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大井川鐵道、トーマスに続く「きかんしゃジェームス」を公開

トーマスとジェームスの重連運転が実現

2015年7月9日開催

大井川鐵道に「きかんしゃトーマス」シリーズのキャラクター「ジェームス」が登場。報道陣に公開された

 大井川鐵道は、「きかんしゃトーマス」シリーズのキャラクター「トーマス」に続き「ジェームス」の運行も7月11日より開始する。これに先立ち、7月9日にジェームスのお披露目が行なわれたのでリポートする。なお「きかんしゃトーマス号」に関しては6月5日にお伝えした記事をご参照頂きたい。

 ジェームスもトーマスと同様に、子供の夢を壊さないために、設定としては「きかんしゃトーマスの舞台であるソドー島からジェームスが日本にやってきた」ということになっているため、ここの部分はご察し頂きたい。もちろん「線路の幅が・・・・・・」という点も触れないで頂きたいところだ。ちなみに、ジェームスは蒸気機関車としては、先輪が1つの動輪が3つある「モーガル」というタイプだが、大井川鐵道のSL「C56 44」も同じ「モーガル」である。

 お披露目の運行は、新金谷駅~千頭駅間で行なわれ、7輌編成の客車をジェームスとトーマスが重連でけん引するという特別な運用になった。なお、列車を主にけん引する「本務機」がジェームス、本務機の前に連結して補助する「前補機」がトーマスという役割だ。なお、トーマスとジェームスは日によって交代で運行となり、トーマスがおもに金曜日~月曜日、ジェームスが7月後半と8月の火曜日と水曜日だ。2台の機関車が同時に運行されるのは2015年の運行予定では4日間(7月11日/12日、8月27日/28日)のみとなっている。

 まずは、本務機であるジェームスが新金谷駅1番線に入線し、用意された客車に連結された。次にトーマスをジェームスの前に補助機として連結した。なお、この日の運転では、後補機に電気機関車は連結されず、蒸気機関車だけの走行となった。

 お披露目運行には、地元の島田市内の幼稚園児100名ほどが招待されたほか、「きかんしゃトーマス」に登場するソドー島鉄道の責任者「トップハム・ハット卿」も視察に訪れて乗り込んだ。

トーマスの後ろにジェームスが連結されて車庫を出発
1番線に準備された7両の客車に連結する
まずはジェームスが連結された
ホームの乗客を見守っているような視線
「トップハム・ハット卿」が招待された幼稚園児たちを出迎えた
「きかんしゃトーマス」に登場するソドー島鉄道の責任者「トップハム・ハット卿」。絵本では「ふとっちょのきょくちょう」など呼ばれていた体格のいい英国紳士
前補機としてトーマスが入線してきた
ジェームスの前にトーマスを連結する
出発準備が整った
招待された幼稚園児たちが乗り込む

 10時38分、新金谷駅を定刻通り発車した列車は、車内でジェームスの声によるアナウンスや、ソドー鉄道の車掌に扮した客室乗務員のハーモニカと歌声を聞きながら、雨の大井川沿いをゆっくり進み11時51分に千頭駅に到着。

7両の客車を引いて茶畑の中を進むトーマスとジェームス
車内には、ソドー島の地図が掲示してあった
車内のシートはトーマス柄のヘッドカバーが掛けてあった。なお、客車によって柄は異なる
車内販売限定のグッズ「トーマス連結でGO!」(1500円)などが売られていた
ソドー鉄道の車掌に扮した客室乗務員がハーモニカと歌声を熱唱
列車は大井川に掛かる鉄橋を渡る。この付近は有名な撮影地なため、多くのカメラマンがカメラを向けていた

 千頭駅に到着後、トーマスとジェームスは客車を側線に入れたあとに、2両とも転車台で方向転換。千頭駅に展示されている「パーシー」と「ヒロ」の横に並んだ。「きかんしゃトーマス」に登場する機関車が4両も並ぶのは、自分が本当にソドー島鉄道に来たような錯覚を得るほど、まさに圧巻だった。4両の前でトップハム・ハット卿と幼稚園児達が記念撮影。園児達は始終大喜びだった。

千頭駅に到着した列車
まずはトーマスが切り離されて列車の後ろにまわる
トーマスとジェームスで客車を側線に入れる
ジェームスが転車台に乗って方向転換
次にトーマスも転車台で方向転換を行なう
パーシー(左から1番目)、ヒロ(左から2番目)、トーマス(左から3番目)、ジェームス(左から4番目)と4両の機関車が千頭駅で並んだ。招待された園児達と記念撮影
まるでソドー鉄道に迷い込んだかのような錯覚を得る風景
トーマスとジェームスはきちんと顔が作り分けられており、ジェームス特有の団子鼻や目尻のシワなどが再現されている
機関車たちの横顔。顔の形がそれぞれ違うのがよく分かる

 千頭駅では、パーシーやヒロの運転台に登ったり、近隣の施設「音戯の郷(おとぎのさと)」内に設けられたトーマスのアトラクションを楽しめる「トーマスフェア」を実施している。また、千頭駅では各種のトーマスグッズや巨大なプラレールタワーなど様々な展示も見ることができる。

千頭駅構内に設けられた「トーマスフェア」のゲート
千頭駅の隣にある施設「音戯の郷(おとぎのさと)」
音戯の郷の館内にはトーマスのアトラクションを楽しめる
ビニール製の絵の具で形を作る「ビニペタ」(600円)でトーマス柄のシート制作を体験できる
千頭駅に設けられたトーマスグッズコーナー
トーマス号の顔と同じ高さがあるプラレールの塔

 千頭駅からの復路は、千頭駅14時10分発、新金谷駅着15時27分着となった。復路は、本務機として先頭にジェームス、編成の最後尾に後補機としてトーマスが連結されていた。

復路はジェームスが先頭になり、トーマスが後補機として連結されている
大井川の鉄橋を越えるジェームスとトーマスの列車
新金谷駅に到着した列車

 今回、登場したジェームスをよく見てみよう。機関車のボイラー下のデッキ部分が元になった機関車の方が位置が高く、機関室の形状の形状、ボイラーの上のコブの数の違いなどがあるものの、前面の顔部分の形状は団子鼻で頬がぷっくり膨らみ、目尻に少しシワがあるジェームスの特徴をよく捉えており、ジェームスの雰囲気が良く出ている。今回も前照灯をボイラーの上からデッキ部分に移すという改造が行なわれており、何度も見続けていると「こっちが本物のジェームスなのではないか?」と思えてくるほどだった。

ジェームスの右斜め前から
ジェームスの正面
ジェームスの左斜め前から
ジェームスを右斜め後ろから
ジェームスを左斜め後ろから
ジェームスの側面
区名札には「Locomotive James」の札が入っていた

 なお、トーマスが引く「トーマス号」、ジェームスが引く「ジェームス号」ともに、2015年の運行期間である10月12日までの切符は全て完売しており、現在、キャンセル分を2次申し込みとして受け付けている。申し込みが多数になった場合は抽選での販売となる。切符を取るのは難しい状況だが、トーマスやジェームスを見たいなら、列車の出発時間の前後に新金谷駅や千頭駅で間近に見ることができる。特に千頭駅は、転車台でトーマスやジェームスが回転する姿を見られるほか、「パーシー」や「ヒロ」もの運転台に上ったり、ミニSLの運転などもある「きかんしゃトーマスフェア」が開催されているので、「トーマス号」や「ジェームス号」に乗れなくても十分楽しむことができる。ぜひ、この夏に大井川鐵道を訪れてみて欲しい。

編集部:柴田 進