ニュース

三菱重工、改良型ホームドア「どこでもドア」を開発

2015年4月22日発表

 三菱重工業は4月22日、列車の扉数・扉位置が異なる鉄道車両にも正確に対応する改良型マルチドア対応ホームドア「どこでもドア」を開発したと発表した。

 鉄道車両は、用途によって1両あたりの扉の数や位置が異なるが、従来型のホームドアでは汎用性が低く、同型設計の車両を運用する路線しか設置するのが難しかった。しかし「どこでもドア」は扉の数が2~4扉でも正確に対応できるため、汎用性が高く多様な車両が発着する駅への設置が可能。また、扉の軽量化、据付期間の短縮など設置から運用のトータルコストを削減している。

 扉にはテレスコピックタイプ(2段伸縮の入れ子方式)の構造を採用することで、支柱の戸袋幅を限界まで縮めた。また、開閉幅を広げた戸袋付ドアもラインアップ。支柱(戸袋なし)タイプのドアと組み合わせることで、より大きい停車位置のずれに対応することも可能。

 安全対策として、人や荷物を感知するエリア検知センサにより、音声による注意勧告を行うとともに、扉の開閉動作を抑止。開閉機構を内蔵した支柱にプロジェクターまたはLEDを設置することで、扉の強化ガラス部に警告文字を投映したり、光による警告を表示できる。

 同社では、和田沖工場に本製品の試験施設を設置し、2016年3月末まで検証を行うとのこと。

 本製品は、国土交通省の「鉄道技術開発費補助金」を活用して開発したもの。また、国は2015年2月に閣議決定した「交通政策基本計画」により、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年度までに、ホームドアの設置駅を約800カ所に増やす方針を打ち出している。

編集部:柴田 進