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ベルギー観光局、日本・ベルギー友好150周年を記念して「ブリュッセル観光セミナー」
4億ユーロを投じて安全対策を実施
(2016/5/21 00:00)
- 2016年5月19日 開催
ベルギー観光局は5月19日、日本・ベルギー友好150周年を記念して「ブリュッセル観光セミナー」を旅行会社向けに開催した。日本とベルギーは幕末の1866年に外交関係を樹立、2016年は友好150周年となることからさまざまなイベントが実施されている。
この観光セミナーは、その150周年を記念して開かれた面もあるが、3月22日にブリュッセル空港で発生したテロ事件以降、とくに日本からのブリュッセル観光客が落ち込んでおり、旅行会社に現状を報告する意味合いも含まれていた。
最初に登壇したブリュッセル首都圏政府首相 ルディ・ヴェルヴォールト氏は、テロ事件後に実施した安全対策などについて紹介。テロ事件後の3月22日の朝から学校は休まずに開校していたほか、映画館なども休まずに営業。「これは、テロの脅しには屈しないから」と語る。
テロによって変わらないというのが大切としつつ、テロの発生によって大きく変わった面もあるという。それは安全面で、4億ユーロを投じて安全対策を実施。その中から2000万ユーロを投じて地下鉄の安全対策を行なった。
ブリュッセルには欧州議会など、欧州の需要施設が多数あり、現在は高度の警備が行なわれているという。そのため安心して訪れてほしいとし、トレインワールドなど新施設の簡単な紹介も行なわれた。
ブリュッセル空港の現状については、ビジット・ブリュッセル本局長 パトリック・ボンティング氏が説明。現状、空港の機能は80%まで回復しており、6月末には100%の機能になるという。「すべての観光スポットでは手荷物チェックが行なわれており、セキュリティレベルが上がったこと以外は、1年前のブリュッセルと変わらない風景が広がっている」と語った。
また、ビジット・ブリュッセルのセールス・マネージャー アヌシュカ・シュミット氏は、事件以降ホテルについては50%のダウンになったと現状を説明。しかしながら、毎週末に何らかのイベントが開催されており、徐々にお客さまが戻ってきているという。「今年の夏までにお客さまが戻ってくるための活動をしている」と挨拶を結んだ。
不幸な事件があったブリュッセルだが、欧州議会があるなどEUの重要な拠点だけに、セキュリティレベルが上がった後は日常が戻っているとのことだ。5月3日には安倍総理がブリュッセルを訪問するなど、各国政府関係者も通常どおりベルギーへ訪れている。もちろん、これらは政治的な意味合いも強くあるのだろうが、セキュリティ面へ積極的に投資しているのも事実だろう。
観光に関しても積極投資すると語っており、今後どのような観光プランが旅行会社から発表されていくのか注目していただきたい。