【イベントレポート】ツーリズムEXPOジャパン2016
菅義偉官房長官も来訪したツーリズムEXPOジャパン2016「JAPAN NIGHT PARTY~国際交流の夕べ~」
2016年9月28日 00:05
- 2016年9月22日 実施
ツーリズムEXPOジャパン2016 JAPAN NIGHTが9月22日夜、日本橋エリアで開催され、その一環として「JAPAN NIGHT PARTY~国際交流の夕べ~」が行なわれた。このイベントは招待客限定で行なわれたもので、内閣官房長官 菅義偉氏らの挨拶に始まり、歌舞伎や津軽三味線など多彩なパフォーマンスが披露された。
国、各機関の代表など21名による鏡開きと乾杯
日本の四季を映像と照明で演出されたオープニングで開始された式典の初めに、主催者であるツーリズムEXPOジャパン組織委員会 山口範雄委員長が「今回で3回目となるJAPAN NIGHTは日本の魅力を発信し、世界の方々と情報交流の場として発展させてきた。昨年の丸の内エリアに続き、都市型イベントの第2弾として、日本橋エリアを舞台として開催する」と述べ、日本橋エリアで開催することについては「江戸の中心地として栄え、5つの街道の拠点であり、旅の原点であった日本橋を発信地として日本の伝統や文化、日本食などをご堪能いただきたい」と説明した。
続いて来賓代表で国土交通大臣 石井啓一氏が訪日外国人が年間2000万人を超えたことに触れ、「この勢いを継続させて、2020年には4000万人という新たな目標に向け、国土交通省では、ストレスフリーの旅行環境の整備、観光産業の促進、国際交流の強化など地方創世の礎となるようなさまざまな企画を展開する」と話し、ダンスパフォーマンスなどの新旧の魅力あるアトラクションが用意された今回の催しについては「日本のさらなる新しい魅力に触れることで国内外を問わず、インバウンドやアウトバウンドにも効果がある」と期待を寄せた。
最後に、内閣官房長官 菅義偉氏が登壇、「第2次安倍政権が発足して間もなくの閣僚会議で、首相が『世界の人々を元気付けるため、観光立国を推進する』と宣言、それ以降、商店街の免税店化など大胆な改革を足早に推し進めてきた」とこれまでの政策を説明、現在も伸び続けていることに自信を見せた。今後の具体的な方針として「外国人観光客4000万人時代を見据えて、インフラの整備やCIQ(税関・出入国管理・検疫)の体制を強化し、できることはすべてやるという覚悟で政府主導で取り組む」と語った。
その後、菅内閣官房長官、石井国土交通大臣をはじめUNWTO(国連世界観光機関)事務局長のタレブ・リファイ氏、タイ王国副首相のタナサック・パティマプラゴーン氏など各国、各機関の代表や、ANA(全日本空輸)代表取締役社長 篠辺修氏、JAL(日本航空)代表取締役社長 植木義晴氏ら21名による鏡開きが行なわれた。
鏡開きのあとは乾杯の挨拶。JNTO(日本政府観光局)の松山良一理事長が「リオデジャネイロオリンピックが成功に終わり、次は東京」「我々観光産業としては、力を合わせてインバウンド、アウトバウンド、国内の三位一体となって世界の観光の発展に協力していこうと思っている」「観光とは人を動かす力。今後は、観光と文化、観光とスポーツなど各業界が連携していくことが重要」と話し、「乾杯」と発声した。
さまざまなパフォーマンスが披露された
パーティでは、津軽三味線の全国大会で数々の優秀な成績を納めている津軽三味線小山流小山貢隼総師範代率いる「小山会 隼」の津軽三味線のパフォーマンスが行なわれた。
最初のオリジナル曲「我と汝」の力強い津軽三味線の音色で、一気に会場内が「和」の雰囲気に包まれ、小山貢隼氏による津軽三味線の解説が行なわれ、津軽三味線の代名詞でもある「津軽じょんから節」が披露された。
続いて、舞台が暗転。ブルーのライトで彩られ、海外でも人気の7人組ダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」によるパフォーマンスが披露された。ステージ後方より現われたスーツ姿の集団が繰り広げるダンスパフォーマンスは、異空間へと迷い込んだかのような印象を受ける。「MIND SHIFT」「FIND THE LIGHT」の2つのパフォーマンスを披露した。
青森県ご当地キャラの「いくべぇ」、秋田県ご当地キャラの「んだッチ」、岩手県ご当地キャラの「そばっち」「うにっち」、山口県ご当地キャラの「ちょるる」が紹介されたあと、「イマジン・ワンワールド」と題された着物ファッションショーが開演した。
これは、イマジンワールドが2020年に向けて、日本人の文化と技、「和」を重んじる精神性を世界に発信するために提案したもの。世界196カ国それぞれの歴史や文化の素晴らしさを表現した「KIMONO」を日本を代表する着物作家たちの卓越した伝統染色および、織り技術により制作するもので、“The World Can Unite As One”というメッセージが込められている。
拍子木の音とともに今話題の真田幸村を彷彿とさせるような、赤仕立ての甲冑に身をまとった侍が現れ、2人の忍者と対決するシーンから、「歌舞伎エンタテイメント雅屋『連獅子』歌舞伎SHOW」は始まった。代表演目は「連獅子」となっていたが外国人に対する配慮からか、見た目の派手な殺陣やヤマタノオロチの出現から、連獅子の演技に入っていった。
実際の連獅子の一番有名な「後ジテの舞い」のみ演じられたが、その気迫に圧倒されてか、外国人のみならずその場にいたほとんどの人が舞台周辺に集まっていた。そんななか舞台から降り、所狭しと駆け回る獅子の精の姿に多くの人が感嘆の声を漏らしていた。
最後のパフォーマンスとなった「SAKURA - JAPAN IN THE BOX -」では舞台と観客が一体となり、日本舞踊とダンス、和楽器とロック、アニメーションとリアルのシンクロ。日本と世界のエンターテインメントが融合したミュージカルファンタジー。日本の美、四季を70分で巡るジェットコースター型エンターテインメントの一部を公開した。現代の日本が発信しているアニメやコスプレなどを取り入れたパフォーマンスで、「JAPAN NIGHT PARTY~国際交流の夕べ~」は締めくくられた。