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イタリアの食と文化が詰まった大型客船「コスタ・ビクトリア」4月26日船内を見学
7月~9月に日本発着ツアーが5泊6日5万9800円から
(2016/4/30 00:00)
- 2016年4月26日 見学会実施
イタリアに本社を置くコスタクルーズの日本支社は4月26日、横浜港にて同社の大型客船「コスタ・ビクトリア」のメディア向け船内見学会を実施した。同船は4月26日11時に横浜港大さん橋国際客船ターミナルに入港。同16時にH.I.S.のグループ会社クルーズプラネットによる横浜発着のチャータークルーズに出発した。
コスタ・ビクトリアは、ヨーロッパ最大手のクルーズ会社「コスタ クルーズ」の運航する7万トンクラスの大型客船。1996年に就航し、2013年10月に大幅な改装が行なわれた。乗客定員数は2394名。「海の上のイタリア」とも呼ばれるカジュアルな客船で、イタリア出身のデザイナーが手がけた内装やイタリア料理が楽しめる。大人2名と同室の場合、13歳未満のクルーズ料金が無料なのも特徴で、ファミリー層の利用も多い。
コスタ・ビクトリア
就航:1996年(2013年改装)
船籍:イタリア
総トン数:7万5000トン
全長:253m
全幅:32m
乗客定員:2394名
客室数:964室(バルコニー付きキャビン246室、スイートルーム20室、バリアフリールーム6室を含む)
乗客デッキ:11デッキ(全14デッキ)
巡航速度:22ノット(約40.7km/h)
最大速度:24ノット(約44.4km/h)
建造:ブレーマー・ヴルカン~ロイド・ヴェルフト(ドイツ)
2016年7月~9月、日本海をめぐるクルーズを初めて自主運航で実施
コスタ・ビクトリアによるクルーズは、日本ではこれまでクルーズプラネットやJTBクルーズなどによるチャータークルーズでの運航が行なわれてきた。2016年7~9月にかけて初めて、コスタクルーズによる日本発着クルーズを就航する。「古都と城下町を巡る 麗しの日本海と釜山(韓国) 5泊6日クルーズ」と題されたこのクルーズは金沢、境港(松江)、釜山(韓国)、福岡、舞鶴(京都)を周遊するもので、境港以外のすべての寄港地から乗船できる。料金は出発日、乗船港、キャビンタイプにより異なるが、金沢出発で5万9800円から(2名1室利用、キャビンは「内側クラシック」)。また、1キャビンにつき大人2名分の通常料金を支払う場合、同室利用の13歳未満のクルーズ料金が無料になる(港湾税、サービス料は別途必要)。
日本海側は夏でも台風の影響が少なく、日本の寄港地が多いことで終日航海日をなくし、クルーズ旅行が初めての人でも利用しやすいよう配慮したとのこと。各寄港地でのオプショナルツアーも用意されている。
すでに2015年から販売されている同ツアーの予約状況は好調で、特に想定していたよりも金沢出発の人気が高いとのこと。販売店により新幹線や飛行機と組み合わせたパッケージも展開されており、首都圏からは北陸新幹線を利用した金沢出発、京阪神からは舞鶴出発への申し込みが多いという。すでに日程や客室によっては売り切れのコースもあるそうだが、販売店や乗船港によってはまだ申し込みが可能で、今後まだ客室の調整が行なわれる。
プールやショーなど充実したクルーズ施設
乗客が利用できるのは全部で11デッキ。各デッキにイタリアのオペラから取られた名称が付いている。フロントは「デッキ5 ポエム」に設置。館内で行なわれるアクティビティはこのフロントや、館内何カ所かに設置された10カ国語対応の「マルチメディアトーテム」や、専用のスマートフォン向けアプリ「MyCosta Mobile」からも申し込みが行なえる。
こうしたアクティビティの申し込みや船内の支払いは、各部屋に用意された「コスタカード」を利用する。乗船後にコスタカードに船内各所にある端末でクレジットカードを登録しておき、下船時に精算。ツアー中は館内で現金を持ち歩く必要がない。
屋外・室内に合計2つの大型プールがある。「デッキ11 リゴレット」にある屋外プールには、温水のジェットバスも4つ設置。プールサイドにはベンチがずらりと並ぶ。日陰部分にもテーブルとイスが並んでいるため、日焼けを避けながらくつろぐことも可能だ。プール横にはハンバーガーなどの軽食が無料で食べられるグリルや、有料でアルコールが飲めるバーも設置されている。
室内プールは「デッキ6 トラビアータ」の「ポンペイスパ」に設置。ランニングマシンなどが設置された室内ジムを併設するほか、エステルームでは個室で有料のトリートメントを受けたり、サウナを利用したりすることもできる。そのほか、ヘアカットやメイクができる「ビューティーサロン」も同フロアにある。
館内には2つの吹き抜けの大型ホールがある。ミュージカルやマイケル・ジャクソンのものまねショーなどが行なわれるのが「デッキ7 カルメン」船尾の「フェスティバル劇場」。もう1つがクラッシックな雰囲気の中、ジャズなどの演奏が行なわれるのが4層吹き抜けで船首にある「コンコルドプラザ」だ。
「デッキ6 トラビアータ」にある「オルフェスグランドバー」も収容人数が多く、ステージでジャズの演奏などのイベントが実施される。普段は食事前後の時間調整やカフェとしても利用可能。この横には夜間オープンする「ロックスターディスコ」もある。
子供向けのアクティビティが行なわれる「スクウォッククラブ」では、スタッフが子供の預かりも行なう(保育士などの資格者ではない)。カメラマンが有料で撮影を行なう「フォトエリア」もこの近くに設置されている。1つ上のフロアには「礼拝堂」もあり、日本向けツアーでも結婚式を行なえるよう検討中とのこと。
客室内でもWi-Fiを有料で利用できるが、「デッキ12 バタフライ」にはPCも用意されている。PCの利用は無料だが、インターネット接続には1分0.5ドル、1時間10ドル、3時間24ドルがかかる。料金は室内のWi-Fi利用も同様。ただし館内のアクティビティ予約などに使えるアプリ、MyCosta Mobileの利用にはWi-Fi料金はかからず、館内にいるユーザー同士でアプリを使った通話も行なえる。
また、船内は海外のため、「デッキ7 カルメン」には免税店やカジノも完備。「モンテカルロカジノ」では各種のカードゲームのほか、スロット、ゲームコーナーなどもある。
4種類の客室、スイートやミニスイートが人気
コスタ・ビクトリアの客室は「スイート(海側/窓付)」「ミニスイート(海側/バルコニー付)」「バルコニーキャビン(海側/バルコニー付)」「海側キャビン」「内側キャビン」がある。これにクラシックとプレミアムの違いがある。プレミアムは比較的上層階、または船内中央の位置にあるため船の揺れが少なく、メインダイニングでの夕食開始時間(1回目は17時30分から、2回目は20時から)が選べるため子供連れに人気。クラシックは比較的低層階、または船首・船尾の部屋になる。全体の7割はツインルームで、3割が3~4名対応の部屋で構成されている。
値段の安さから、初めて客船に乗る人は「内側 クラシック」を選ぶことが多いそうだが、1度乗ると窓のある部屋の開放感を求めてスイートやミニスイートを選ぶことが多いそうで、スイートやミニスイートから予約が埋まるとのことだ。今回見学できた各キャビンの詳細は以下のとおり。
海側キャビン
窓がある海側のクラシックのキャビン。広さは約11m2。基本はツインだが、2段ベッドのある部屋は4人まで泊まれる。普段2段ベッド上部は普段は畳んでおける。内側キャビンも大きさや仕様は同じで、窓がない。
ミニスイート
主に上層部の「デッキ11 リゴレット」や「デッキ12 バタフライ」にあり、バルコニーのあるタイプは部屋の広さが約41m2。4人対応の部屋の場合はメインの寝室に加えてエキストラベッドが別に付く。ベッドとは別にソファの置かれたリビングのスペースがあり、かなり広く感じる。
イタリア料理が中心のメインダイニング、無料ビュッフェの利用もできる
メインダイニングは「デッキ5 ポエム」にあり、中央の「ファンタジアレストラン」、船尾に「シンフォニアレストラン」の2つがある。朝と昼は自由席、夜は時間(1回目は17時30分から、2回目は20時から)と席が固定される。イタリア料理がメインだが、アジア料理なども提供され、日本発着ツアーでは朝食に日本食も用意されるとのことだ。
船内の食事は基本的にほとんどが無料だが、有料のイタリアレストラン「イル・マニフィコ クラブレストラン」も用意されている。33.5ドルのカバーチャージで利用可能。当初日本ツアーではしゃぶしゃぶを実施予定だったが、夏休みシーズンということもあり、鍋ではなく人気の高いイタリアンに変更予定だそうだ。
2つのメインダイニングのほか、「デッキ12 リゴレット」の「ピッツェリア ベッラナポリ&ヌードルバー」でのピザやヌードルは無料。「デッキ11 リゴレット」にも広々したビュッフェ式の「ボレロビュッフェレストラン」がある。屋外の「テラッツァカフェ」とつながっており、席がないときは船尾の開放感があるスペースに持ち出して外でも食べられる。ここでのランチ、夕食ともに無料だ。
メインダイニング以外にもこうした無料のビュッフェや軽食をとれるカフェが各所にあり、ルームサービスも利用できるので食事に関しては非常に充実している。