旅レポ
「い・ろ・は・す 天然水」が生まれる名水地の一つ、富山県を訪ねる(その1)
源流から工場まで、良質な水ができる流れを見学
2017年6月22日 00:00
コカ・コーラシステム(日本コカ・コーラ株式会社と各ボトリング会社)は5月22日、ミネラルウォーター「い・ろ・は・す 天然水」を新パッケージに刷新した。い・ろ・は・す 天然水は日本の厳選された名水地で製造されており、北海道札幌市清田区、岩手県花巻市太田、富山県砺波市東保、山梨県北杜市白州町、鳥取県西伯郡伯耆町、宮崎県えびの市大字東川北の6カ所に工場がある。
今回は北陸コカ・コーラボトリング、北陸コカ・コーラプロダクツの協力で砺波(となみ)工場における、い・ろ・は・す 天然水の製造過程を取材できたので、その模様をお伝えする。ちなみに、富山県は熊本県と並んで、名水百選に選ばれたエリア数が全国1位である(4カ所)。
水田地帯にある「農家レストラン大門」
砺波市は富山市の西にあり、北陸新幹線を利用すると新高岡駅が最寄駅となる。飛騨高地を源流とする庄川沿いに発達した扇状地であり、豊富な水があることから、一帯にはのどかな水田風景が広がる。今回のプレスツアーでまず最初に訪れたのは、田園景色を楽しみながら砺波の伝承料理が味わえる「農家レストラン大門」。店は1897年(明治30年)に建てられた砺波地方特有のアズマダチ家屋を改装したもので、天井には太い梁、柱と柱の間は背の高い鴨居で結ばれたワクノウチ造りとなっており、非常に趣きのある建屋で人気スポットになっている。
食事は砺波の特産である「大門素麺」や「ゆべす」「よごし」「丸山」「根菜いとこ煮」など、地産地消にこだわった野菜を中心とした郷土料理が楽しめる。
今回は昼のコース「恋茜」をいただいた。地元の農家が冬の仕事として作る大門素麺は、寒風にさらされた手延べらしいコシの強さと歯ざわりが絶妙で、寒天に溶き卵とショウガ、しょうゆで味付けしたゆべすは、プルンとした食感にショウガのスッキリとした香りと味わいがとても印象に残った。ほか、ワサビしょうゆで食べる三色くずきりや、具だくさんのがんもどき「丸山」など、素朴でありながら味わい深い料理を楽しめた。
農家レストラン大門
営業時間:11時~14時、17時~22時(夜の部はすべて要予約)
定休日:なし(年末年始除く)
所在地:富山県砺波市大門165
TEL:0763-33-0088
Webサイト:農家レストラン大門
い・ろ・は・す 天然水の源流の一部「桂湖」
次に向かった先は岐阜県との県境にある「桂湖」。い・ろ・は・す 天然水に使われる庄川水系の一部であり、風光明媚な場所でオートキャンプ場として人気がある。湖畔のほとりにはビジターセンターがあり、キャンプやバーベキュー、釣り、レンタルカヌーも楽しめる。また、ボート競技の練習場としても知られており、2020年東京オリンピック・パラリンピックのボート競技における合宿地の誘致候補になっているそうで、昨年は強豪のカナダチームなどが視察に来たそうだ。
現地では、北陸コカ・コーラボトリングの殿村弘一氏からい・ろ・は・す 天然水についての説明があった。い・ろ・は・す 天然水は全国に21カ所あるコカ・コーラの工場のなかでも6カ所でしか製造されておらず、そのうちの1つが富山の砺波工場とのこと。
「砺波工場では庄川水系の水を使っていますが、源流は岐阜県の飛騨高地にある烏帽子岳(1625m)が水源であり、付近には白川郷や五箇山という世界遺産に登録された2つの合掌造り集落があります。先ほど訪れた農家レストランは散居村と呼ばれる水田地域で水が豊なところです。その地下を流れる水を東保というところで採水して使わせていただいています」と採水地について解説。
水質については「い・ろ・は・す 天然水のなかでも富山の工場で使われている水は、一番硬度が低くて軟水と呼ばれているものです。軟水の特徴は口当たりがよく、さっぱりしています。緑茶をいれる際に色や風味が出やすい特徴があります。ほか、せっけんや洗剤が泡立ちやすいことも挙げられます」と、カルシウムやマグネシウム成分が少ない水であることをアピールした。同氏によると「富山の水を使ったカップラーメンも美味しいんですよ」とのことだ。
桂湖ビジターセンター
営業時間:8時~17時(5月上旬~11月中旬まで、冬季閉鎖)
定休日:毎週火曜日(祝日営業、8/1~8/29は定休日なし)
所在地:富山県南砺市桂
TEL:0763-67-3120(上平観光開発)
Webサイト:五箇山エリアの観光事業
富山産のい・ろ・は・す 天然水が製造される「砺波工場」を見学
桂湖で富山の水や自然を体験したあとは再び砺波市に戻り、北陸コカ・コーラの製造拠点である砺波工場を見学。製造している「い・ろ・は・す」のラインナップが国内で一番豊富な施設となっている。
こちらの工場は1998年10月に新設され、説明してくれた盛田美幸氏によると当初は第1製造棟のみで、ガラスびん、缶製品、ペットボトルの3製品を製造していたそうだ。その後はペットボトルのサイズバリエーションが増えたのを機に工場を増設。第1製造棟では、ガラスびん製品、缶製品、ペットボトル製品を製造し、第2製造棟では、「爽健美茶」などの茶製品や「い・ろ・は・す」製品が作られている。
広さは敷地と工場面積を合わせると5万坪で東京ドーム3.5個分、従業員数は約170名であり、製造は25人体制の3交代制で行なわれているそうだ。
続いて、「い・ろ・は・す」ブランドについての説明が行なわれた。今田栄美子氏によると、い・ろ・は・すは2009年に誕生し、国産の水をPRしたいということから、日本古来の仮名文字である「いろはにほへと」と、健康と地球環境保護を志向する「LOHAS(ロハス)」を組み合わせたのが名前の由来。
特徴は軟水で美味しく、飲み終わったペットボトルは絞ってゴミを小さくできるといったように、環境に対しての配慮も購入者に支持されてきたとのことだ。数年前からは水源保全プロジェクトも始めており、「い・ろ・は・す」の売り上げの一部を公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団を通じて日本各地で水資源の保護活動を行なっている自治体やNPO団体に寄付。2017年は全国で22の団体に拡大する予定だそうだ(2016年は13団体)。
そのほか、同社では13年前から植林活動を行なっており、1万本を超える苗木を植樹し、森林の保護活動にも力を入れていると話した。
「い・ろ・は・す 天然水」の製造については、工場を管轄している北陸コカ・コーラプロダクツの西川正徳氏が解説してくれた。製造ラインは大きく3つに分かれており、最初のラインでは地下300mから採水された水をフィルターにかけて不純物を取り除き、殺菌機に送って高温滅菌処理をする。滅菌処理は124℃で35秒間。その水をアセプタンクと呼ばれる貯蔵タンクで貯水する。
次のラインではペットボトルの製造と水を詰める作業が行なわれる。ペットボトルは重さ12.4gのプリフォームと呼ばれる、試験管状のペットボトルの原型を、ブロー成形機で熱と空気を使って製品の形状に仕上げられる。成形されたペットボトルは電子線で殺菌し、アセプタンクから送られてきた水をボトルフィラーで詰めて、ボトルキャッパーでキャップを締める作業が行なわれる。
最後のラインでは、ペットボトルに水が詰められて製品に近い状態になったものにラベルが貼り付けられる。実びん検査機で製品の最終チェックが行なわれ、キャップに賞味期限や工場名などを印刷し、ダンボールに箱詰めされる。箱詰めされた「い・ろ・は・す 天然水」は整然と積み重ねられ、出荷を待つ。
今回のプレスツアーでは、通常の工場見学コースに加え、特別に製造現場に入って見せてくれるとのことで、プレス一行も従業員と同様に所定の手続きや装備を身に着けて工場内へ入らせてもらった。工場見学コースでは、製造ラインを上から俯瞰でき、コカ・コーラの歴史やエコにまつわる取り組みの展示を見ることができる。
一般の見学コースを巡ったあとはいよいよ工場内へ。スタッフからは「工場内は余計なホコリやチリの侵入を防ぐために一部区画では空調設備がないのと、殺菌処理のために高温機器が置いてあるのでそれなりに暑いですよ」と告げられ、耳栓も着用する必要からドキドキしながら向かう。
すでに白衣や帽子、ヘアキャップなどを身に着けているのだが、工場の入り口では専用の靴に履き替えたうえ、エアーシャワー室で入念にホコリなどを吹き飛ばす徹底ぶり。ようやく入れたその先は、想像を超える大きさの機器にさまざまな稼働音が一行を出迎えた。ある意味想像どおり(?)の環境のなか、採水された水が殺菌処理され、成形されたペットボトルに注がれて封をし、ラベルが貼られて箱詰めされるまでの一連の流れを見学できた。ちなみに、500mLなら1分間に600本、2Lなら1分間に200本を生産できる。
普段、何気なくコンビニで購入して飲んでいた「い・ろ・は・す 天然水」だが、使う水へのこだわりや、衛生管理が徹底した工場で製造されているのを見ると、今まで以上に美味しく感じられるような気がした。砺波工場の見学は電話による完全予約制となっているので、興味がある方は同社に問い合わせてもらいたい。
北陸コカ・コーラ 砺波工場
見学時間(完全予約制):10時、13時30分、15時15分(約60分)
休場日:毎月最終土曜、日曜、年末年始、工場製造ライン運休日
入場料:無料
所在地:富山県砺波市東保1202-1
TEL:0763-37-8159(北陸コカ・コーラボトリング)
Webサイト:北陸コカ・コーラ 砺波工場