トラベルグッズレビュー
有線LAN装備のホテルで無線LANを使える、手のひらサイズの高速ルーター
プラネックスコミュニケーションズ「ちびファイ2 ac」
(2015/4/30 00:00)
かつてはホテルにブロードバンド接続環境があれば、それだけでITに対応した最先端のホテルとしてもてはやされたものだが、いまやビジネスホテルはもちろん、観光向けのホテルでも、無線LAN(Wi-Fi)を完備していることは珍しくない。滞在中はスマホをここに接続することで、3GやLTEなどモバイル回線のパケット料を抑え、通信費を節約できるというわけだ。
もっとも「インターネット使えます」と宣伝していても、実際には無線LANではなく、有線LANだけというホテルもある。有線LANポートを備えたノートPCなら支障はないが、このままではスマホに接続できない。こうした場合、今回紹介するようなモバイル無線LANルーターを携行していれば、たとえ有線LANしか用意していないホテルであっても、スマホから無線LANが利用できるというわけだ。
筆者がここ半年ほど利用しているモバイル無線LANルーターは、プラネックスコミュニケーションズの「ちびファイ2 ac」(型番:MZK-UE450AC)である。手のひらサイズの超小型無線LANルーターは本製品以外にも複数のメーカーから発売されているが、本製品の特徴は、無線LANの最新規格である「IEEE 802.11ac」(以下11ac)に対応していることだ。
iPhone 6など、2014年以降にリリースされているスマホやタブレットは、11nなどの従来規格に比べて高速な通信が行なえる11acに対応していることが多い。11ac対応製品と本製品と組み合わせれば、最高速度で通信できるわけだ。
使い方は簡単で、ホテルの部屋にある有線LANポートと本製品をLANケーブルで接続するだけ。USB端子を持っているが、これは電源供給に利用するだけなので、コンセントの電源をUSBに変換するアダプタやPCのUSBポート、あるいはスマホの充電に使うモバイルバッテリなど、電力供給が可能なUSBポートに接続すればよい。あとはスマホの設定画面から本製品の側面に書かれたSSIDを検索し、パスワードを入力すれば通信が可能になる。
電源供給に利用するUSBコネクタは本体とケーブルで直結されており、持ち歩く際は裏面に折りたたんでおける。別途USBケーブルを持ち歩く必要がなく、荷物が少なくて済む。とりあえずこれ1個をバッグに入れておけば、宿泊先に有線LANしかなかった場合でも無線LANが使えるので安心だ。ホテルを探す際の選択肢も広がるうえ、ホテルでサービス提供している無線LANの速度が遅かった場合に、有線LANの回線を利用するというワザも使えるようになる。
もちろん、スマホと無線LANルーターの間がいくら高速でも、ホテルのネットワークが遅ければどうしようもないが、無線のスピードがボトルネックにならないのは、使っていて安心感がある。また、今後11ac対応の製品が増えていくことを考えると、ほかの11n対応製品との価格差も小さい本製品を選ぶのは将来的にも安心できる選択だ。旅行に行かない時は、自宅内で補助アクセスポイントとして使うのもありだろう。
ネックとなるのは、無線LANの周波数帯域が5GHz帯と2.4GHz帯を切り替えて使用するようになっており、同時接続ができないこと。最大433Mbpsで通信が可能な11acが利用する5GHz帯に固定することで最良の通信パフォーマンスを発揮でき、かつ電波干渉も抑えられるが、本製品に接続する機器の中に2.4GHz帯でしか通信できない機器が1つでも含まれていると、最大150Mbpsの11nなど2.4GHz帯を利用せざるを得ない。例えば、ゲーム機や電子ブックリーダーでは2.4GHz帯にしか対応しない製品が多いので、そうした機器が含まれる場合に11acならではの通信パフォーマンスが発揮できない点には注意が必要だ。
製品名 | 「ちびファイ2 ac」(型番:MZK-UE450AC) |
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発売元 | プラネックスコミュニケーションズ |
価格 | 4980円(税別) |