週末駅弁

「たらば蟹かきめし」

北海道東部の美味さがギッシリ詰まった極上駅弁

「たらば蟹かきめし」
弁当名「たらば蟹かきめし」
価格1300円
販売駅JR北海道 根室本線 厚岸駅
購入場所東京駅 駅弁屋 「祭」
購入日2015年8月27日

 東京駅の駅弁屋 「祭」で駅弁を選んでいると、「出来たて駅弁」のコーナーに「たらば蟹かきめし」がありました。数ある海鮮系の中で牡蠣が入っているのは珍しいなと……見ていたら、次に目に飛び込んできたのが「厚岸駅」の文字。次の瞬間には、この駅弁を持ってレジに並んでおりました。厚岸駅と言えば、北海道の東部、釧路駅と根室駅を結ぶ根室本線(花咲線)の中間にある拠点駅の1つです。その厚岸の名産といえば牡蠣です。昔日のこと、厚岸に行って食べた牡蠣の美味さは今でも鮮烈に覚えているほどです。牡蠣と言えば、広島や三陸が名産として知られていますが、ぜひ牡蠣好きなら厚岸にも足を運んでほしいと思います。

 「たらば蟹かきめし」は、ひじき入りの炊き込みご飯のうえに、煮込んだ牡蠣が4つ並び、ほぐした蟹の身とタラバ蟹の身が3つ、厚焼き玉子と味付きワカメが乗っています。一見するとシンプルな構成ですが、牡蠣4つとタラバ蟹がこれだけ乗っているのはかなり贅沢な内容ではないでしょうか。

「たらば蟹かきめし」は、ひじきの炊き込みご飯のうえに、煮込んだ牡蠣が4つ並び、ほぐした蟹の身とタラバ蟹の身が3つ、厚焼き玉子と味付きワカメが乗っています

 実際に食べてみると、味わいの深さに驚きます。醤油ベースにしていると思われる牡蠣の煮物は“調味料で味が濃い”とは違う、牡蠣の圧倒的なうま味とほんのり磯の香りで、うま味の深い濃い味です。牡蠣はやや生臭い味がする場合があり、苦手な人も居ると思いますが、記者が食べた厚岸の牡蠣もそうですが、この牡蠣は生臭さがほぼなく、苦手な人でも牡蠣の美味さを再発見できる味となっています。タラバ蟹の身は小ぶりに見えますが、食べてみると肉厚でプリプリと蟹の食感を味わえます。また、ほぐした身も、他の駅弁では乾燥してややパサパサとしている場合がありますが、ジューシーな味わいです。さらに、炊き込みご飯や厚焼き玉子と味付きワカメと、どれを取っても味を引き立て合い、全体として「海鮮系の美味い駅弁を食べた」という満足感を与えてくれました。もちろん、あっという間に食べてしまったのは言うまでもありません。量も大人の男性が満足できるものとなっていますが、あまりの美味さにもう少し食べたくなるほどです。まさに“見かけたら必ず購入したい”逸品の駅弁です。

醤油ベースにしていると思われる牡蠣の煮物は“調味料で味が濃い”とは違う、牡蠣の圧倒的なうま味とほんのり磯の香りで、うま味の深い濃い味です
(編集部:柴田 進)