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UGREENの最新ポータブル電源「PowerRoam 1200」を試してみた。10年使えて急速充電対応、13系統出力の1024Whモデル! 期間限定3万円引きも
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- UGREEN
2023年5月29日 00:00
- 2023年5月29日 発売
UGREENは5月29日、定格出力1200W(容量1024Wh)のポータブル電源「PowerRoam 1200」を発売した。発売前に実際に触れることができたので、使用感などを詳しく紹介していこう。すでに定格600W(容量680Wh)の「PowerRoam 600」が発売されていて、待望の容量アップモデルの登場となる。価格はAmazon.co.jpで13万8000円。
1.5時間で100%の急速充電に対応した1024Whのポータブル電源
UGREEN(ユーグリーン)は、スマホなどのケーブルや充電器をAmazonで検索したことがあれば、ANKERなどと並んで必ず目にしたことがあるというくらいメジャーなメーカーだ。2012年に中国深センで設立、世界100以上の国と地域で製品を販売している。窒化ガリウムの充電器など、新しい技術を取り入れるのが早いメーカーだけあって、ポータブル電源にもリン酸鉄リチウムイオンバッテリー、短時間の急速充電、USB Type-Cポート、専用アプリでの制御といった技術トレンドをしっかり取り入れて仕上げている。
ちなみにポータブル電源は、スマホ向けに誰でも1つくらいは持っているモバイルバッテリーが大きくなったモノと考えればよい。スマホや携帯ゲーム機の充電が使えるのは当然として、AC100Vのコンセントが用意されていて、使用電力内であれば家電も使えるようになる。また、ソーラーパネルと接続できる端子があり、屋外で太陽光から直接本体を充電することも可能。キャンプや災害時の電源確保などにも便利な存在だ。
PowerRoam 1200は本体サイズ33.5×22×27cmで重量11.5kgと、片手でなんとか持ち上げて移動できるサイズ感。両手で持てば、大抵の大人なら移動させることができる範囲に収まっている。自宅内でも、コンセントの場所を問わず電化製品が使えるのは、体験してみるとかなり便利だ。
出力ポートは13系統あり、トータルで1565Wまで対応する。AC100V(1200W)×6、USB Type-C×2(PD 100W)、USB Type-A×2(22.5W)、DC5521×2とシガーソケット(双方で120W)が同時に利用できる。ちなみにDC5521は外径5.5mmで内径2.1mmのDCジャック。12V(5A)を取り出す際の汎用ポートとして利用できる。
出荷時は30%程度の充電量なので、使用前に充電が必要だ。コンセントにPowerRoam 1200をつなげばよいだけなのだが、少し注意点がある。コンセントにつなぐといきなり1000W超~800W程度の急速充電が約1時間近く続くことになる。ブレーカーを上げてしまわないように、家庭内の電気使用が少ない時間帯に充電しよう。
また、テーブルタップではなく壁のコンセントに直接差し込むようにして、延長ケーブルなどは絶対に使わないようにしたうえ、万一を考えてアース線も接続してほしい。アースは冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機を設置するコンセントには大抵付いている。そして、必ず付属の電源ケーブルを使って、丸めたりまとめたりせずまっすぐにした状態で接続する。一般的なケーブルよりもだいぶ太めで、大きな電流の発熱に耐えられる作りになっているからだ。
充電は約50分で完了した。なかなかの急速充電ぶりだ。0%近くからでも1.5時間程度。持ち出したい日に充電を忘れていても短時間で対応できる。この急速充電時には大きめのファンの音がするが、それ以外は高負荷時でもファンの音は小さめで、ほとんど気になることはない。インジケータを見て回っていることにはじめて気が付く程度だ。
PowerRoam 1200に使われているリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴の1つは、繰り返し充電に強いこと。3000回以上の繰り返し充電をしても性能劣化がほぼないため、メーカーで5年保証を付けている。毎日充電して3000回だと8年ちょっと、10年使って3600回。おおよそこの程度の期間は性能劣化せず使えるという予想ができる。
本体の「IoT」ボタンを長押しすると、「UGREEN」アプリに登録することができる。アプリとの接続は2.4GHzのWi-FiとBluetoothに対応していて、Wi-Fiが使えない環境ではBluetoothを使う。このアプリでは、使用状態のリアルタイムチェックや各種詳細設定、ファームウェアのアップデートが可能になる。
PowerRoam 1200には、200Wのソーラーパネルを2枚まで接続することができる。今回は持ち運びできる200WのUGREEN「SC200」を1枚のみ接続して使ってみた。2枚を並列接続する分岐ケーブルが付属しているので、もう1枚用意すれば400W(これが最大)になり、充電時間をおおよそ2分の1に短縮することができる。ちなみに出力100Wモデル「SC100」も用意されていて、100Wなら4枚まで接続することができる(分岐ケーブルは別途必要)。どちらを選ぶかは設置スペースなどと相談して構成するとよいだろう。PowerRoam 1200には分岐ケーブルが1本付属している。
パネルからの出力はXT60端子のみで、PowerRoam 1200のXT60に接続できる両端XT60メスの2mケーブルが付属する。付属ケーブルはもう1本付くが、こちらはソーラーパネル接続で一般的なMC4への変換ケーブルなので、このセットでは使うことはない。
SC200 1基での充電時間は、メーカー公称で6時間。実際に午前10時に容量半分の50%から充電してみたところ、14時半には充電が完了した。この日の充電中はほぼ晴天でまれに薄曇り。もっとも太陽の強くなる昼頃には140W超の出力が得られる時間もあったが、少しでも薄曇りや太陽が傾いていくと100W程度に低下する。IP67の防水仕様だが、雨の日はムリに充電しようと考えない方がよいだろう。この充電ペースなら、前日使い切らずに補充電していくような使い方なら十分実用的ではないかと思う。
なお、今回パネルの向きは1時間ごとに正確に合わせる作業をしている。SC200を展開すると、長辺は約240cmある。ベランダなどで向きを固定したまま置きっぱなしで放置すると充電効率はだいぶ落ちてしまうので注意。240cmを回転させるには、それなりのスペースが必要になる。回転させるのがめんどうなら、複数枚を向きを変えて設置するのもよいかもしれない。
冷蔵庫や電子楽器、PS5をつなげて使ってみた
充電が完了したので、家電で実際に使用してみることにしよう。消費電力1200W以内の家電であれば利用でき、合計では1565Wまで使える。さらに「U-Turbo」と呼ばれる瞬間的に2500Wの出力まで許容でき、突入電流の大きな家電にも対応させる仕組みもある。このU-Turboはアプリでオン/オフをコントロールできる。家庭では1コンセントで1500W以内と決められているので、おおよそほとんどの家電が使えると考えてよいだろう。
使う前に、AC100Vの波形をオシロスコープでチェックしてみたところ、実に見事な正弦波の波形が得られた。バッテリーは直流なので、この交流は回路によって作られたものだ。最近のポータブル電源はおおよそこのような純正弦波出力になっているが、古いカーインバーターなどでは疑似正弦波と呼ばれる階段状になった波形が出力されているケースもある。波形が乱れていると、精密機器は動作しなかったりモーター系ではうなる音が出たり、発熱したりするので注意が必要だ。PowerRoam 1200の出力のきれいな正弦波出力なら、波形の乱れで動かなかったり、不具合を起こす家電はないだろう。安心して使ってほしい。
まずは大型家電の代表として、冷蔵庫を冷やした状態で接続してみた。三菱電機の445Lタイプだが、500Lあたりまでは似たような感じだろう。消費電力200W超あたりでまったく問題なく利用できる。50/60Hzの切り替えは不要で共用だ。停電時でも4時間弱程度は持つ予想になっている。冷えている間の使用量はさほど多くなく、庫内温度を高めの「弱」に設定しておけば、さらに省電力にして稼働時間を長くすることも可能だ。停電時に庫内の冷凍食品を溶かさないという目的を十分果たすことができるはずだ。
ミュージシャンとか電子楽器演奏が趣味なら、電源のない場所で演奏をすることもたまにある。路上ライブとか、室内であっても電源が近くにない場所もある。小型のアンプを持ち込んで、シーケンサー付きの小型シンセサイザーやドラムマシンを演奏し、複数電子楽器やマイクをミキサーに突っ込むことを想定したのだが、このシーン内すべてで30W程度と、1日演奏し続けてもまったく問題なしだ。もっと大きめのアンプやPAにして、バンド形態でも大丈夫。ギターアンプにノイズが乗るかなと心配したが、ほぼ問題にならない感じだ。
いろいろな家電を試してみたが、1200Wのドライヤーやコーヒーメーカーも含め、電子レンジ、扇風機など問題なく動作した。1つだけ古めのダイソンのキャニスタータイプ掃除機のみ、定格1000WなのだがU-Turboをオンにしても、よほど突入電流が大きめなのかオーバーロード(過負荷)で動作してくれなかった。使えない場合にはしっかり出力停止するということが分かったので、これはこれで安心できる。取扱説明書にも、エアコン、コーヒーメーカー、乾燥機など消費電力の大きい機器での使用は推奨しないよう記載されている。
最後にPlayStation 5とテレビをつないで、ゲームを楽しんでみた。デスクトップPCも似たような状態と想定している。テレビはけっこう古いプラズマテレビで消費電力は高め、PS5は描画シーンにより消費電力が大きく変化するが、両方合わせて多くても400W以下で推移していた。
ここでは充電のケーブルを接続して満充電にしたあと、接続機器の電源が入ったままの利用中に充電ケーブルを抜くという操作も試してみた。いわゆる無停電電源装置(UPS)のような動作をしてくれる。これもPS5とテレビともに瞬断による動作異常もなく、問題なくバッテリー出力に切り替わってくれた。メーカーでは20ミリ秒以内で切り替わるとしていて、医療機器やサーバー、データストレージなどの高信頼性や安全性が必要なUPSとしては利用しないように書かれている。このあたりは理解し割り切って使う分には、夏場の落雷停電や、長めの瞬断対策のバックアップ電源として十分機能すると思われる。ちなみにUPSによくある「ピーピー」と鳴る大きな音の警告音は出ないので安心してほしい。無音でバッテリー動作に切り替わる。
PowerRoam 1200は、大人が持ち運びできるサイズでありながら、ほとんどの家電を動かすことができるという、誰にでも勧めやすいポータブル電源に仕上がっている。特に初めての1台としてお勧めしたい。さまざまな家電を動かしてみて、便利さを体感してもらいたいからだ。最初の体験で動かない家電ばかりでバッテリーの持ちもわるいと、充電や持ち出しがめんどうくさくなって使わなくなってしまう。
ソーラーパネルで発電すると、その分お得になっていくのは当然なのだが、ポータブル電源だけでも、ちょっとした運用方法次第でコンスタントに日々の電気代を削減することもできる。オール電化などで使われる時間帯別電灯プランを活用し、夜間安くなる時間帯に充電しておいて、高くなる23時や1時前までに使うとか、太陽光パネルをすでに設置していて家庭用蓄電池設置は見送っているケースで、日中に発電し余っている電力を売電せずに充電しておき、夜間に使うという方法で活用する手法だ。
この場合、テレビなど頻繁に使う電力消費が大きめの家電をPowerRoam 1200につないでおき、充電側ケーブルを時間帯に応じて抜き差しすることでコントロールすればよい。上記でPS5を使ってみたとおり、家電使用中に抜き差ししても、電気供給はスムーズに切り替わるので問題ない。電気代が高い時間帯は抜いてバッテリーから給電し、電気代が安い時間帯は接続して充電、完了後はそのままAC給電にしておくという使い方だ。この接続をしておけば、万一の停電時にはUPSのように動作し、そのまま何事もなく使い続けられる。災害時の備えとしても心強い。
もちろん自宅での電気代節約やバックアップだけではなく、どこでも電気が自由に使えるというポータブル電源として最大のメリットがある。これ以上容量が上がると、おいそれと動かせなくなってくる。このあたりが絶妙なサイズ感だ。持ち出してガンガン使いこなしてもらいたい。もちろんソーラーパネルSC200も合わせて持ち出せば、タダで電力を発電して貯めることができる。長期のオートキャンプなどにもってこいのシステムだ。10年チョット使いまくって使い潰す算段で、お得に電気を使いこなしてもらいたい。
なお、Amazon.co.jpの販売ページでは、発売日の5月29日から5月31日23時59分まで15%オフ(13万8000円→11万7300円)のセールを実施する。さらにトラベル Watch読者限定で、追加で8%オフ(10万6260円)になるクーポンコード「 UG1200TWA 」も用意したので、この機会に購入を検討していただきたい(クーポンコード期限:6月4日)。