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京都宇治の世界遺産「平等院」と桜を撮ってみた
(2015/4/6 00:00)
平安時代の文化を今に伝え、「古都京都の文化財」の1つとして世界遺産にも登録されている平等院は、桜の名所でもある。この記事が掲載される4月6日前後には見ごろを迎えていると予想されるが、ひと足早く訪れてきたので、見どころをレポートする。
鳳凰堂(東側)
平等院は、平安時代に藤原道長とともに藤原氏の全盛期を築いた藤原頼通が、父・道長の別荘を寺院に改め、1052年に創建された。その中心的な建造物である鳳凰堂(1053年建立)は、10円硬貨にもデザインされていることで知られる。東向きに建てられ、周囲の浅い池(阿字池)とともに美しい浄土庭園を形成するその姿は、極楽の宝池に浮かぶ宮殿を模したとされている(極楽浄土は、人間界から西方に十万億の仏土を隔てた所にあるとされている)。
この鳳凰堂の周囲に広がる阿字池の外周、左の翼廊側に桜の木が並んでおり、水面にかかるしだれ桜を楽しむことができる。
鳳凰堂(西側)
鳳凰堂の西側の外周にも桜の木が並ぶ。こちらからは東の遠方に見える山の緑もまた美しい。また、鳳凰堂の背後(西側)には浄土院や羅漢堂といった寺院が建立されており、そこでも桜が楽しめる。
平等院ミュージアム鳳翔館など
平等院内には、「平等院ミュージアム鳳翔館」という総合博物館があり、国宝に指定されている雲中供養菩薩像(26躯)や同じく国宝の鳳凰(1対)、重要文化財に指定されている十一面観音立像など、貴重な展示を間近で見ることができる。
雲中供養菩薩像とは、阿弥陀如来が安置されている中堂の内部の壁に架けられている木彫りの仏像。いずれも雲に乗っており、印を結ぶもの、舞うもの、楽器を奏でるものなど、さまざまな姿がある。オリジナルの52体のうち、半分の26体が取り外されてミュージアムに展示されている(現在の中堂には、オリジナル26体、レプリカ26体が架けられている)。
内部の撮影は許可されていないが、11世紀に作られたオリジナルのまま展示されている鳳凰や、同じくオリジナルの雲中供養菩薩像の優雅で躍動感ある伸びやかな造形は見事のひと言であり、一見の価値は間違いなくある。
宇治駅など
平等院は、JR奈良線宇治駅から徒歩10分ほどの場所にある。特産品の宇治茶にちなみ、市内は抹茶色の建物や看板が目立つ。周辺には宇治源氏物語ミュージアムなど、平等院以外にも観光名所がある。周辺の散策マップなども宇治駅で配布されていたので、時間に余裕があれば、それを参考にするなどして見て回ると楽しいだろう。