トラベルグッズレビュー
スマホもPCもワイヤレスでTVに大画面表示
「Microsoftワイヤレスディスプレイアダプター」
(2015/7/24 06:00)
最近は、どこのホテルに泊まっても部屋据置きのTVの薄型化が完了している。もうめったなことでブラウン管のTVにはお目にかかれない。それで何がうれしいかというと、薄型TVのほとんどがHDMI端子を装備していることだ。
HDMI端子は、AV機器とTV接続するためのもので、音声と映像を1本のケーブルで転送することができる。例えば最近のノートPCなら、必ずといっていいほどHDMI端子が装備されているので、ケーブルが1本あれば、ホテルのTVをPC用のセカンドディスプレイとして使えるのだ。持ち歩くために画面も小さく、必然的に文字も小さなノートPCよりも、30型を超えるような薄型TVで表示した方がずっと効率がいいのは言うまでもない。
「Microsoftワイヤレスディスプレイアダプター」(Microsoft Wireless Display Adapter)は、映像と音声の出力をワイヤレスで行なうことができる受信用のアダプタだ。サイズとしてはちょっと大振りのUSBメモリくらいをイメージすればいい。
アダプタの片側はHDMI端子になっていて、そこから生える尻尾のようにUSBケーブルが付いている。スマホの充電アダプタなどからUSB電源を供給した状態で、アダプタをTVのHDMI端子に装着するだけでセッティングは完了だ。TVによっては本体にUSB端子があって、そこから電源を拝借できる場合もあるので、それも試してみたい。
USBケーブルの長さは約30センチある。直付けなので、TVの設置場所によってはコンセント位置の関係で充電アダプタまで届かないこともある。ここは単にMicro USB端子が装備されているだけの方が、必要な長さのケーブルを選んで使えるという点で便利だったかもしれない。念のためにUSB延長ケーブルを用意しておくと安心だ。これは近所の100円均一でカンタンに手に入る。
アダプタに電源を供給するだけでTVは待ち受け状態になる。機器側からワイヤレスディスプレイ表示を指示すれば、PCの画面をそのまま表示したり、あるいは、セカンドディスプレイとしてTVを使えるようになる。Windows 8.1PCであれば標準的にサポートしている機能だ。ケーブルが届かないような位置にTVがある場合も、ワイヤレスだから何の問題もない。
接続の仕組みにはWi-Fi(無線LAN)が使われている。PCがWi-Fiでインターネットに接続していても、それとは別に通信が確立されるのでインターネット接続が途切れることはない。もちろん、インターネット接続なしで独立した利用もできる。
実は、このアダプタを機能させている技術は「Miracast」と呼ばれている標準規格で、PCのみならず、一般的なスマートフォンもこの規格に対応している。残念ながらiPhoneやiPadで同じことをやるには「Apple TV」が必要になる。
遊びに行った先の宿泊先ホテルで、昼間撮影した写真を大きな画面で楽しんだりするのにももってこいだ。出張先なら、夜、YouTubeを楽しんだり、あるいは、スマホでレンタルした映画を楽しむのもいいだろう。わずらわしいケーブルなしに、手元のPCやスマホからその映像と音声を出力できるのは画期的に便利で、しかも楽しい。
注意したいのはホテルによってはTVのHDMI端子が無効化されていて、端子があるのに入力モードを切り替えることができない場合があることだ。これは諦めるしかない。ただ、リモコンではできなくても、TV本体のスイッチで何とかなることもあるのでチャレンジしてみたい。おそらく、勝手に設定を変えてしまって次の宿泊客が困らないようにするための措置なのだろう。そういうことが起こって機能を無効化するホテルが増えないように、チェックアウトするときには、きちんとTVが映るように元の状態に戻しておくよう心がけたい。
製品名 | Microsoftワイヤレスディスプレイアダプター |
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発売元 | 日本マイクロソフト |
価格 | 6980円(税別) |