旅レポ

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その2)

アントワープの名所めぐり、前編

ビールとワッフルとチョコレートの国ベルギー編(前編)をお届けします!

 オランダ政府観光局とベルギー・フランダース政府観光局、KLMオランダ航空主催の「オランダ&ベルギー・フランダース アートとグルメを探検プレスツアー」の旅レポ、今回はビールとワッフルとチョコレートの国ベルギー編。首都ブリュッセルに続くベルギー第2の都市アントワープの魅力を前編と後編でお伝えします。

駅近で立地最高の便利なホテル「ラディソンブル アストリッド ホテル アントワープ」

 ブリュッセル空港から約40km、車で50分ほどで到着したアントワープ。今回ベルギーはこのアントワープだけに絞ってたっぷり街歩きを楽しみました。まずは泊まったホテルからご紹介しましょう。

ここに3泊しました

「ラディソンブル アストリッド ホテル アントワープ」は、アントワープ中央駅の目の前という好立地に建つ4つ星ホテル。建物自体はそれほど新しくありませんが、お部屋はゆったり広くて快適。バスタブもありました。館内には屋内プールやサウナ、フィットネスセンターなども備えています。東側に窓があるお部屋に泊まったので美しい朝焼けに染まるアントワープの町並みを見られたのがよかったです。

落ち着いたインテリアで居心地よいお部屋
明るい雰囲気の朝食会場。モーニングはビュッフェスタイル

 朝食会場のレストランからは、窓越しにアントワープ中央駅がどど~んと見えるのですが、これが(私としては)最高でした。毎朝パンを頬張りコーヒーを飲みながら、チラチラと何度も駅を眺めていたものです。なぜ駅が見えるだけでそんなにうれしいのかって? それは、駅舎がとんでもなく素晴らしいからなのであります!

ラディソンブル アストリッド ホテル アントワープ

所在地:Koningin Astridplein 7, 2018 Antwerpen, Belgium
Webサイト:ラディソンブル アストリッド ホテル アントワープ

“世界で最も美しい駅”と称されるアントワープ中央駅は本当に美しかった!

アントワープ中央駅

 アメリカの旅行雑誌のWeb版が発表した「世界で最も美しい駅」ランキングでトップを飾ったことがあるアントワープ中央駅。その大きな外観を最初に見たときは「え? これが駅?! 大聖堂とか教会じゃなくて?」と思ったほど。そして中に入ってさらにびっくり! ホールはダイナミックに吹き抜けになっていて、その重厚な雰囲気は宮殿のよう。息をのむ美しさとはまさにこういうことですのね~。

 これはもう世界遺産レベルなのではないですの~!? と興奮してシャッターを切ったのですが、スケールが大きすぎて収まらな~い! ということで、360度画像でどうぞ。マウスや手でグリグリと回して、この荘厳な駅舎を感じてみてください。

Post from RICOH THETA. -Spherical Image - RICOH THETA

 階段を上がって進むとプラットホームへと続きます。巨大な空間は4層構造になっていて、地下ホームに入線してくる列車の姿が見えました。古いのか新しいのか分からない、とにかくすごい駅なのです。

Post from RICOH THETA. -Spherical Image - RICOH THETA

憧れのヨーロッパ鉄道旅いつの日か!
ホームは4層構造

 そんなアントワープ中央駅の目の前に8月27日までの期間限定で観覧車がお目見えしていたので(1人で)乗ってみました。料金6ユーロ(約780円、1ユーロ=130円換算)。ちなみにこのとき夜の10時! 夏至のころは10時30分を過ぎないと真っ暗にならないのです。

駅前観覧車
回転が速い! 3~4周する!
駅や泊まったホテルを俯瞰すると気分は最高! の図

すばらしい駅の隣にはすばらしい動物園があった!

 駅舎に魅了されたアントワープ中央駅のすぐお隣に、私のココロをさらにくすぐる場所がありました。それが“ヨーロッパで最も古い動物園の一つ”アントワープ動物園です。実は私、動物好きもさることながら、知らない土地の動物園が気になる性分。泊まっているホテルの目と鼻の先で、しかも歴史ある動物園、これはもう行くしかありません!

動物園入り口付近にあるショップ。後ろの建物がアントワープ中央駅

 しかしココ、上野動物園の比じゃないくらい本当に駅に近い! “世界で最も鉄道駅に近い動物園”というランキングがあったら間違いなくトップにランキングされるであろう駅前動物園なのです。

まずはフラミンゴがお出迎え
マップをもらっていざっ!

 アントワープ動物園ができたのは1843年ということなので今から174年前。日本で一番古い上野動物園の開園が1882年(明治15年)なので、さらに遡ること約40年! 日本はまだ徳川幕府の時代です。ひゃー!

こ、ここは動物園ですよね???
コアラがいた! やっぱり動物園です
工夫を凝らした建物がイイ感じ

 写真を見ていただければ分かるとおり、“子供向け”のイメージが拭えない日本の動物園とは一味も二味も違うという印象でした。取り囲む建物やガーデンの佇まいはさすがヨーロッパという感じ。だからなのでしょうか、入園料が日本と比べるとかなり高くてびっくり。なんと大人24ユーロ(約3000円)!

 しかしながら、年配のご夫婦が手をつないで遊びに来ていたり、園内のベンチで優雅に読書するご婦人がいたりするのは日本の動物園ではあまり目にしない光景で新鮮でした。一方で、一眼レフカメラに望遠レンズを付けたアマチュアカメラマンがいるのは世界共通なんだなぁと実感しました。

特にこのオカピの放飼場のセンスに脱帽。ステキ過ぎる!
来ているお客さんも絵になる
こちらはサバンナレストラン
とても動物園のなかにあるレストランとは思えないほどオシャレ
9歳と10歳の仲よしアジアゾウ
規模は大きくありませんがペンギンやアザラシがいる水族館も
地味めな魚がこちらに
“熱帯の海”的な展示
赤ちゃんがお母さんの袋の中に
世界共通の光景
カフェ・フラミンゴ
アントワープ動物園

所在地:Koningin Astridplein 20-26, 2018 Antwerpen, Belgium
Webサイト:アントワープ動物園

ベルギーの美味しかった~! を一挙公開

 ベルギーといえばワッフル。アントワープのショッピングエリアにある人気店「Desiree De Lille」で本場を味わってみました。

ベルギーワッフルの名店
広い店内。奥にはテラス席も

 出てきた本場ベルギーのワッフルは、四角い生地の上にホイップクリームやアイスクリーム、フルーツなどをトッピングするスタイルで、軽くてサクサクの食感。想像していたのとまったく違う~! と拍子抜けしていたら、どうやらこれは“ブリュッセルワッフル”と呼ばれているもの。一方私たち日本人がイメージする丸くて甘いワッフルは“リエージュワッフル”というのだそう。

インスタっぽく
こちらはLacquemant(ラクモン)と呼ばれるまたまた別のワッフル。シロップたっぷりですがぺろりと食べられます

 お次はチョコレート。ベルギーといったらチョコレート♪ なわけで、街を歩いていると、ついつい足を止めて店内を覗いてしまうお洒落なお店がたくさんありました。

名店「チョコレート・ライン」。美術館みたい
日本未進出のMaryは王室御用達チョコレート

 次にご紹介するベルギーグルメは「フリッツ(Frites)」です。フリッツとは揚げたじゃがいも、そう! フライドポテトのことなのです。実はこのフライドポテト、ベルギーが発祥の地だってご存知でしたか? 街角には気軽に“立ち食い”ができるお店がいくつもありました。もちろんレストランやカフェでも必ずといっていいほどメニューにあります。

アントワープに出来たばかりのフリッツ専門店「Frites Atelier」

 フリッツのトッピングは、ケチャップよりはマヨネーズな感じで、日本に浸透している“フレンチフライ”とはちょっと違う印象。2度揚げしているので外はカリっとしていて、食べるとホックホク! 揚げたてが最高に美味しいのです。もちろんビールとの相性も抜群。

ベルギーの国民食、フリッツ
左のはなんとビーフシチューが乗っている! なんかもう別の食べ物のような気が
Frites Atelier(フリッツ・アトリエ)

所在地:Korte Gasthuisstraat 32, 2000 Antwerp, Belgium
Webサイト:Frites Atelier

 さてお次は、アントワープでランチを食べたレストラン「Graanmarkt 13」がとっても素敵だったのでご紹介しましょう。

 このレストランはフランダースエリアの「ベスト ベジタブルレストラン2015」に選ばれたというお店。野菜やハーブへのこだわりがハンパないシェフSeppeさんが作るお料理はまるで絵画のように美しくて、手を付けちゃうのがもったいないほど(キレイに食べましたが)。中庭のテラス席というロケーションで、白ワインとともに美味しくいただきました。

屋上に箱庭のようなハーブガーデンを持つレストラン。シェフ曰く「その日の朝に採れたオーガニック野菜を農場から大量に仕入れるんだけれど、夜にはすべてなくなるんだ」
レストランは地下にある
パンはリネンの巾着に入って出てくるという演出
上のガーデンで採れたハーブや野菜がたっぷり
どれもこれも“インスタ映え”するお料理
食後のコーヒー&スイーツ
2階は超オサレなセレクトショップ

 実はこのレストラン、3階と4階は長期滞在も可能なアパートメントになっています。白で統一された内装はベルギーの著名な建築家Vincent Van Duysenさんによるものだそうで、クラクラするくらい素敵! ベッドルーム4室にバスルーム2室、最大6名まで泊まれて朝食込みの1泊の料金は1300ユーロ(約16万9000円)とのことですが、皆さまいかがでしょう。1週間とはいわなくても、せめて2~3泊滞在して“アントワープに暮らす”体験をするなんてのもいいですね。ホテルとは違った滞在になること間違いなしです。

Graanmarkt 13

所在地:Graanmakt 13, 2000 Antwerp, Belgium
Webサイト:Graanmarkt 13

 ここで、あちこちで飲んだベルギー・ビールのショットをお届け。実に100種類以上の地ビールがあるというベルギーでは、銘柄ごとにビールグラスが決まっているといいます。一番美味しく飲める専用グラスがしっかり考えられているんですね、さすがビール王国!

ぐび
ぐびぐび
ぐびぐびぐび……
やっぱりビールが一番

 最後は、ノートルダム大聖堂近くにあるレストラン&バー「Elfde Gebod」をご紹介。ここは写真を撮らせてもらっただけで食べてはいないのですが、店内が宗教関連の置物や装飾品ですごいことになっていました。こんなおどろおどろしい雰囲気のなかで食べるフィッシュアンドチップスは一体どんなお味? まぁビールが出てくればまったく気にならないで楽しめますよね、アーメン。

なんだか怪しい雰囲気じゃありませんか
すごいコンセプトバー

 次回アントワープ後編は「フランダースの犬」のネロが観たかった“あの絵”が登場します。お楽しみに~♪

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。