。すべてのプログラムを終えて、一日警察署長という大役を務めた佐藤氏と久継署長に、改めて歳末に向けての現状と対策を聞いた。

 佐藤好氏「今回、特別な制服を着せていただいて、とても気持ちが引き締まりました。利用していただくお客さまの安全を守ることが我々の使命ですが、今回、福岡空港警察さまや警備会社さまと連携できたことは非常に光栄で、よい経験をさせていただきました。これを活かして、工事中のターミナルでもお客さまに適切な案内などのサービスを提供していきたいと思います」。

 久継敏夫氏「福岡空港は長らく再編事業が続いておりまして、空港内の経路などが日々変わっています。そうしたことから、利用客の皆さま方が保安検査場にやってくる時間がギリギリになってしまうケースが増えております。駐車場の位置が変わり、クルマが寄せられなくなったというのも要因としてありますね。年末年始の繁忙期を迎えるにあたり、交通対策をしなければならない、というのも我々の課題でもあります。

 国際線の利用客数も前年比でかなり増えております。空港内での案内誘導に関しましても、航空会社さんや警備会社さんと連携してやっていかなければいけないと思っております。本日はこのような連携を深めようという目的もあり、歳末警戒パトロールを企画して、JALさんにもお願いしてご賛同いただきました。大変うれしく思っています」。

 福岡空港の再編事業は、従来の建物を利用しつつ改装が進んでいることによって日々その姿を変えている。「前に来たときにはあった通路や店がなくなっている」というケースもしばしば見受けられることから、今回のような空港職員同士の連携が望まれる場面が増えてくるだろう。