【イベントレポート】

【APEX2016】機内インターネットシステムを提供するGogoは2Kuアンテナの実物を展示

2016年10月24日~27日(現地時間)開催

 シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ・エキスポ&コンベンションセンターで開催されている「APEX EXPO 2016」。国内でもJAL(日本航空)の国内線機材に搭載されていることでおなじみの機内インターネットシステムプロバイダである米Gogoのブースでは、導入が始まった次世代システム「2Ku」の実物アンテナを展示した。

 2Kuは、文字どおりKuバンドを利用した衛星通信を介して機内インターネットを利用可能にするシステムで、送信、受信それぞれに1枚ずつアンテナを用意するのが特徴。そのアンテナはフラットパネルタイプとなっており、従来の稼働式アンテナに比べて設置スペースややや広がったが、代わりに約50%薄くなっており、空気抵抗が軽減できることが重要であるという説明もあった。

 2Kuは現在のシステムでは最大50Mbpsでの転送が可能。2016年末にも導入が始まる次世代モデムを使用することで70Mbps、HTS(High Throughput Satellite)の稼働が始まることで100Mbps、さらにXTS(Extreme HTS)になると300Mbpsでの転送が可能になる見込み。

2Kuでは、送信、受信それぞれに用いるフラットパネル型のアンテナを搭載する
2Kuでは航空機のシステム最適化のみで70Mbpsへ。HTSやXTSの利用が始まれば最大300Mbpsまで速度を向上させられる見込み

 さらにブースの展示に使われたアンテナのベースとなるパーツを、ARNIC(Aeronautical Radio)策定している「791」規格互換としたことも紹介。これにより、航空機へ搭載する際に6点を固定するだけで完了する。複合材料を用いたエアバス A350型機やボーイング 787型機への適合証明もまもなく完了する見込みとのことで、デルタ航空が2017年に導入するエアバス A350型機に採用が決まっているそうだ。

 このほか、2Kuはすでにアエロメヒコ航空で導入され、続いて、ヴァージン・アトランティック航空が導入。JTA(日本トランスオーシャン航空)でも、2017年納入機からの導入が決まっている。

Gogoブースで展示された2Kuシステム一式
6点を固定するだけで航空機へ搭載できるという791規格対応のベースを採用
ネットワークユニット
RFユニット
モデム
管理コンソールや分析ソリューションも販売する