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大井川鐵道、「きかんしゃトーマス」号を6月7日より運行

まるで本物かと思った造型の良さ。7月からは「ジェームス」も登場

発売期間:2015年6月7日~10月12日運行

運賃(新金谷駅~千頭駅間):大人2720円、子供1360円

茶畑のなかを走る「きかんしゃトーマス」号。大井川鐵道は、大井川沿いに走る風光明媚な路線。沿線の景色も楽しめる

 大井川鐵道は、6月7日~10月17日に新金谷駅~千頭駅間で「きかんしゃトーマス」号の運行を開始する。

 「きかんしゃトーマス」号は、絵本や人形劇などで人気のある作品「きかんしゃトーマス」に登場する青いタンク機関車「トーマス」を大井川鐵道のSL「C11 227」を改装して使ってリアルに再現したもの。

「C11 227」を改装して作られた「トーマス」。顔をつけたり塗装を変えただけではなく、わざわざ前照灯を煙突の隣からデッキ部分に移しており、かなりこだわって作られている
側面から見た「トーマス」。作中の「トーマス」は前後の従輪がないため、黒くして目立たなくしている
目の部分は電動で動くようになっている

 2014年にも運行され好評を博し、今年は2年目の運行となる。今年は「トーマス」だけではなく、赤いテンダー形機関車の「ジェームス」も7月11日より同時に運行され、日程によりトーマスのみ、ジェームスのみの運行のほか、1日でトーマスとジェームスが同時に走る日も設定される。両方運行されるのは7月11日/12日と8月27日/28日となる。また千頭駅には、静態展示ながら緑のタンク機関車「パーシー」や日本のD51がモデルの「ヒロ」も10月12日まで展示される。

 報道陣向けの公開となった6月4日には、沿線や新金谷駅、千頭駅に親子連れが多くつめかけ、トーマスが通りかかると歓声をあげていた。なかには、トーマスのあまりの出来の良さに本物と勘違いして、必死に「トーマス!トーマス!」と話しかけ、応えてくれないので、ちょっとションボリする子供の姿さえ見られた。

 「きかんしゃトーマス」号は、10時38分に新金谷駅を発車し千頭駅3番線に11時51分に到着。最初にトーマスと補助機関車の「ED501」を列車の前後で入れ換えてから、列車を3番線から1番線に移動。そして、トーマスが千頭駅の転車台に乗って回転するときには、その様子をカメラに納めようと大勢の人たちが詰めかけた。転車台で回転するシーンは作中の「きかんしゃトーマス」でもよく出てくるシーンであり、作中の世界が実物になったような光景に興奮する子供も居た。

作中での「トーマス」は入れ換え作業もしており、作中の1シーンに見える
転車台にやってきたトーマス
転車台の前は大勢の人がカメラを向けていた

 客車も本来の大井川鐵道で使われている「ぶどう色1号」から作中に出てくる客車に近いオレンジ色で塗られている。また車内はシートカバーや飾り付けがトーマスを用いたものとなっており、楽しい雰囲気にさせてくれる。乗車記念としてマグネットが提供されるほか、車内販売として、車内限定の「きかんしゃトーマスどら焼き」(800円)やゼンマイ駆動で連結が楽しめる「大井川鐵道トーマス連結でGO!」(1500円)、「プリントクッキー」(700円)が購入できる。

スハフ42などの比較的新しい世代が客車がトーマス号用の専用色のオレンジ色に塗られている
車内もシートカバーや飾り付けがトーマスに
シートカバーにはトーマスとヒロの絵がプリントされている
乗車記念として提供されるマグネット
右から車内限定の「きかんしゃトーマスどら焼き」(800円)とゼンマイ駆動で連結が楽しめる「大井川鐵道トーマス連結でGO!」(1500円)、「プリントクッキー」(700円)

 その後、トーマスはヒロの横に並び、トーマス、ヒロ、パーシーと作中に出てくるSLが3両並んでお披露目された。ヒロとパーシーが展示されている場所は広場となっており、記念写真などを撮れるようになっている。また「きかんしゃトーマス」号と「ジェームス」号の運行日には、広場で「トーマスフェア」が開催され、ミニSLや保線用の足こぎトロッコなどが体験できる。

トーマス、ヒロ、パーシーと作中に出てくるSLが3両並んでお披露目
背後の電車を気にしなければまるで作中に入り込んだよう
ヒロとパーシーは、定期的に声が出ていた

 ヒロとパーシーは、機関室に入ることができるようになっており、ヒロの機関室内には、ボタンを押すとヒロが3種類の内容でしゃべる装置がある。もちろん声は作中と同じ玄田哲章氏だ。また、パーシーにも同じ装置が設置されるようだが、取材した時点ではまだ設置されておらず、定期的に声が出ていた。こちらも声は作中同じ中島千里さん。ヒロはもともと千頭駅に展示されていた9600形機関車、パーシーは予備として保存されていたC12を使って、地元のボランティアなどによって作られたもの。

ヒロとパーシーの機関室は入れるようになっていた
機関室内に置いてある箱
ボタンがあり、押すと3種類のヒロのセリフが聞ける仕組み
こちらはパーシー
パーシーの機関室内にもヒロと同様の装置を設置するようだ

 確かに細部を見ると元となっているSLの動輪配列や従輪配列が違うため、黒く塗られたり、カバーで隠されている部分はるあが、雰囲気は人形劇に出てきた模型の機関車を忠実に再現しており、見ているとまるで作中の人形劇に入り込んだような感じだ。

 14時20分に「きかんしゃトーマス」号の折り返し列車が千頭駅を出発、15時27分に新金谷駅に到着し、この日の「きかんしゃトーマス」号の運行は終了になった。なお、トーマス号/ジェームズ号の到着後には、新金谷駅にある「新金谷車両区」でトーマスやジェームズがターンテーブルで回転されるシーンを見たり、整備工場を見学できる。

構内を回送中のトーマス、静態保存されている「C12 164」と並ぶシーンが見られた
「新金谷車両区」に戻ってきたトーマス
石炭の補給作業中
車庫に入ったトーマス

 切符は、6月4日現在ですでに10月4日の分まで完売となっており、終了間際の10月9日~12日は6月6日~9日に受付開始となる。とはいえ、6月分などはキャンセルの発生により再受付なども行っており、どうしても乗りたいという場合には細かくチェックした方が良いだろう。また、千頭駅のヒロやパーシーはトーマス号/ジェームズ号に乗らなくても見学はできるため、あえてトーマス号/ジェームズ号には乗らずにトーマスが走っている様子を見に行くというのもお勧めだ。

トーマス号/ジェームズ号からは、風光明媚な大井川の風景が見える
最初は進行方向右側に大井川が見えるが途中からは左側に
千頭駅の手前で再び大井川を渡る

 なお、新金谷駅前の「PLAZA LOCO」では、「きかんしゃトーマス弁当」(http://travel.watch.impress.co.jp/docs/series/ekiben/20150605_705547.html)などの駅弁やトーマスグッズ、お土産などを買うことができる。また、SLの切符の購入窓口もこの店内にある。

新金谷駅前の「PLAZA LOCO」
駅弁やトーマスグッズ、お土産などを買うことができる
「きかんしゃトーマス弁当」はここで買える
茶畑のなかを走る「きかんしゃトーマス」号の走行シーン

編集部:柴田 進