ニュース

ANAセールス、旅行できない人も同行気分を味わえる「ANA VIRTUAL TRIP」のモニターを9月1日募集

360度カメラと専用スマホ、VRヘッドセットを貸し出し

2017年9月1日~14日 モニター募集

ANA VIRTUAL TRIPサービスの機材一式

 ANAセールスは同社のツアー参加者に向けて、旅行に同行できない人も現地の雰囲気をほぼリアルタイムに味わえるVR(仮想現実)サービス「ANA VIRTUAL TRIP」を実施する。企画はANAセールス、リコージャパン、ナーブの3社が、開発はナーブが行なっている。正式サービス開始は年内~年度内を目標としており、それに先駆けて9月20日から10月20日ごろのツアー参加者を対象にモニターを募集する。募集期間は9月1日から14日。9月15日に当選者へ通知する。

「ANA VIRTUAL TRIP」のサービスでは、旅行者は専用スマートフォンと360度カメラのリコー「RICOH THETA」を携行し、(旅行に行けない)仮想同行者には専用スマートフォンをセットしたナーブのVRヘッドセットが貸与される。

 2台の専用スマートフォンにはANA VIRTUAL TRIPのアプリがインストール済みで、旅行者側でアプリを起動すると自動的にペアリング済みのTHETAを認識し、撮影待機状態になる。その後は3分ごとに360度映像(静止画)を自動撮影して、仮想同行者へ送信する。撮影データはTHETAから専用スマートフォンを介してサーバーへアップロードされ、仮想同行者のVRヘッドセットがダウンロードする。このとき、THETAの撮影完了からサーバーへのアップロードにかかる時間は1分程度。

 アプリは常にビデオチャットの子画面を表示しており、仮想同行者はリアルタイムで旅行者側と通話しつつ、360度映像でその場にいるかのような疑似旅行体験ができるという仕組みだ。旅行者側のアプリには、仮想同行者が360度映像のどこを見ているかが表示されるので、具体的な方向を指示したり、見ているものが何かを説明したりといった使い方ができる。映像は3分間欠タイマーのほか、任意のタイミングでシャッターを切ることもできるので、ユーザーの手でリアルタイム性を高めることも可能。

旅行者側のスマートフォンには仮想同行者が見ている範囲が表示されるので、離れていても視線を共有できる

 利用エリアは国内とローミング可能な海外で、専用スマートフォンの通信料は料金に含まれる、としているが、渡航先や貸し出し日数などの料金形態は未定。なお、この専用スマートフォンはANA VIRTUAL TRIPのサービスのみに利用でき、そのほかの通信・通話などは行なえない。

ANAセールス株式会社 旅行事業本部 WEB販売部 販売企画課 髙橋光毅氏

 企画・開発を担当するANAセールス 旅行事業本部 WEB販売部 販売企画課の髙橋光毅氏は、シニア層や身体的・時間的都合で旅行に参加するのが難しい人でも、旅の思い出を(ほぼ)リアルタイムに共有できるのが本サービスの魅力であるとして、アプリを起動するだけという操作の簡単さや、手のひらサイズのコンパクトさながら全周囲を記録できるTHETAの存在がサービス化の要点になっているという。今後スマートフォンの通信速度が向上すれば、360度映像を静止画ではなく動画にすることも検討したいとのこと。

 モニターの募集は9月1日からANAセールスのWebサイトで行なわれ、モニター枠は10組。

ナーブのVRヘッドセットを構える髙橋氏。VRヘッドセットは、重さや締め付けを感じやすい“ヘッドマウント型”をあえて避けて、手で保持するスタイル