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インドネシア、インドネシア訪問日本人55万人を目指す2016年の取り組みを紹介

2016年4月4日 実施

インドネシア伝統舞踊で極楽鳥をイメージした「チャンドラワシ」を披露

 インドネシア共和国観光省・ビジットインドネシアツーリズムオフィスは4月4日、4月1日~3日に東京都内で行なわれた「マリンダイビングフェア2016」に合わせてメディア向けの説明会を実施。同国の2016年以降の観光振興の取り組みを紹介した。

 冒頭挨拶したビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所代表の成田忠彦氏は「2016年は例年になくプロモーションを早く始めており、2月の『ジャパン・ゴルフ・フェア2016』『東京マラソンEXPO』、4月の『マリンダイビングフェア2016』の3つすべてに参加した。2019年までに2000万人の外国人訪問者数達成という大統領の方針があり、その目標に向かってプロモーションしている最中」と現状を説明。

 続いて、ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所 チーフマーケティングオフィサーの高橋直美氏が2016年のインドネシア観光に関するトピックスを紹介した。

ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所代表 成田忠彦氏
ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所 チーフマーケティングオフィサー 高橋直美氏

 前年2015年のインドネシアへの外国人訪問者数は、対前年10%を超え1040万人を記録。このうち日本人は5番目に多いが、目標の50万人に対して49万2077人とわずかに届かない結果となった。2015年は繁忙期の7月などに火山が噴火して空港が閉鎖なるなどの影響が大きかったという。

 2016年はインドネシア全体で外国人訪問者数を1200万人に設定。日本は国・地域別で6番目となる55万人を目標に掲げる。

2015年にインドネシアを訪問した外国人の数は1040万人と前年から10.29%増
国・地域別の訪問者数で日本は第5位
日本からのインドネシア訪問者数は火山噴火の影響などで50万人の目標にわずかに届かず
2016年は1200万人の外国人訪問者数を目標に掲げる
日本からは55万人が目標

 インドネシアでは外国人訪問者の90%の行き先が、バリ、ジャカルタ、バタム島に集中しており、新たな観光地を知ってもらい訪問者数を増やす「グレータープロジェクト」を実施し、外国人訪問者数の目標達成に向けて取り組んでいる。

 具体的には10カ所の観光地開発優先地域を設定。北スマトラの「トバ湖」、ブリトゥン島の「タンジュン・クラヤン」、ジャカルタ周辺の「プロウ・スリブ」、中部ジャワの「ボロブドゥール」、東ジャワの「ブロモーテンゲルースメル」、東ヌサントゥンガラの「ラブハン・バジョー」、南スラウェシの「ワカトビ」といった7つの観光戦略地域。そして、バンテンの「タアンジュン・ルスン」、西ヌサントゥンガラの「マンダリカ」、北マルクの「モロタイ」の3カ所を投資なども呼び込む観光経済特区として設定している。

 併せて、地域ごとにブランディングも行なう。例えばアチェやバタム湖などをまとめた「グレーター・バタム」、ジョグジャカルタのボロブドゥール周辺の世界遺産群を「ヘリテージ・トライアングル」、ワカトビやラジュアンパットなどのダイビングスポットを「コーラル・トライアングル」としてブランド化し、一体化して売り込んでいく。

外国人訪問者の約90%がバリ、ジャカルタ、バタムの3地域を訪れている
新たに10カ所の観光地開発優先地域を設定
複数の都市などをまとめて地域別にブランディングしていく

 政策面では2015年6月に実施されたビザ免除プログラムを紹介。当初30カ国でスタートしたビザ免除プログラムを169カ国にまで拡大するとともに、「観光目的」の解釈を広げ、展示会やセミナーの参加なども免除範囲とする改定を2016年1月に実施した。

 このほか、観光省としてイベントの周知にも2016年は力を入れるとした。毎年6月の約1カ月間行なわれる「ジャカルタ・グレート・セール」は、今年は市制488周年を記念したものとなる。ジャカルタのほとんどのショッピングモールなどが協力した最大のセール期間となり、ミス&ミスター・ジャカルタもここで決めるという。

 このほか、日本人参加者も増えているジャカルタマラソンは10月23日に開催。今年で4回目となり、約1万5000名の参加者のうち、外国人は日本人がもっとも多く、2016年はさらに多くの参加者を迎え入れるべく観光省としてもサポートしていくとした。

2015年6月に開始したビザ免除プログラムは対象国や入国目的などを拡大している
2016年の主なイベント

 このほか、ガルーダ・インドネシア航空もプレゼンテーションを実施。現在、成田~デンパサール(バリ島)、羽田~ジャカルタ、関空~デンパサールをデイリー運航、関空~ジャカルタを週3便運航している同社は、日本とバリ島を直行便で結ぶ唯一の会社であることをアピール。

 現在の保有機体の平均機齢が4.3年と若いことを紹介したうえで、成田~デンパサール線で使用している、3クラス仕様のボーイング 777-300ER型機にフォーカスを当てて、その機内サービスなどを説明した。

 特にビジネスクラス以上での全フライトにシェフが同乗して盛り付けなどを行なう“シェフ・オンボード”のサービスは同社の特徴となっており、3月から羽田~ジャカルタ線の往復、成田~デンパサール線の往路で開始した「スターシェフメニュー」についても紹介。

 さらに今回のインドネシア共和国観光省の取り組みと親和性が高いサービスとして「ワンダフルインドネシア トラベルパス」も紹介。「アドベンチャーパス」「アンダーウォーターパス」「ヘリテージパス」「エクスプローラーパス」の4種類のパスが用意されており、それぞれのパスごとに設定された就航地(目的地)3~5カ所を、最大30%割り引きで巡れるものとなる。

ガルーダ・インドネシア航空は世界17都市、インドネシア国内60都市のネットワーク
日本線は成田、羽田、関空からジャカルタ、デンパサール(バリ島)へ週24便を運航
SKYTRAX(スカイトラックス)社の評価で、ワールド・ベスト・キャビンクルーを2年連続獲得。5スターにも認定されている
保有機材の機齢は平均4.3年と若い
成田~デンパサール線に投入しているボーイング 777-300ER型機
ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの3クラス計314席を備える
ファーストクラスには専用のコンシェルジュが付く
ファーストクラスはジャカルタ、デンパサールでリムジンサービスを提供
ファーストクラスのサービス内容やシートの仕様
交互配列を採用し、フルフラットシートを備えるビジネスクラス
エコノミークラス
全フライトにシェフが同乗し、ビジネスクラス以上では盛り付けを行なう。現在「スターシェフメニュー」としてギル・マーク氏によるインドネシア風のフランス料理を一部路線で提供中
ファースト/ビジネスクラス、ガルーダマイルズゴールド/プラチナ、スカイチームエリートの乗客は優先レーンを提供
ガルーダ・インドネシア航空が販売する「ワンダフルインドネシア トラベルパス」は、4種類のパスそれぞれに設定された目的地3~5カ所をお得にまわれるチケット
リームアジアパシフィック インストラクター アンディ・アブドゥル氏

 最後に、インドネシアでダイビングのサービスを提供しているドリームアジアパシフィックのインストラクターであるアンディ・アブドゥル氏もスピーチ。同社は日本人経営者のもとでサービスを提供しており、日本語でサポートを受けられるのが特徴。

「ワカトビやラジュアンパット、コモド島など世界では知られているが日本人には知られていないところもたくさんある。インドネシアには健全なサンゴ礁や、さまざまなインドネシア固有の魚がいることが知られている」とその魅力を紹介し、同社がサービスを提供している船にはホットシャワー、エアコンなどを完備するほか、アジア料理、インドネシア料理を楽しめるとアピールした。

(編集部:多和田新也)