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警視庁 万世橋警察署、つくばエクスプレス 秋葉原駅でテロ対処合同訓練を実施

伊勢志摩サミットなど訪日要人増加に備える

2016年4月20日 実施

 警視庁万世橋警察署は4月20日、つくばエクスプレス 秋葉原駅で要人を標的にしたテロ対処合同訓練を実施した。5月に行なわれる伊勢志摩サミットや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催などによる国内外からの観光客、海外の要人の訪日の増加を見据えたものだ。

 参加機関は警視庁 万世橋警察署、警護課、警備第二課(訓練第二係)、特殊車両隊(機動隊銃器対策部隊)、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)秋葉原駅、の計約60名。

会場となったつくばエクスプレス秋葉原駅 構内
訓練スペース脇を一般利用客が行き交う
要人を迎える歓迎者役は首都圏新都市鉄道に入社したばかりの社員

 訓練はつくばエクスプレス 秋葉原駅の構内の一角で、秋葉原周辺の視察をした外国の要人がつくばエクスプレス秋葉原駅で2名のテロリストに襲撃される、という想定で行なわれた。

 駅の改札に向かう要人が、拍手で迎える歓迎者に手を振って応えたところ、そこに紛れ拳銃を所持していたテロリストが突如要人に襲いかかる。それと同時に警護課員(SP)が制圧、ここまではあっという間の出来事。

 秋葉原駅の職員がまわりにいた一般の乗客の避難誘導を行なうが、ここで一件落着とはならなかった。もう一人紛れていたテロリストが今度は一般客を人質にとったのだ。

 訓練の前半はここで一旦終了し、次の訓練に移る。110番通報により警視庁の機動隊銃器対策部隊が現場に到着するところから訓練の後半はスタートする。人質をとったテロリストと機動隊銃器対策部隊とのやり取りは、テロリストが爆破物などを所持している可能性をも想定したもので制圧までのプロセスは非常に緊迫したものであった。

警護課員(SP)に警護された要人が秋葉原駅にやってきた
歓迎を受け、それに応える要人
歓迎者の中に紛れ込んでいたテロリストが要人を襲ったがもののSPがすぐさま対処
捕まるテロリスト
ちょうど点字ブロックの上だったがテロリストを容赦なく押さえつけるSP
テロリストが要人を襲ってからここまではアッという間だった
一件落着と思うのも束の間、もう一人のテロリストが一般人を人質にとった
110番通報で現場に入った警視庁の機動隊銃器対策部隊がテロリストを包囲。隙を見て人質を救出
人質救出後、対峙するテロリストと機動隊銃器対策部隊
制圧したあとも爆破物等を所持していないか慎重に調べる機動隊銃器対策部隊
テロリストを捕まえ、ここで合同訓練は終了した
逃げ遅れた通行人の救助をする署員。歩行困難な者に対し、床の状態によっては毛布での移動は非常に有効とのことだ
真剣に見学するJR東日本の職員

 昨今の世界情勢や、そのなかにおける現状の日本の立ち位置を考えれば、さまざまな交通機関が網の目のように行き交う東京で、しかも世界的に認知度の高い秋葉原でこのような訓練を実施することは非常に意義のあるものであろう。

訓練に参加した警視庁や首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)の関係者

(高橋 学)