旅レポ

“最新”がいっぱいの南の島グアム(その1)

グアム「Valley of the Latte Adventure Park」で、ジャングル奥深くへGO!

グアムの「Valley of the Latte Adventure Park」

 グアム島の中心部として知られているのは、海水浴やショッピングを楽しめるタモンと、そのすぐ西、官公庁の施設が多いビジネス街である首都ハガニアという2つの地区。近年は特に後者のハガニア地区の観光開発が進み、レストランやショップの出店が相次いでいるとのことだが、その一方で、やはりグアムには手つかずの自然もたくさん残っている。

 その自然を楽しむのに最適なのが、中心部からクルマで30分ほどのところにあるグアム島南部にあるタロフォフォ川とその支流の周辺に広がる「Valley of the Latte Adventure Park」。自然の風景をそのまま活かした公園となっており、観光船に乗って川を遡上する「アドベンチャーリバークルーズ」が目玉だ。クルーズの参加料金は大人70ドル(約7490円、1ドル=107円換算))
、子供42ドル(約4500円)で、プログラムの目安時間は1~2時間程度。

リバークルーズの出発地点
船上から眺めた出発地点の施設
出発地点ではかき氷を販売している。フレーバーはブルーハワイ、バブルガム(風船ガム風味)、ココナッツ、グレープ、グァバ、マンゴー、パイナップル、ストロベリーなど10種。スモールが3.5ドル(約380円)、ラージが5.5ドル(約590円)
いくつかのフレーバーを掛け合わせたレインボーも作ってくれる

「クル」と呼ばれる貝の笛の合図で出発し、両岸から鬱蒼とした木々が張り出す幅10m~30mほどの川をゆっくり進む。周囲の風景はまさしくジャングルそのものだ。流域には細長い口をもつニードルフィッシュやナマズ、カニ、あるいはサメなどが生息しているとされ、ガイドが用意したパンくずを川に投げ込むと、その一帯から水しぶきが上がるほど大量の魚が群がった。

クルという貝の笛の合図で出発
リバークルーズの参加者にはココナッツの葉で作られた頭飾りがプレゼントされる
両岸に広がるジャングルの間を縫うように進む
スタンドアップパドルサーフィンを楽しむ姿をデモンストレーションしてくれた
流れが緩やかなせいか、逆らって進むのも苦労はなさそうだ
さらに川上へ進むと川幅は狭まり、陸には大きなカニが
パンくずを投げ込むと大量のニードルフィッシュが群がった
手で捕まえたニードルフィッシュ。とんがった口の部分は意外に柔らかい

 このリバークルーズでは、2カ所の停泊地に立ち寄る。筆者が訪れた7月14日は、そのうちの1カ所、グアムの原住民であるチャモロ人の村落跡とされる停泊地に、かつてそのチャモロ人が利用していたとされるわらぶきの建物を再現した施設がちょうどオープンしたタイミングだった。

最初の停泊地に到着
きれいに整備されたチャモロ人の村落跡
ラッテストーン(のレプリカ)を基礎に据えた新しい施設
オープニングセレモニーでは、斧を使ってロープカット
子供たちも加わって歌と踊りで完成を祝った

 この施設は、建物の基礎として用いられたとも言われるキノコ状の石群「ラッテストーン」を参考にして建てられた、観光用の建造物。オープニングセレモニーが行なわれたあと、中でチャモロ人独自のカヌー作りが進められた。ちなみにラッテストーンは当公園名の由来ともなっており、停泊地内ではそこかしこに点在する数百年~数千年前に作られたとされるラッテストーンを間近で見ることができる。

古くから残されているというラッテストーンの遺跡
施設の中ではカヌー作りが進められていた
チャモロ人のカヌーの完成した姿
作っていたのはこの舳先の斜め部分だという。カヌー1艘が完成するまで4カ月、大型のものは8カ月はかかるとのこと

 また、停泊地内はスターフルーツ、サワーサップ、パンの実といったグアムならではのフルーツの木が立ち並ぶ果樹園のようにもなっていて、グアムのスーパーや市場で販売されているフルーツが実際に木になっているさまをじっくり観察できるのも面白い。日本では目にすることのない、個性的な形や味覚、匂いのインパクトに、驚くこと間違いなしだ。

とげとげしいサワーサップ
1つ1つが大きいパンの実。このような個性的なフルーツが停泊地内に植樹されている

 もう1つの停泊地では、ココナッツの葉で作る頭飾りなどの手作り工程を見学できるほか、木をこすり合わせて火をおこす方法なども学ぶことができる。さらにそこから歩いて1、2分のところにあるミニ動物園では、グアム鹿やヤシガニ、オオトカゲなどの小動物と触れ合うことが可能。頑丈そうで、いかにも“コワモテ”な水牛の背に乗り、つかの間の散歩を楽しむのもお勧めだ。

2つ目の停泊地。ココナッツの葉を用いてさまざまな飾りを手作りしている
ガイドが火おこしの手本を見せる。両手でしっかり木の棒を握り、力を込めて枝にこすりつけると……火種ができた
乾燥させたココナッツの実の皮部分に火種を入れ、炎にする。ちなみにこのツアーの参加者のうち、筆者を含め3人が火おこしにチャレンジしたが、情けないことに誰も火をおこせなかった……
2つ目の停泊地から歩いて1、2分の近場にあるミニ動物園。最初に出会ったのはグアム鹿
ヤシガニ。食用としても人気で、レストランでは1杯200ドル(約2万1400円)という高価なものになる
オオトカゲは檻の中でじっと動かずにいた
出会った瞬間に思わず土下座したくなる、コワモテの水牛
しかし乗るのは難しくなく、従順で、乗り心地もわるくない
筆者も水牛乗りに挑戦。スタッフは全員が親切かつジョーク好き。日本語を少ししゃべれる人もいて、誰もがリバークルーズを満喫できるはずだ

日沼諭史

1977年北海道生まれ。Web媒体記者、モバイルサイト・アプリ運営、IT系広告代理店などを経て、現在は株式会社ライターズハイにて執筆・編集業を営む。IT、モバイル、オーディオ・ビジュアル分野のほか、二輪や旅行などさまざまなジャンルで活動中。独身時代はレンタカーで車中泊しながら国内中を巡ったこともあり、どちらかというと癒やしではなく体力を消耗する旅行(仕事)が好み。著書に「できるGoPro スタート→活用 完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典」(技術評論社)などがある。