実はこんなにある「メイド・イン・パリ」

　2016年10月のある日。芸術の秋ですが、普段の生活にはアートの「ア」の字もない私。そんな私でも「これはおもしろそうだなー」と思う展示会があったので行ってきました。

　場所は4区のパリ市庁舎。ここの1階では、年間を通して何かしらの展示会が行なわれており、すべて無料です。

　今回私が行って来たのは「Made in Paris」という、パリ産の商品を紹介する展示会でした。期間は9月7日から10月22日までの約1カ月半でした。

　会場内に入ると、パリ産の商品生産所を示す地図が、会場中央に設置されています。

　それを囲むように、壁には陶器、服、カバン、アルコール、お菓子、嗜好品、文房具、楽器など、商品が種類ごとに展示されています。

　実はこの展示、ジャーナリストであるChristine Taconnet氏が書いた本“Made in Paris”が元となっています。この本のなかにはパリ産の商品生産所が200カ所以上掲載されているのですが、パリ市庁舎での展示会はここから一部を紹介したものでした。

　パリらしいな、とまず私が思ったのは、室内の装飾品や楽器類。それからお菓子やパンは、私でも知っている有名なお店の商品がずらーっと並んでいて壮観でした。

　そのほか、興味深かったのは日本でもよく見かけるBIC（ビック）のペンもパリ産だということ。以前紹介したパリ産のワインもありました。

　最近、知人に紹介されて気に入っているコーヒー屋さん「Caféthèque（カフェテーク）」も発見。ここでは世界中から直接取り寄せたコーヒー豆を自家焙煎して売っているので、「パリ産」となるのでしょうね。

Caféthèqueはパリ市庁舎から近いところにあるので、展示会を見た帰りに寄りました。店内ではその場でコーヒーを飲むのはもちろん、挽き立ての豆を買えるほか、コーヒーについて本格的に学ぶことのできるクラスも開設されています。自家製デザートもどれも美味

Caféthèque

所在地：52 rue de l’Hôtel de Ville, 75004 Paris
TEL：+33 (0)1 53 01 83 84
Webサイト：Caféthèque（仏語のみ）
営業時間：8時30分～19時30分

　展示会会場を出ると出口付近に期間限定ブティックがあり、これぞパリ土産！ という品物がたくさん。どれもなかなかかわいかったです。

「Made in Paris」は小さいながらも興味深い展示会でした。ただ、日替わりで職人さんなどを呼んで、会場内で講演や製作の実演を見られたらもっと楽しかったでしょうね。

　なお、パリ市庁舎では現在、フランスを代表する喜劇俳優、Coluche（コリューシュ）の展示会が開催されています。コリューシュがバイクの事故で亡くなって30年。差別や偏見に対する辛辣な内容のコントで有名だったコリューシュの展示会が、今のパリで開催されることの意味は大きいですね。

　コリューシュが自身の貧しい出自から、慈善団体「Les Restos du Cœur（心のレストラン）」を創設したのは、亡くなる前年の1985年のこと。今も年間1億3000食を超える食事を貧しい人たちに無料で届けています。我が家も「心のレストラン」に少しですが毎月寄付をしているので、来年頭に展示会が終わる前に見に行かなくては！ と思っています。

“Coluche”展

会期：2017年1月7日まで
所在地：5 rue de Lobau, 75004 Paris
開館時間：10時～18時30分
休館日：日曜
Webサイト：“Coluche”展（仏語のみ）

　パリ産関連ということで最後にもう1軒。Caféthèqueでコーヒーを1杯飲んでから、パリ3区の方向へ散歩をしていると、Empreintes（アンプラント）というコンセプトショップができていました。今年の9月にオープンしたばかりだそう。

　こちらはパリ産だけではありませんが、フランス産かつ大量生産されていない商品を販売しています。建物の外も中も白を基調としており、「オッシャレー！」な感じですが、作家さんごとに分かりやすく配列された商品、商品説明の詳しいパネルなどもあり、フランスの職人さんたちを応援する気持ちがよく伝わってきます。

　さらに、物によってはビックリするくらい良心的な価格の物も。そのうえ（パリなのに！）店員さんが全員とても感じがよかったので、機会があればこちらものぞいてみてくださいね。

Empreinte

所在地：5 rue de Picardie, 75003 Paris
TEL：+33 (0)1 70 22 58 55
営業時間：11時～19時（日曜定休）
Webサイト：Empreinte（仏語、英語）