ニュース

NEXCO西日本、事業説明会で新名神工事の状況や熊本地震の復旧について説明

近畿圏シームレス化、リニューアル工事についても触れる

2016年7月22日 実施

新名神(大津~神戸)の建設状況
西日本高速道路株式会社 代表取締役社長 石塚由成氏

 NEXCO西日本(西日本高速道路)は7月22日、東京都内で事業説明会を開催した。平成28年熊本地震による影響や、新名神高速の工事現場の事故による影響、リニューアルプロジェクトなどのほか、本格的に議論が開始された近畿圏の高速道路のシームレス化について説明が行なわれた。

 2016年度(平成28年度)の事業計画のうち、高速道路事業の事業費は7408億円。そのうち高速道路の新設と改築は3768億円、合計107kmにおよぶ4車線化事業は改築として扱われるほか、新設は新名神高速の城陽IC(インターチェンジ)・JCT(ジャンクション)と八幡IC・JCTの間と、4月に開通した東九州道の椎田南IC~豊前ICの間、これから完成する和歌山JCTとスマートICが3カ所も含まれる。

平成27年度以降の事業認可状況で4車線化を追加している
平成28年熊本地震の被害と仮復旧状況
地震の復旧計画と費用について
新名神の建設工事の事故について。2カ所はまだ工事再開に至っていない

 営業中の高速道路の維持・修繕、災害復旧、その他の管理は3640億円で、39道路合計3460kmの区間の維持、修繕等と、24道路の303kmの特定更新工事となる。

 また、今年度は熊本地震や新名神高速の工事現場の事故による影響がある。熊本地震については、道路の損傷個所が多く発生したが、すべて仮復旧済。一部で本復旧作業も開始したが、全体計画は現在策定しているところだという。

 そのため、復旧費用の全体は未定。復旧に必要な資金は一旦社債等によってNEXCO西日本が調達するが、最終的な負担はNEXCO西日本の費用とするか、債務を高速道路機構に引き渡すかなどの配分もこれから決定する。復旧費用が国の予算に計上された場合は、補助金を充当するが、これは秋の臨時国会で審議される見込み。同様の事例として東日本大震災によるNEXCO東日本の復旧費用を国費で賄ったことがある。

 新名神高速の工事現場の事故に関連して全工事カ所の安全点検を行なったが、事故のあった箇所以外は終了して工事を再開している。事故のあった2カ所については、施工計画の検証が終わっていないため工事再開はしていない。

 有馬川橋は橋桁が落下しているため作り直しになるなど期間も費用もかかる。今後協議するが、施工中の事故なので、費用負担は原則、工事請負会社の負担になるとし、請負会社の保険などで支払われる可能性が高いという。

 高速道路リニューアルプロジェクトについては、2016年度から本格的に着手。2016年度は橋梁の床板取替工事を約20橋で発注予定とし、中国道の8橋から順次着手する。

 本格的に議論が開始された近畿圏の高速道路のシームレス化については、国のほうで議論が進められているとしているが、近畿圏では、環状道路の一部である近畿道が渋滞し、首都圏のように都心部の交通を周辺の環状道路に流すという考え方にはならないという。自治体の道路公社路線をNEXCO西日本などに移管し、料金体系を統一するなどの検討が進められるという。

近畿圏のシームレス化についての動き