週末駅弁

新宿駅「三元豚とんかつ弁当」

「三元豚とんかつ弁当」

 都心の多くのターミナルで販売されている「三元豚とんかつ弁当」は、いい意味で「ごく普通」のとんかつ弁当でした。名前にもある三元豚(さんげんとん)とは特徴の違う3種の豚を掛け合わせ、個々の品種のいいとこどりをした豚の総称で、もともとは良質な豚肉を市場に安定供給するために生まれたものだそうです。つまり特別なブランド銘柄ではなく、良質な普通の豚肉です。弁当自体の見た目もかなり普通な感じ。

シンプル過ぎる、THEとんかつ弁当という内容

 一口食べてみるとその切り口は芯が薄っすらとピンク色に残る揚げ具合で豚肉の味もよく、歯応えのあるしっかりとした食感だけど決して硬くはありません。端の方にちょっぴり脂身もあって、甘みも十分です。そして粗挽き生パン粉を使ったという衣はサクサク。個性はないけどすべてがちゃんとしている感じ。ちなみに添付されたトンカツソースはあまり甘くないタイプ。

粗挽き生パン粉を使ったサクサクの衣
写真では分かりにくいのですが芯はうっすらピンク色
トンカツソース、ねりからし、レモン果汁が添付されています

 ご飯も普通です。最近は個性的な白飯の味を前面に出したお弁当もありますが、こちらは駅弁らしく冷めても美味しいごく普通の白飯。梅干しとゴマが乗っているのも昔ながらの「THE弁当」という感じ。粒マスタードの入ったポテトサラダの味だけはちょっぴり個性的ではあります。

サラッと盛られたご飯はそれほど多くはなく、梅干しとゴマが乗っています
粒マスタード入りポテトサラダ
大根漬け

 個性的な食材や味付けを主張するわけでもないけど、とても丁寧に作った日常という感じがこのお弁当の魅力だと感じます。旅の非日常感をムリに演出しない日常の食事。日本全国に地域性や旅情を感じさせてくれるお弁当は数々ありますが、この日常感は列車の本数が極端に多くビジネス需要も多い首都圏らしいお弁当と言えるかもしれません。

「三元豚とんかつ弁当」

価格: 1100円
販売駅: 新宿駅
購入場所: 新宿駅南口コンコース 駅弁屋「頂」
購入日: 2023年4月30日