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カシオ、180度の全天周映像を記録できるアウトドアデジカメ「EX-FR200」説明会

2台のカメラを組み合わせて360度の全天球映像も撮影可能

2016年8月4日 発表

2016年9月中旬 発売

カシオ計算機が180度全天周撮影に対応したデジカメ「EX-FR200」を発表(写真:カシオ計算機)

 カシオ計算機は、アウトドアアクティビティ向けのデジタルカメラ「エクシリム Outdoor Recorder」シリーズの新製品として、180度の全天周映像を記録できる「EX-FR200」を発表した。9月中旬に発売予定。価格はオープンで、市場想定価格は6万5000円前後。

 前機種「EX-FR100」に引き続き、カメラ部と液晶画面付きのコントローラ部を分離できるデジタルカメラ。新たに搭載した円周魚眼レンズによって、周囲180度の全天周撮影が可能になった。360度のパノラマ撮影、対角208度の超広角撮影などの撮影モードも備える。

 また、カメラ部単体の「EX-FR100CA」「EX-FR200CA」も併せて発売する。1台のコントローラで2台のカメラ部を操作でき、EX-FR200とEX-FR200CAを組み合わせることで、360度の全天球撮影も可能になる。EX-FR100CAおよびEX-FR200CAの市場想定価格は、それぞれ3万5000円前後、5万円前後。

カメラ部とコントローラ部を分離できる。ボディカラーはブラック1色(写真:カシオ計算機)

180度の全天周撮影に対応したセパレート型デジカメ

 EX-FR200は、一度のシャッターで周囲180度をまるごと撮影できるデジタルカメラ。2014年発売のEX-FR10、2015年発売のEX-FR100と同様に、カメラ部と液晶画面付きのコントローラ部を分離させることができ、カメラ部のみで撮影したり、離れたところからコントローラ部を操作してリモート撮影できるほか、合体させて一般的なデジタルカメラのように撮影することも可能。

 F2.8の円周魚眼レンズを搭載し、撮影素子は1/2.3型CMOS、有効画素数は1195万画素。180度の全天周撮影モードのほか、レンズを上向きにして撮影する360度のパノラマ撮影モード、対角208度の超広角撮影モードを搭載。さらに、カメラ部2台を同時に使用し、全天球撮影モードで周囲360度の映像を撮影することもできる。

 静止画は単写モードで、全天周(3888×3888ドット)、パノラマ(7456×1864ドット)、超広角(3232×2424ドット)の撮影が可能。動画は1:1(1440×1440ドット/30fps)、パノラマ(2880×720/30fps)、4K(3840×2160/30fps)、フルHD(1920×1080/60fps)などに対応する。撮影データはカメラ部に挿入したmicroSD/SDHC/SDXCカードに保存される。

 IPX8/6、IP6X相当の防水・防じんに対応するほか、落下強度1.3mの耐衝撃性能、-10℃の耐低温仕様も備える。合体時のサイズは60.9×154.8×46.2mm、重量は約238g。

円周魚眼レンズを搭載し、周囲180度の映像を撮影できるEX-FR200
コントローラ部とカメラ部のそれぞれに電源/シャッター/録画ボタンを搭載する
折りたためば通常のデジカメ風に
側面のボタンを押して、カメラ部とコントローラ部を分離できる
レンズを上向きに設置することで、360度のパノラマ撮影ができる

さまざまな組み合わせが可能なマルチ撮影に対応

カシオ計算機株式会社 QV事業部 第一開発部部長 松原直也氏

 都内で開かれた説明会では、同社 QV事業部 第一開発部部長の松原直也氏が登壇し、新製品の説明を行なった。松原氏は、まずOutdoor Recorderシリーズについて、「アクティビティ中にカメラを構えたり、シャッターを押したりすることなく、楽しむことを邪魔せずに、ハンズフリー撮影ができることがコンセプト」と述べ、全天周レンズを搭載したEX-FR200がラインアップに加わり、さらに2台のカメラ部を使ったマルチ撮影が可能になったことで、「使い方、楽しみ方の幅が広がった」とした。

 なお、マルチ撮影は、EX-FR200とEX-FR200CAによる全天球撮影のほか、EX-FR200とEX-FR100CA、EX-FR100とEX-FR200CA、EX-FR100とEX-FR100CAといった組み合わせが可能で、多視点から捉えた映像を記録できる。コントローラ部のハードウェアは、EX-FR200とEX-FR100で同様であり、EX-FR100のコントローラ部もファームウェアのアップデートによりマルチ撮影に対応するという。

 また、2台のカメラ部をセットできるマルチカメラマウンタなどの各種アタッチメントもオプション販売され、同マウンタを使えば、一般的な全天球カメラのような撮影が可能。ただし、松原氏は「(マルチカメラマウンタを使用せずに)身体やバギーの前後にカメラを付けて撮影するのがお勧め」と語る。自分自身を写さずに、SNSへ投稿しやすい映像を記録できるためで、「これは他社の全天球カメラにはない特徴」とする。

180度の全天周撮影、360度のパノラマ撮影、対角208度の超広角撮影のほか、EX-FR200のカメラ部2台で360度の全天球撮影が可能
EX-FR200とEX-FR100のカメラ部の組み合わせによって、マルチ撮影を行なうこともできる
EX-FR100(左)とEX-FR200のカメラ部。1台のコントローラで2台のカメラ部を操作可能
全天球撮影に対応したマルチカメラマウンタも販売されるが、身体やバギーの前後にカメラを取り付けて、自身を写さないのがEX-FR200ならではの使い方

全天球映像の新たな見せ方を提案するアプリ「EXILIM ALBUM」

 同社では、EX-FR200で撮影した映像を閲覧できるスマートフォンアプリとして、「EXILIM ALBUM」を新たに提供する。全天周または全天球モードで撮影した映像から動画なら2カ所、静止画なら3カ所のエリアを自動で選択して、分割表示できるのが特徴。例えば、撮影者の視点からの映像とその人自身の表情を並べて、同時に再生できる。

 松原氏は「(全天球などで)映像をまるごと撮影しても、それをどうやって見せるかという点で、他社は今のところ楽しさを提供できていないのではないか」と指摘。分割表示こそが、「全天球や全天周、マルチ撮影の映像の臨場感を、より伝えることができる新しい見せ方」と述べた。

 また、同アプリでは、全天周・全天球映像を全画面表示し、スワイプ操作でエリアを動かしながら閲覧することも可能。また、アルバムのなかから静止画・動画を自動セレクトしてダイジェスト動画を自動作成する従来からのハイライトムービー機能に加え、1日の出来事を時系列で表示するハイライトタイムライン機能を搭載。分割表示映像やハイライトタイムライン、ハイライトムービーは、FacebookやTwitter、LINEなどの各種SNSへ共有することができる。

 なお、EX-FR200で撮影した画像は、スマートフォンに別アプリ「EXILIM Connect」をインストールすることで無線転送が可能。カメラとスマートフォンをBluetooth Smartで常時接続することで、通信のコントロールが可能になり、カメラのスリープ中にWi-Fi経由で画像をスマートフォンへ自動転送することができる。

 このほか、全天周または全天球の静止画・動画を再生・編集できるPC用アプリ「EXILIM 360 Viewer」も用意され、全天球映像をYouTubeの360度動画形式に変換でき、アップロードしてVRゴーグルなどで楽しむこともできる。

スマートフォンアプリ「EXILIM ALBUM」。全天球映像の2カ所のエリアを自動選択し、分割表示する
分割表示映像やハイライトタイムライン、ハイライトムービーを各種SNSへ共有可能
全天球映像をYouTubeの360度動画形式に変換するPC用ソフト「EXILIM 360 Viewer」も提供する
カシオ製のAndroid Wear搭載スマートウォッチ「WSD-F10」をコントローラ代わりに使って、2台のカメラ部を操作することも可能