週末駅弁

大船駅「鯵の押寿司 桜」

「鯵の押寿司 桜」

「鯵の押寿司 桜」は鎌倉に本社・工場を構え、明治31年(1898年)の創業時から最寄りの大船駅構内でお弁当を販売していた大船軒のお弁当です。

 サンドイッチの販売からスタートし、15年後の大正2年には現在主力商品となっている鯵の押し寿司が登場します。ちなみに大正時代から続いている身の締まった子鯵だけを使ったこだわりの押し寿司は、100年以上たった今でも「伝承鯵の押し寿司」として販売しています。

「鯵の押寿司 桜」は大船軒伝統の味、伝承小鯵の押し寿司を含む4種の押し寿司の詰め合わせです

 今回ご紹介するお弁当は大船軒の伝統の製法そのままに4種の押し寿司を詰め合わせたものです。ネタは海老、カニ、サーモン、そして鯵で、それぞれが2貫ずつ入っています。ちなみに押し寿司といっても、酢飯は握り寿司ほどパラパラしていないけど一般的な押し寿司ほどギュッと詰まった感じではない中間的な食感で、とても食べやすく、かつボリュームも十分でした。

4種の押し寿司は全体的な統一感は取れつつも、それぞれの味の特徴はしっかりと生きています

 海老は一般的な握り寿司でもよくある蒸して酢で締めたもの。カニは酢漬けですが風味も味もカニらしさが生きていて満足感があります。サーモンは食べた瞬間に、ん? ほんのりと感じるこの味はなんだろう……と、ちょっと意表を突かれたのでパッケージに記載されている原材料名を確認すると、味噌漬けでした。

 そして大正時代から続く身の締まった小鯵を伝統の合わせ酢で締めたものが入っています。小鯵といっても身はとても肉厚で食べ応えがあります。しかもさっぱりとした味と食感。100年の歴史は伊達じゃないと感じます。

海老の押し寿司
カニの押し寿司
サーモンの押し寿司
伝承小鯵の押し寿司

 ちなみに大船軒の鯵の押し寿司は、脂の乗った中鯵を使ったものと、小鯵を伝統の合わせ酢で締めたものの2種類を販売していますが、今回いただいた「鯵の押寿司 桜」には後者が入っています。箸休めのガリ(生姜昆布酢漬け)の生姜らしい刺激は強めでした。

 なお、掛け紙は2022年1月から始まった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にちなんだ限定バージョンで、裏面は登場人物にまつわるすごろくになっていたり、RQコードにアクセスすると大船軒の歴史を知ることができたりします。

掛け紙の裏には大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にちなんだすごろくが描かれています

 掛け紙を外すと現われるパッケージには鎌倉に関するかわいいイラストも描かれていて、どれもなかなか楽しいものでした。

パッケージに描かれた鎌倉の名所や名物のイラスト

「鯵の押寿司 桜」

価格: 1350円
販売駅: 大船駅
購入場所: JR大船駅 改札内 大船軒南口売店
購入日: 2022年2月21日