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小田急、新型特急ロマンスカー「70000形」を2018年3月運行開始

EXE(30000形)もEXEαへリニューアル、2017年3月運行開始

2018年3月 運行開始

新型特急ロマンスカー「70000形」の外観イメージ

 小田急(小田急電鉄)は10月20日、新型特急ロマンスカー「70000形」の製造を決定したと発表した。2018年3月の営業運行開始を目指す。展望室が設置されるほか、車両の左右振動を抑制する装置の搭載、Wi-Fiによるインターネット接続環境の整備、スーツケースなど大型荷物が収納できるスペースを装備する。

 70000形のデザイン設計は、これまでの特急ロマンスカーのVSE(50000形)、MSE(60000形)に続いて設計研究組織の「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」が担当する。

 車両設備は展望室は16席を両方の先頭車に設置、荷棚を設けないことで展望車両としての大きな空間とダイナミックな眺望を創出したという。車両側面の窓の高さはVSEやMSEよりも30cm高い100cmとし、沿線の風景が楽しめる。

 走行面では、左右方向の振動を抑制する電動油圧フルアクティブサスペンションを編成の全車両に搭載する。SiC素子を用いたVVVFインバータ制御装置、LED照明で省エネルギー化を行ない、モーターは全密閉式とし、そのほかの可動部も低騒音タイプの機器を搭載して低騒音化を図る。また、車両の異常な動きを検出した場合には自動的に緊急停止する機能や、雨天下の滑走時にも停止までの距離の短縮を図る機能を搭載する。

 また、車内設備では、出入り口デッキ部と客室内に防犯カメラを設置、乗務員室でリアルタイムに映像の確認が可能。案内用点字の設置や改良型ハンドル形電動車いすの乗車対応、トイレは車いす対応で、洋式トイレは温水洗浄機能付き便座「ウォシュレット」を搭載。授乳、体調不良の人の休憩用など多目的室も設置する。

 70000形は連接車ではないボギー車の7両編成で編成長は約142m。編成定員は400名。2編成14両が投入され、製造は日本車輌製造が担当する。2017年11月に完成、営業運行は2018年3月となる予定。

先頭車(1号車および7号車)の車両断面イメージ
中間車(2~6号車)の車両内観イメージ

EXEはEXEαへリニューアル

 同時にEXE(30000形)がEXEαへリニューアルすることも発表された。デザイン設計は70000形と同じ「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」となり、2017年3月から営業運行を開始する。2016年度のリニューアル対象は10両編成(4両+6両)が1編成でとなる。

 特徴としては、天井面を明るい仕上材とし、壁面は木質系の仕上げ、テーブルと肘掛けを一新、手掛けやフックなどを取り付け、くつろぎと快適性を高めるという。和式トイレを廃止し、洋式トイレは温水洗浄機能付き便座「ウォシュレット」へと変更、大型荷物スペースの設置、多目的室の設置、乗務員室でリアルタイムに映像の確認ができる出入り口デッキ部と客室の防犯カメラを設置する。

 また、走行メカニズムではSiC素子を用いたVVVFインバータ制御装置を特急車両として初めて採用、全密閉式モーター、低騒音タイプの空調を設置して低騒音化を図るという。リニューアルの施工は日本車輌製造が実施する。

リニューアル後のEXEαの外観イメージ
リニューアル後のEXEαの車内イメージ

2018年3月から通勤時間帯の特急ロマンスカー増発

 70000形が導入予定の2018年3月は、東北沢~世田谷代田間の複々線化をもって、小田急の複々線工事が完成する予定。通勤時間帯の特急ロマンスカーを増発し、朝7時~8時台の新宿や大手町方面の特急ロマンスカーを現行の3本から7本へ増発、帰宅時の「ホームウェイ号」増発や、土曜・休日の新宿駅~箱根湯本駅の「スーパーはこね号」の所要時間を短縮することが発表された。