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“赤プリ”跡地に「東京ガーデンテラス紀尾井町」が7月27日グランドオープン

浮揚感を表現したホテル客室、魅力満載の商業施設、復原した旧館などを公開

2016年7月27日 オープン

東京ガーデンテラス紀尾井町

 西武ホールディングスと西武プロパティーズは、7月27日にグランドオープンを迎える東京千代田区紀尾井町の複合施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」の各施設を、7月19日に報道陣へ公開した。

 東京ガーデンテラス紀尾井町は、1955年から2011年まで営業していた「グランドプリンスホテル赤坂」、通称“赤プリ”の跡地に建設されたもの。東京都の指定有形文化財でもある旧李王家東京邸(グランドプリンスホテル赤坂の旧館)が「赤坂プリンス クラシックハウス」としてリニューアルするほか、オフィス、ホテル、カンファレンス棟の「紀尾井タワー」、商業施設の「紀尾井テラス」、住居棟の「紀尾井レジデンス」からなる。

 2016年5月に紀尾井タワーのオフィスフロアと紀尾井テラスの1~2階、および紀尾井レジデンスが、7月1日に紀尾井タワーのカンファレンスフロアがそれぞれ開業しており、7月27日には、紀尾井タワー内の30~36階のホテル「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」、紀尾井テラスの3~4階、赤坂プリンス クラシックハウスの3施設がオープン。全施設がいよいよ動き出す。

赤坂プリンス クラシックハウスと、その背後に紀尾井タワー
写真で見える中央の4フロア分が商業施設の紀尾井テラス
住居棟の紀尾井レジデンス
9つあるアートのうち、最後の作品として7月19日に公開された「WHITE DEER」(名和晃平氏作)

「背伸びして手が届く」ぜいたくグルメと、世界企業が協力するラグジュアリーなホテル

株式会社西武プロパティーズ 取締役 齊藤朝秀氏

 東京ガーデンテラス紀尾井町の公開にあたっての施設の説明会において、西武プロパティーズ 取締役の齊藤氏は、商業施設の店舗について「ちょっと背伸びすると届きそうなぜいたく」とコンセプトについて話し、ほかの複合施設などでは見られない独自性と、価値の高いテナントが多数入居していることをアピールした。

 また、赤坂プリンス クラシックハウスについても、1940年代以降ほとんど建築されなくなった貴重な洋式建築であると述べ、「単に保存するのではなく、新しい時代のなかで新しい価値を生み出しながら活用していく。こういった建物を後世にしっかりと残していくのは、我々の大事なミッション」とも語り、東京ガーデンテラス紀尾井町の象徴的な建物として機能することに期待感を示した。説明に使用されたスライドでも建て替えではなく“復原”と表現している。

施設の構成。オフィスフロアにはヤフーなどが入居している
井戸水があるほか、非常時には72時間の発電能力をもつ
紀尾井レジデンスは非公開だが、オフィス棟と同様に制震構造とし、ゆとりのある空間に仕上げたという
赤坂プリンス クラシックハウスは、建て替えではなく“復原”とのこと

 ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町を開業するプリンスホテル 専務執行役員の武井久晶氏は、世界中でホテル事業を展開しているスターウッドとの提携により、「プリンスホテル、ひいては紀尾井町の魅力を広く発信し、世界規模で愛されるホテルを目指す」と表明。世界の著名建築物を手がけるロックウェルグループヨーロッパに、日本のホテルとして初めてインテリアデザインを依頼したことにも言及した。

 デザインコンセプトは「レビテーション=浮揚感」および「フレームド・カレイドスコーピック・ビュー=額縁で切り取られた万華鏡のような景色」とし、「洋と和の対比と融合により、これまでに見たことのない新しい魅力とセンセーショナルな感動で、ラグジュアリー感を追求したホテルを誕生させること」を目標にしたと語った。

株式会社プリンスホテル 専務執行役員 武井久晶氏
デザインコンセプトはLevitation(浮揚感)とFramed Kaleidoscopic View(額縁で切り取られた万華鏡のような景色)

美食が集結する「紀尾井テラス」3~4階

 紀尾井テラスの3~4階は、すでに5月に開業している1~2階と同様、ショップやレストランが入居する。「達磨坂テラス」と呼ばれる3階には、「割烹天ぷら 紀尾井町 ささ樹」、スペイン料理の「エル フエゴ デル トロ」、フレンチレストランの「ル・ファヴォリ」など11店舗が、「御門テラス」と呼ばれる4階には、牛肉などのグリル料理を提供する「ノマドグリル・ラウンジ」ほか計3店舗が軒を連ねる。

「達磨坂テラス」と呼ばれる3階の様子
割烹天ぷら 紀尾井町 ささ樹
今年の新作という、団扇をかたどった器
ハモの天ぷらを揚げていた
エル フエゴ デル トロ
炭焼きオーブンで調理する肉料理がメイン
4階へと続くエスカレーター
4階、御門テラス。地形の関係から、このフロアと同じレベルに赤坂プリンス クラシックハウスがある
ノマドグリル・ラウンジ
店内にはインパクトのあるオブジェ。屋内の席に加え、テラス席も利用できる
パティスリーの「ラ・プレシューズ」
多彩なパンやケーキに目を奪われる

建設当時のしつらえにこだわった「赤坂プリンス クラシックハウス」

 かつて「グランドプリンスホテル赤坂 旧館」として運営されていた、東京都有形文化財に指定されている洋館「旧李王家東京邸」。その建設当時の詳細な資料をもとに、照明、外壁、内装のクロスなど、あらゆる部分を再現しつつ、現代に求められるニーズを満たすべく増築も図ったのが「赤坂プリンス クラシックハウス」だ。カフェ、バー、レストランに加え、大人数を収容するパーティルームやプリンスルームも用意し、挙式や披露宴などに活用できるようにもなっている。

赤坂プリンス クラシックハウスを入口側から見たところ
裏手となる紀尾井タワー側から見たところ
入口
入ってすぐのエントランスホール
照明やクロスなどのしつらえも最初に建設された当時のものを再現したという
ラ メゾン キオイ カフェ
ブティック バー ナポレオン
増築部にはバンケットルームがあり、結婚式の披露宴会場などにも利用可能
結婚式場などに使える2階の「プリンスルーム」
あくまでも復原のため、内装や外装にも歴史を感じさせる部分が見受けられる

最新技術も投入した250室の「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」

 紀尾井タワーの30階から最上階の36階までは、ホテル「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」となっている。客室のほかに、複数のレストランやバー、ラウンジ、ジム、ミーティングルームがあり、スイスでエイジングケア化粧品を手がける「SWISS PERFECTION」のリラクゼーション施設も入居している。

 客室数は250。額縁のように大窓を据え付けて、風景を切り取ったかのような演出がなされている。一部の部屋には大窓のすぐ手前にデイベッドを設置したり、まるで浮かんでいるようにテレビを壁掛けていたりと、浮揚感を感じさせる仕掛けがふんだんに用意されている。また、部屋に備え付けのiPadを使って照明やロールスクリーン、空調などのスイッチを切り換えられる、昨今のIoTを意識した技術も採用している。

最上階36階の「All-Day Dining Oasis Garden」
36階からの眺望。遠くに東京スカイツリーや東京タワーが見える
パンデピスのトーストとクルミパウダー(左)と、フォアグラのテリーヌ(右)
バスク産 骨付きキントア豚 ロース肉のロースト
36階のボードミーティングルーム
プロジェクタも完備。間の仕切りを外して大部屋で使うこともできる
「ビジネスサービスセンター」。宿泊客は無料でPCを利用可能
36階のロビーラウンジ
35階から吹き抜けになっているホールには、バーとしても利用可能な「Sky Gallery Lounge Levita」がある
Levitaの裏手にあるレストランバー「THE BAR illumiid(イルミード)」
35階の和食レストラン「WASHOKU 蒼天 SOUTEN」。SAKEバー、ダイニングエリア、寿司カウンター、鉄板焼カウンター、個室というように、複数のエリアから構成されている。こちらはSAKEバー。「アイス」をコンセプトにデザインされている
ダイニングエリア
ダイニングエリアで提供される「ホールポテトサラダ」
「前菜盛り合わせ」
「鱧の湯引き」
寿司カウンター
鉄板焼カウンター
個室。6~10人用で、室料は昼3万円、夜5万円。懐石料理のコース(1万5000円から)となる
34階のクラブラウンジ。7時~22時の営業で、朝食、昼食、夜間のカクテル+オードブルが提供される。デラックス、クラブフロア、グランドデラックス、スイートのいずれかのグレードの宿泊客は無料で利用可能
30階の「SPA & FITNESS KIOI」。プールは20×6m、ジェットバスもある
プールの隣にジムが併設されている。宿泊客は無料で利用可。フィットネスクラブ会員も受け付けている。個人会員の入会金は120万円、年会費は36万円。そのほかに保証金として200万円が必要
「SWISS PERFECTION」によるスパ・トリートメント施設
こちらは1人用
友人同士やカップルでの利用が可能な2人部屋
客室フロアの廊下
客室の扉
最も広い148m2のスイートルーム「ザ・プリンスギャラリー スイート」
ザ・プリンスギャラリー スイートのバスルーム
スイートルームのなかでは2番目に広い100m2の「デザイナーズ スイート」。デイベッドももちろん備えている
デザイナーズ スイートのバスルーム
照明や空調のコントロールパネル
ベッドの脇にあるiPadでも、室内のスイッチ類をコントロール可能。外国語にも切り換えられる
95m2の「紀尾井スイート」
62m2の「グランド デラックス プレミア キング」
58m2の「グランド デラックス コーナー キング」
42m2の「クラブ デラックス キング」
「クラブ デラックス ツイン」は、キングと広さは変わらず、ツインベッドになっている
最も客室数の多いデラックスグレードのうち、一番広い46m2の「デラックス プレミアツイン」