週末駅弁

「手押し焼き鯖寿し」

焼き鯖の脂と福井産のコシヒカリが見事に調和

「手押し焼き鯖寿し」
弁当名「手押し焼き鯖寿し」
価格1100円
販売駅JR西日本 福井駅など
購入場所東京駅 駅弁屋 「祭」
購入日2015年10月2日

 秋は旬のサンマなど、焼き魚が食べたくなる季節です。美味い魚の脂を味わいたいと東京駅 駅弁屋 「祭」で駅弁を探していたところ、目についたのが越前田村屋の「手押し焼き鯖寿し」です。焼き鯖寿しといえば福井の代表的な名産で、もちろん駅弁としても人気があります。さらに箱には「第4回福井県優良観光土産品最優秀 福井県知事賞 受賞」の文字も。脂の乗った焼き鯖の美味さは素晴らしいものがあります。そんな訳で「これは期待できそうだ」ということで買ってみました。

 開けてみると、焼いた鯖の切り身1枚がまるごとシャリの上に乗っているシンプルですが贅沢な内容でした。鯖とシャリの間には、煮椎茸と生姜が挟んであります。一見すると繋がっているようにも見えますが、ちゃんと食べやすいように5つに切られています。醤油はつけなくても十分に美味いため、最初はつけずに食べてみて、好みに合わせて醤油を使うのをお勧めいたします。

鯖の切り身を丸ごと使った押し寿司です

 実際に食べてみると、予想以上の脂の乗りで驚きました。ひと口食べて「これはアタリだ!」と思えたほどです。私の「美味い魚の脂を味わいたい」という欲求は見事に満たされました。もちろん、脂は垂れたりベタつくほどでありません。ちょうどいい量の脂のうま味と白身やシャリの柔らかで深い味がマッチしています。1つの食材の味だけが主張するのではなく、全体に調和が取れて食材同士が美味さを引き立て合っています。鯖といえば生臭くなりがちですが、煮椎茸と生姜が美味くそれを打ち消して、さらに鯖の美味さを引き出しています。さらに、鯖の身は柔らかく、もちろん骨もないため安心して食べられます。ただ、手押しで鯖もシャリも柔らかいため、寿司としては崩れやすく、車内で食べるときなどは注意が必要です。量としては、大人の男性でもこれ1本で十分満足できるボリュームです。日本酒や白ワインのおつまみとしても最高ではないかと思います。

脂の乗った焼き鯖と福井産のコシヒカリ、臭みを抑えるアクセントとして煮椎茸と生姜が挟んであります
(編集部:柴田 進)