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2月26日開通予定、東北道と常磐道を結ぶ圏央道 境古河IC~つくば中央IC事前公開

日本初となる「高速道路ナンバリング標識」設置

2017年2月17日 実施

2017年2月26日15時 開通

常総ICと坂東IC間にある全長2350mの飯沼川橋梁。新開通区間となる境古河IC~つくば中央ICにおいてトピックとなる建造物

 国土交通省 道路局とNEXCO東日本(東日本高速道路)は2月17日、開通を目前に控える圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の境古河IC(インターチェンジ)~つくば中央IC間を報道陣向けに公開した。同区間は2月26日15時に開通する。

 同区間の開通で圏央道の茨城県区間が全線開通する。また、東京都から放射状に伸びる東名高速道路、中央自動車道、関越自動車道、東北自動車道、常磐自動車道、東関東自動車道の6つの高速道路が圏央道で結ばれることとなる。

 同区間はもともと2015年度の開通を目指していたが、軟弱地盤対策が必要になったことから一時工事を中止。2015年9月には豪雨により工事現場の浸水被害も発生した。延長は28.5kmで、暫定2車線での開通。途中の坂東IC、常総ICも同時に開通する。境古河IC~つくば中央IC間の料金は普通車1050円、軽自動車等840円、中型車1250円、大型車1660円、特大車2660円。

2月26日15時に開通する圏央道 境古河IC~つくば中央IC

 事前公開では、開通区間内の常総IC~坂東IC間を往復した。この様子を撮影した車載動画も別記事「開通近づく圏央道 境古河IC~つくば中央ICの事前走行動画」にて公開しているので、あわせて参照して欲しい。開通まで10日を切り、工事はほぼ完了していて、本線上に工事車両もほとんど見かけなかった。

 今回の事前公開では、同区間に設置された「高速道路ナンバリング標識」も初公開された。訪日外国人などに分かりやすい道路案内を実現することを目的に、アルファベットと数字を取り入れている。同標識の設置は国内では初めて。高速道路の場合、「Expressway」の「E」を、グループ化する路線は「A」を、環状道路は「C」を付け、2桁以内のナンバーと合わせて表示する。たとえば、圏央道は「C4」、常磐自動車道は「E6」となる。今後順次標識に追加されることとなっていて、カーナビなどにも表示されるようになる。

国土交通省

高速道路ナンバリングの検討経緯及び関連資料

 今回暫定2車線での開通だが、常総IC付近の本線は、今後の拡張に備え4車線分が確保され、使われない2車線を挟むように作られている。これはあとからICを拡張するのが難しいため。ほかにも坂東IC付近とつくば中央IC手前の高須賀地区付近には、1.3~1.4km程度の追い越し車線で4車線分がある箇所がある。今後の4車線化もすでに進んでいて、本線の北側部分では、すでに工事が進められていた。

常総IC付近は、起伏が少なく一面農地が広がる、豊かな田園地帯
2015年には豪雨により工事現場の浸水被害を受けた
常総ICを遠目に見る。当日は春一番の嵐で霞んでいるが、筑波山が見える
常総ICは、南北方向に伸びる国道294号バイパスがつながっている。こちらは南側の常磐道の谷和原IC方面に向かう常総IC入口
こちらは北側の下妻市方面へ向かう道から入る常総IC入口
間違えて入らないように入口標識はまだ表記はされていない
電光掲示板も「試験中」の表示で、情報表示はなし
常総IC料金所ゲート出口方向。手前の車線は入口ゲート
まだ電光掲示板の表示はなにも点灯していない
常総IC料金所ゲート出口方向。手前の車線は出口ゲート
常総IC料金所ゲート入口方向
常総IC料金所ゲート正面。ETCレーン
ETCレーンの二輪車用ガイド
料金収受ブース
通行券自動発行機。右ハンドル用
普通車の左ハンドル用。通行券自動発行機は、左側の車線にある
出口には、料金自動収受機のMIC(Multiple and Integrated Toll Collecting Machine)を備える
MICの操作パネル。画面にて係員との応対も可能
ETCのセンサー
常総IC料金所ゲートから本線への合流方向を見る。本線合流への分岐案内版が見える
常総IC料金所ゲートから出口の国道294号バイパス方面への合流方向を見る
本線合流への分岐案内標識
今回初めて公開された高速道路ナンバリング標識。「E6」にて常磐道方面を表示
高速道路ナンバリング標識。こちらは、「E4」で東北道方面を表示する
常総ICの本線上。本線合流付近。久喜白岡JCT方面を見る。上下1車線の2車線
常総IC本線合流付近。こちらはつくばJCT方面を見る
中央部分に今回の開通時には使われない部分がある。今後の4車線化時に利用する
常総ICのつくばJCT方面に向かう出口の分岐を見ている。中央未使用部分の外側を通っている
常総ICのつくばJCT方面に向かう入口合流を見ている。中央未使用部分の外側から合流している
暫定2車線開通時の制限速度は70km/h
周囲には牧場も見かけるほど、のどかな田園地帯。遮音壁もなく周囲の景色がよく見渡せる
坂東ICまで7kmの3連の案内標識
高速道路ナンバリング標識。「E4」は東北道方面を表わす
坂東ICが近くなると、中央にゼブラゾーンが現われる
坂東IC付近で追い越し車線が現われる
坂東IC出口案内。ここでは片側2車線になる
坂東IC出口
坂東IC料金所ゲート
坂東IC料金所ゲートから本線への合流方向を見る。本線合流への分岐案内版が見える
本線合流への分岐案内標識
高速道路ナンバリング標識。「E6」は常磐道方面を表わす
高速道路ナンバリング標識。「E4」は東北道方面を表わす
各所に調整池が作られている。開通区間内で29カ所ある
坂東ICから常総ICに戻る。2車線から1車線になる表示が現われる
「左へ」の案内標識
常総ICまで8kmの案内標識。高速道路ナンバリング標識。「E6」常磐道方面
対面通行の標識
飯沼川橋梁。全長2350mある。坂東~常総IC間で橋梁は4.0kmある
西仁連川、飯沼川、東仁連川と続けて越えていく
橋脚部の拡大
北側部分は、すでに4車線化の工事が進められている
常総ICが近づくと、鬼怒川と関東鉄道を越える橋梁となる
鬼怒川橋が見えてくる
常総IC出口案内標識。IC近辺は鬼怒川直前まで4車線化の準備ができている
常総IC出口案内標識
案内標識は逆光対策がされていて、透過するスリットが開けられている
案内標識には落下対策でワイヤーがかけられている
鬼怒川橋。久喜白岡JCT方面を見る
鬼怒川橋本線上。久喜白岡JCT方面を見る
落下防止柵が設置されている
常総IC出口付近でつくばJCT方面を見ている。この部分は4車線化のための未使用部分。右側が本線
常総IC出口車線
常総IC出口付近でつくばJCT方面の本線を見る。出口標識の後ろあたりが、先に見た未使用車線になっている

 開通部分は橋梁部分が多く、延長28.5km間で橋梁部は9.5kmに及ぶ。トンネルは一切ない。軟弱地盤対策としては主に載荷盛土が行なわれているが、橋梁が軟弱地盤に強いということも多い理由となっている。

 今回の開通ではSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)は設置されないが、今後坂東IC近くのつくばJCT(ジャンクション)方面側に坂東PAを設置する予定となっている。具体的にどのようなものになるかは未定だが、上下線ともに使えるようになるとのこと。

 この区間の開通により、成田空港から都心を経由せずに東北道、関越道、中央道、東名高速へアクセスできるようになる。都心を経由した場合より、圏央道を経由したコースのほうが時間短縮となる試算もあるほか、都心の渋滞を避けられることから、定時性も向上する。また、ダブルネットワーク化も開通のメリットとして挙げられている。

 開通が近くなり、周辺のSAやPAではポスターで告知したり、パンフレットを配布するなど積極的にPRしていて関心を集めていた。公開日に立ち寄った守谷SAでは、偶然、一般ドライバーに向けて開通告知のパンフレットやノベルティ配布を行なっているのに出くわした。今回の開通で、首都圏主要高速道路や成田空港などがつながるため、注目度も高くPRにも力を入れているようだ。今後も開通式典など、順次掲載していくので注目していてほしい。

守谷SAで見かけた圏央道開通のポスター。埼玉県秩父市出身の落語家 林家たい平さんを起用している