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「近畿のキタだよ、北近畿!」キャンペーンで特別列車「ぐるっと北近畿」を運行
JR西日本「天空の城 竹田城跡号」と京都丹後鉄道「丹後くろまつ号」を間接連結
2017年4月11日 00:00
- 2017年4月10日 発表
JR西日本(西日本旅客鉄道)福知山支社、WILLER TRAINS、日本旅行、京都府中丹広域振興局、京都府丹後広域振興局、兵庫県但馬県民局は4月10日、共同で「近畿のキタだよ、北近畿!」キャンペーンを実施すると発表した。
JR西日本福知山支社、WILLER TRAINSなどは、2017年度(平成29年度)より3年間、広域周遊観光圏を確立するために観光交通の充実や観光素材の魅力向上を図ることに取り組んでいく。
その具体的な取り組みの第1弾として実施されるのが「近畿のキタだよ、北近畿!」キャンペーンで、JR西日本本社内で共同記者会見が行なわれた。
記者会見には各団体を代表して、JR西日本 執行役員 福知山支社長 前田洋明氏、WILLER TRAINS 会長 村瀨茂高氏、日本旅行 代表取締役社長 堀坂明弘氏、京都府中丹広域振興局 局長 野村賢治氏、京都府丹後広域振興局 局長 西村紀寛氏、兵庫県但馬県民局 局長 秋吉秀剛氏が出席。「近畿のキタだよ、北近畿!」キャンペーンが目指すところを語った。
この「近畿のキタだよ、北近畿!」キャンペーンでは、特設Webサイトを開設。日本旅行で旅行商品の販売を行なうほか、この特設Webサイトからも購入案内を行なう。
キャンペーンで目玉となるのが、JR西日本の観光列車「天空の城 竹田城跡号」とWILLER TRAINSが運営する京都丹後鉄道のグルメ列車「丹後くろまつ号」を連結運用する特別列車「ぐるっと北近畿」を運行すること。JR西日本 前田洋明氏によると、この2両は直接連結することができないため、間に1両を挟む形で技術的な違いを吸収。3両編成で運用するという。真ん中の1両は通常車両となっており、観光列車としては運用しない。そのため、3両編成の特別列車「ぐるっと北近畿」の定員は30名+30名の60名ほど。竹田城跡号やくろまつ号を直接接続可能なよう改造する選択肢もあったが、早期の実施を考え、3両編成の運用になったという。
「ぐるっと北近畿」第1弾では、坂東玉三郎さんの公演観劇を組み込んだツアーを発売。6月24日に福知山駅を出発し、峰山駅近くで観劇。その後、城崎温泉に宿泊。翌25日は、近畿最古の芝居小屋「永楽館」を見学し、福知山駅へと戻る。詳細なツアー日程の決定と発売は、4月中旬を予定し、募集人員は30名とのこと。
くろまつ号の走行安全確認の関係から、当面はJR西日本 福知山支社内の路線のみを運行する予定で、北近畿の食や観光を訴求していくものになるという。とくに前田氏が強調していたのは、インバウンドなどへの取り組みで、城崎温泉や天の橋立という国内でもトップクラスの観光資源を備えながら、これまでは国内のみを視野に入れていたため、単体での訴求に終わっていたこと。これらの観光資源を複数組み合わせることで、1泊より2泊、2泊より3泊と、とくに長期旅行を前提として日本を訪れるインバウンド需要に応えていく。
現時点で決まっている実施時期とコンセプトは下記のとおり。
第1回 6月24日~25日 北近畿の「歴史と文化」に触れる旅
第2回 7月下旬 北近畿の「海の恵み」を楽しむ旅
第3回 8月下旬 北近畿の「スローライフ」に浸る旅
第4回 9月中旬 北近畿の「和の世界」を楽しむ旅
第5回 10月上旬 北近畿で「Nippon」を学ぶ旅
第6回 11月上旬 北近畿の「冬の入り口」を楽しむ旅
そのほか、「ぐるっと北近畿」を貸切列車として利用できるよう計画しており、近畿エリアでの団体観光旅行や地域や企業の親睦会に利用できるという。こちらの詳細もキャンペーンWebサイトで詳細を告知していく。
また、JR特急と観光施設入館料や昼食がセットになった企画きっぷ「城崎温泉・天橋立ぐるりんパス」が、4月1日より但馬エリアのみから京都丹後鉄道も利用可能になっているほか、4月10日より訪日外国人向けの商品「JR-WEST RAIL PASS」の「関西ワイドエリアパス」「関西北陸エリアパス」「関西広島エリアパス」の利用エリアを、京都丹後鉄道にも拡大した。
大阪や京都は東京を含むゴールデンルートとして訪日外国人観光客に人気となっているが、「近畿のキタだよ、北近畿!」キャンペーンを実施することで北近畿エリアにの観光資源を知ってもらい、日本人の国内旅行者にとっても訪日外国人観光客にとっても利用しやすい環境を作り上げていく。