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THE ROYAL EXPRESS、四国・瀬戸内エリア運行の旅程と編成の詳細。絶景と食を巡る3泊4日で「原風景を見るにはローカル線が一番」

2023年7月27日~9月28日 販売

(後列左から)大迫淳英氏、大上真司氏、森岡英司氏、河上芳一氏、(前列左から)山本亘氏、松田高広氏、長戸正二氏、水戸岡鋭治氏

 JR四国とJR貨物、JR西日本、東急は、4社が協力するプロジェクトとして「THE ROYAL EXPRESS 四国・瀬戸内クルーズトレイン」を2024年1月~3月に運行する。その旅行プランの詳細が決まったことを受けて、6月30日に説明会を行なった。

発表会の会場に置かれていた看板
説明会は、音旅演出家・ヴァイオリニストの大迫淳英氏が、本運行のために新たに作曲したテーマ曲の生演奏でスタートした
「THE ROYAL EXPRESS」は、伊豆急行の2100系電車R-5編成「アルファ・リゾート21」を改造して生み出された(写真提供:東急)
当初は伊豆急行線内で運行していたが、2020年から北海道での運行がスタートした。写真は釧路湿原で(写真提供:東急)

日程などの概要

 今回の運行は、四国・瀬戸内エリアの観光振興・地域活性化を目的としたもの。日程はいずれも金曜から月曜にかけての3泊4日で、2024年1月26日~29日を皮切りに、6週続けての設定となる。1回あたり最大15組30名、最少催行人数16名。旅行代金は2名1室利用の場合で1名あたり96万円~。

 販売は7月27日~9月28日。Webサイトと郵送で申し込みを受け付けたあとで抽選となる。なお、THE ROYAL EXPRESSクルーズプランを過去に2回以上利用したことがあるリピーターに対しては、7月27日~8月10日にかけて先行販売を行なう。

「THE ROYAL EXPRESS」は8両編成だが、四国での運行に際しては5両編成に短縮される。内訳は、1号車(ゴールドクラス)、4号車(キッチンカー)、5号車(プラチナクラス用食堂車)6号車(同)、8号車(プラチナクラス)。これに電源車と電気機関車が加わる。

5両編成の内訳と車内配置

4日間の行程の内訳

 起点は岡山で、最後も岡山に戻ってくる行程。瀬戸大橋線と予讃線を行き来するが、これは「JR貨物から電気機関車を借りて運行するため、電化区間である必要がある」という事情が影響している。

1日目の行程は、岡山から高松に、そこで折り返して多度津経由、琴平まで
1日目のテーマは「瀬戸の海」
2日目の行程は、多度津から松山まで
2日目のテーマは「四国の伝統文化」
3日目の行程は、松山から今治に。そこからバスでしまなみ街道方面に向かう
3日目のテーマは「瀬戸内の絶景」
4日目の行程は、今治から高松へ。最後に岡山に戻る際の貸切クルーズで利用する「おりんぴあどりーむ せと」は、国際両備フェリーが運航している
4日目のテーマは「美しさ、煌めく、旅」
バス移動には専用の「THE ROYAL BUS」を使用する。これも両備グループの担当
「THE ROYAL EXPRESS」は寝台車ではないから、現地の宿泊施設を利用する。これもアピールポイントの1つとして、各地の「名宿」が選ばれた。なお、2泊目は場所の選択が可能となっている

 こうしてみると、舞台装置は「瀬戸内海と夕凪」「瀬戸内ならではの食」「地元の名宿」といえそうだ。

 予讃線は大半が単線であり、しかもそこを1時間ごとに特急列車が走っていて、ダイヤにはあまり余裕がない。そのため、待避や交換(行き違い)のための長時間停車が多く入ることになり、所要時間は意外と長い。

 例えば、特急「しおかぜ」なら2時間前後の多度津~松山間に2時間40分をかけたり(2日目)、同じく30~40分の松山~今治間に3時間45分をかけたりする(3日目)。もっとも、速く移動するための列車ではないし、むしろ車窓をゆっくり楽しむには長時間停車がほしいぐらいであろう。

関係者が語る意気込み

「THE ROYAL EXPRESS 四国・瀬戸内クルーズトレイン」は、運営は東急、牽引する機関車はJR西日本とJR貨物、それが走る線路はJR西日本(岡山~児島間)とJR四国(児島~四国島内)、という4社協同での取り組みとなる。さらに地元からの参画もある。そこで、説明会における関係者のコメントを以下にまとめておく。

松田高広氏(東急株式会社 社会インフラ事業部 クルーズトレイン推進グループ 統括部長)

 まず伊豆急行線内で運行を開始して、そのあとに新たなチャレンジとして、電源車を付けて北海道で走らせるようになった。そうした経験をどう広げるかと考えているところに、JR四国と「一緒に盛り上げよう」という話をする機会があった。四国での今回の運行がうまくいけば続けていきたいが、まずは1回目をいい商品にして成功させること。地域の力を長く続けられるような展開にできれば。過去の実績では70~80代の高年齢層が多いが、若い人にも来てもらいたい。

山本亘氏(高松料亭二蝶料理長・株式会社二蝶代表取締役)

 天気がよければ海、空、島々を眺めながら食事ができるが、そういったなかでどんな料理を提供するのがお客さまにとって喜ばしいことなのかを考えている。なかなかメインにならない食材、昔から伝わる料理、伝統と文化を盛り込みながら料理を提供していきたい。

 普段から、讃岐料理とは何だろうかということを考えている。讃岐には、うどん以外にもいろいろ素晴らしいものがある。瀬戸内で獲れた魚や野菜を、できるだけ多く表現していきたい。

長戸正二氏(四国旅客鉄道株式会社 専務取締役 鉄道事業本部長)

 素晴らしいプランができて驚いている。四国に長く暮らしているが、まさに灯台もと暗し。できるだけ多くの方にお越しいただいて満喫していただき、四国の活性化に努めたい。

大上真司氏(両備ホールディングス株式会社 執行役員トランスポーテーション&トラベル部門 副部門長)

 当社は113年にわたり、瀬戸内エリアでバス、船、鉄軌道を運営してきた。THE ROYAL EXPRESSで盛り上げていただけることをうれしく思う。今回は、現地移動のバスと、最後のフェリーを両備グループで担当する。THE ROYAL EXPRESSと船を一体化した世界観を提供したい。

森岡英司氏(香川県 東京事務所 所長)

 国鉄時代の四国観光キャンペーンで、「青い国、四国」というキャッチフレーズがあった。その青い国にロイヤルブルーの車体を持つ列車が走ることを想像すると、ウキウキするし、すごく期待している。また、四国には御接待の文化がある。最大限のおもてなしを準備していただいたので、できるだけ多くの皆さんに来ていただきたい。

河上芳一氏(愛媛県 東京事務所 副所長)

 愛媛県の観光が、量から質への転換を求められているなかでのTHE ROYAL EXPRESSの運行をうれしく思うし、心強い限りだ。松山には日本最古の温泉といわれる道後温泉に加えて、現存天守の1つである松山城がある。世界のサイクリストから注目を集めるしまなみ海道では来島海峡大橋からの展望も楽しめる。愛媛の歴史、文化、自然、食べ物を堪能してほしい。参加いただく皆さんにとって最高の思い出になれば。

水戸岡鋭治氏(ドーンデザイン研究所 主宰 デザイナー)

 今度は私の故郷である岡山から四国を走ると聞いて、ホントにできるのかと思った。しかし、こうして実現できることになったのは素晴らしいこと。これからも、もっと楽しい「日本の鉄道の旅」を作っていきたい。

 海外から来た人が日本の原風景を見るには、ローカル線が一番だと思う。

手前左が「春祝魚寿司(はるいおずし)」、手前右が「和三盆」右奥が「みかん100%ストレートジュース」。このジュースの素材は甘平(かんぺい)といい、甘くて平べったい形が特徴。「オレンジ」ではなく「みかん」の味がした
和三盆の実演も行なわれた。この和三盆は、ホロッと崩れる食感が印象的。作り置きするものだと固くせざるを得ないが、作ったその場で出すのであれば、こうした食感にできるという。ただし湿度の影響を受けるので、季節どころか、その日の天気に合わせた調整が必要になるらしい
これは北海道で運行中の「THE ROYAL EXPRESS」だが、来年にはこれが四国で見られるわけだ。一番手前が、空調・照明などの電源を供給するための電源車