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池袋サンシャイン水族館、夏休み前に“水すべて抜く”大掃除。水槽の魚を取り出す珍しい光景が7月12日まで見られる!

2023年7月10日~12日 実施

夏休み直前に水槽を大掃除。貴重な作業風景が7月12日まで見られる

 サンシャイン水族館(東京都豊島区東池袋3-1)は、水槽の大掃除「水槽ピカピカ大作戦!」を7月10日~12日の3日間にわたり実施している。

 水槽ピカピカ大作戦とは、水槽内の生き物を取り出しバックヤードへ移動させ、水もすべて抜いて汚れをきれいに掃除する“落水清掃”のこと。年に数回実施しているこの落水清掃が夏休みを前に行なわれ、一般客にも公開された。

初日に落水清掃が行なわれた「大西洋~カリブ海~」水槽

 通常は飼育スタッフが水槽に潜って清掃を行なうが、この落水清掃では日々の清掃では落としきれないアクリルの汚れや偽サンゴのコケ、魚たちに付着した寄生虫などをさっぱりと除去し、消毒したのち海水を入れ替えるのが目的という。

 初日に大掃除を行なった「大西洋~カリブ海~」は多種多様な生き物が生息するエメラルドグリーンの大西洋を再現した水槽で、サンシャイン水族館のなかでも中~大型に部類されるサイズ。古代魚のアトランティックターポンや平たい容姿のルックダウンなど、約12種20点以上の魚たちが暮らしてる。

「大西洋~カリブ海~」水槽では約12種20点以上の魚を展示。水深1.6mの水槽に、20トンもの海水が入っている

 飼育スタッフが大きな水槽のなかに入って生き物を追い込むように1匹ずつ取り上げ、20トンもの水をすべて抜くという珍しい光景を前に、この日たまたま居合わせた来館客からも驚きの歓声が上がった。

みるみるうちに水が抜かれていく普段は滅多に見られない光景
生き物を取り上げるため、人間のひざ上くらいまで排水
1匹1匹追い込んで、手早くかつ丁寧に保護
ときには観賞客に隠れた魚の居場所を教えてもらう協力プレーも

 サンシャイン水族館 飼育スタッフ 魚類担当の上市光之さんは、「すべての生きものがケガないよう無事に運びきる作業は大変ですが、落水作業でピカピカになったあとは、魚たちの動きがよりきれいに見やすくなります」と説明。ぜひ、きれいになった水槽の“魚映え”に注目してほしいという。

サンシャイン水族館 飼育スタッフ 魚類担当の上市光之さん

 なお7月11日には「沖縄の海~白保~」の水槽、7月12日には「オーストラリアの海~グレートバリアリーフ~」の水槽で落水清掃の公開作業が行なわれる(いずれも時間は17時~19時30分ころ。バックヤードの見学は不可)。これ以外の水槽や展示、バックヤードツアー(要予約)などは通常どおり楽しめる。

バックヤードには循環ポンプと水温調節機など、生き物を飼育するための大事な装置がたくさん
ここをひねると水が抜かれていく。サンシャイン水族館では毎日、八丈島の栄養豊富な海水を運び、循環させて使用しているという
裏ではスタッフたちが見事に連携し、捕獲した魚をバケツリレーのように素早く運ぶ
生き物にキズが付くのを防ぐため市販の網ではなく、ビニールに穴をあけたお手製の道具、通称「ビニダモ」を用いる
水槽内を塩素で漂白・殺菌
さらに中和剤を散布し入念に水洗い
岩や偽サンゴなどに付着したコケも、1つ1つ手作業できれいにしていく
捕まえた魚はバックヤードの予備水槽に移動
魚の種類と尾数をチェック
水槽内を清掃している一方バックヤードでは、生き物たちの健康チェックなどが行なわれている
魚の体表に付着した寄生虫を落とすために数分の淡水浴。水槽を清掃・消毒している一晩のあいだ、魚たちは予備水槽のきれいな海水で過ごす
掃除を終えた水槽には一度淡水を入れてさらに消毒したあと、新しい海水を注水。その後、循環ポンプと水温調節機を動かす
翌朝、生き物たちをを予備水槽から移動し水槽に戻す

 このほかサンシャイン水族館では夏休み期間、土日の早朝限定イベント「公開!水族館のモーニングルーティーン」を実施。またクラゲやサメ、ペンギンなど曜日ごとに1つの生き物にスポットを当て紹介する「スペシャルサマーガイドツアー」では、飼育スタッフの解説を聞きながらふれあい体験や特別な見学が楽しめるという。

 そのほか施設詳細や各イベントスケジュールについては、公式サイトを確認いただきたい。

今年開業45周年を迎えた「サンシャイン水族館」
「大西洋~カリブ海~」水槽ほか全3つの水槽で大掃除
イワシの魚群
メインの大水槽
神秘的なクラゲの水槽
グッズショップ
屋外エリア
ほかにも空飛ぶペンギンやアシカなど、生き物たちの迫力ある行動や癒やしの姿が見られる