週末駅弁

浜松駅「浜松餃子弁当」

浜松餃子弁当

 浜松の名物といえば、うなぎをまっ先に思い浮かべる人も多いかもしれませんが、近年は餃子を推す人が多いはずです。最新の家計調査では、世帯あたりの餃子購入額1位の座を宮崎市に奪われましたが、ここ数年は同じく餃子で有名な宇都宮市と熾烈なトップ争いを繰り広げたこともあって、浜松=餃子の街、というイメージも浸透してきたように思います。

 そして、浜松駅では餃子を扱った駅弁が販売されています。それが「浜松餃子弁当」です。

中身は、浜松餃子が10個とご飯だけという、思い切った構成。餃子への絶対的な自信が伝わってくる

 餃子弁当ということで、当然主役となっているのは餃子です。掛け紙には美味しそうな餃子の写真が印刷されていますし、「10個入」と書かれていますので、餃子がメインの駅弁だということは容易に想像がつきます。とはいえ、中身のビジュアルにはかなり驚かされました。

 フタを開けると、いい感じで焼き色の付いた餃子が10個、どどーんと目に飛び込んできます。それ以外は、横にご飯が敷き詰められているだけです。一応、ご飯の上にはしらすの佃煮や梅干し、静岡名物のわさび漬けといった箸休めが添えられてはいますが、餃子以外におかずが一切ないという、非常に思い切った構成となっているのです。

いい感じに焼き色の付いた浜松餃子が10個並び、ほかのおかずは一切盛り付けられていない。このビジュアルのインパクトにはかなり驚かされる

 一般的に駅弁では、地域の名物を詰め込むことが普通です。ですから、この浜松餃子弁当でも餃子以外の浜松の名物が盛り付けられているのだろうと思っていたので、ここまで思い切った構成になっていることにかなり驚かされました。とはいえ、これだけインパクトのある内容からは、浜松餃子に対する絶対的な自信がひしひしと伝わってきますし、逆に清々しさも感じます。

ご飯にはしらすの佃煮や梅干し、わさび漬けも添えられているが、主役はなんといっても餃子だ

 ただ、餃子という食材は駅弁にはあまり向いているものではありません。餃子は焼きたてはダントツに美味しいですが、冷めてしまうと皮のパリパリ感が失われてふにゃっとした食感となり、油っこさも前面に出るなど美味しさが大きく損なわれてしまいます。しかし浜松餃子弁当の餃子は、冷めても美味しく食べられるように工夫しているとのこと。

 実際に盛り付けられた餃子を箸で持ち上げてみても、形はしっかりしていますし、ふにゃっとした感触はまったくありません。そして食べてみると、皮はパリッとしていますし、油っこさもまったく感じられません。熱々ではないにしても、これはこれでかなり美味しく食べられるという印象です。

詰められている餃子は、独自の特許製法で焼き上げられているそうで、冷めてもパリッとした食感が損なわれていないという
見た目は揚げ餃子に近いが、確かに冷めていてもふにゃっとしておらず、油っこさも感じられない

 味わいとしては、一般的な浜松餃子に比べるとやや香ばしさが強い印象ですが、野菜が多めであっさりとした味わいの餡は、まさしく浜松餃子そのものです。見た目は焼き餃子というよりも揚げ餃子に近いですが、油っこさもほとんど感じられませんので、揚げているわけでもなさそうです。独自の特許製法で焼き上げているそうで、これによって餃子をメインとした駅弁が実現できているのでしょう。

 このように、パリッとした食感で脂っこくなく、あっさりとした味わいのために、いくつでも食べられると感じます。個人的には15個入っていてもまったく問題ないと感じるほどで、このあたりも浜松餃子の特徴がうまく活かされている部分でしょう。

 また、気になる匂いもきつくありません。餃子はニンニクやニラなど匂いの強い食材が使われていて、かなり強い匂いが漂うのが普通ですが、浜松餃子弁当の餃子は匂いもかなり抑えられていて、新幹線で食べるのもほぼ問題ないと感じます。

やや香ばしさが強い印象だが、あっさりとした味わいはまさに浜松餃子そのもの。皮はパリッとしていて餃子らしい食感もしっかり楽しめる
野菜多めの餡もあっさりとした味わいの要因で、10個でもペロッと食べられる。きつい匂いもないため、新幹線の車内でも安心だ

 今回は試しませんでしたが、すぐに食べないのであれば家に持ち帰って電子レンジで温めて食べるのもよいでしょう。それでも、冷めた状態でも十分美味しくいただけます。浜松駅に行くことがあればぜひ試してみてほしいと思います。

「浜松餃子弁当」

価格: 864円
販売駅: JR浜松駅
購入場所: JR浜松駅 ベルマートキヨスク浜松幹線待合
購入日: 2022年2月21日