旅レポ
ジェットスターの上海初便でLCC初体験・歴史的名所を愛でる旅(その3)
上海・豫園の古典庭園と豫園商場を堪能する
2017年10月12日 06:00
ジェットスター・ジャパンは、6月2日、同社初の中国本土路線となる成田~上海線を就航した。その初便に搭乗し、上海旅行をした。2日目は豫園(ヨエン)を中心に観光してきたので、その模様をレポートしよう。
豫園で太湖石を愛でる
豫園もまた上海有数の観光名所だ。豫園は明代および清代の歴史を残す古典庭園で、2万m2の敷地に、自然石と水を巧妙に配置した庭園が美しく展開されている。清代からの建築物、穴があいた奇妙な形をした奇石「太湖石」、壁飾りが龍の形をした「龍壁」などが見どころだ。
この豫園は、四川省の役人だった潘允瑞が18年もの歳月をかけて建造した庭園で、完成したのは1577年ということだ。潘家の没落後は荒廃するが、1700年代半ばに隣接する道教の寺院「上海城隍廟」の「西園」として再建されている。当時は現在の2倍の広さがあったが、1956年に改修、整備が行なわれ、現在の姿になったということである。
今回、訪れたのは日曜日の午後。周辺の商業街(豫園商場)ほどではないが、庭園は外国人含めて観光客がとても多く、建物の中の座れる場所にはほとんど人が座っていて、休憩所のようになっていたが、太湖石や緑を眺めながらひと休みするのもわるくない。
豫園商場の昼と夜
豫園の周辺は、宮殿風の高層建築が並び立つ商業街「豫園商場」がある。この豫園商場もかつては豫園の一部だったということで、豫園入り口の「九曲橋」周辺の池に浮かぶ「湖心亭」などにその名残を感じることができる。豫園商場を含めたこの辺り一帯を「豫園」とされることもあるが、本来「豫園」というのは前述の庭園のことを指すようだ。この一帯は夜にはライトアップされて、独特の雰囲気の景観が楽しめる。
地域の信仰を集める上海城隍廟
豫園商場を散策していたら偶然見かけた「上海城隍廟」にも入ってみた。城隍廟というのは、土地の守護神「城隍神」を祭った道教の寺院だが、上海城隍廟は、前漢時代の偉人「霍光」を祭っていた「金山神廟」を増築してできた経緯があり、上海の城隍神である「秦裕伯」とともに「霍光」が祭られている。そのほか、十干十二支の神々「太歳」、三国志で有名な関羽を神格化した「関帝」など、さまざまな神が祭られている。もともと豫園商場はこの城隍廟の門前市として発展し繁華街となった経緯があり、豫園もまた清代に再建された際にはこの城隍廟の「西園」という位置付けであったという。今回訪れたのは午前中だったが、老若男女問わず、熱心に祈りを捧げる人が目立った。
上海駅の荷物預所「行李寄存」
到着日も出発日もフルに観光に使いたい場合、荷物をどうするかは大きな懸念材料だろう。中国国鉄の上海駅には、荷物を預かってくれる場所「行李寄存」があると聞いたので、利用してみた。地下鉄1号線の上海火車駅からの案内板がかなりいい加減で、場所を見付けるのに少々とまどったが、想像以上にしっかりした場所だった。領収書を見ると中国国鉄が運営しているようだ。なお、今回は13時から22時(時間は短くても関係ないようだ)まで63Lのスーツケースを預けて30元(約550円、1元=約18.3円換算)だった。