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2023年チェコ観光、WBCで話題の野球や蒸留酒のミュージアム誕生など新たな楽しみが満載
2023年6月15日 00:00
- 2023年6月8日 実施
チェコ政府観光局とチャイナエアラインは6月8日、旅行関連事業者を対象とした「#チェコへ行こう チェコ政府観光局・チャイナエアライン合同セミナー」を、チェコ共和国大使館で実施した。
美しい建築物やワインなど、さまざまな観光資源を擁するチェコ共和国。100年の歴史を有するレストランや宿泊できる城、欧州男子ツアーの舞台となるゴルフコース、オペラなど、観光してみたくなる要素を数多く備える。従来からある名所だけでなく、最近もさまざまな観光地が誕生している。
今回のセミナーは、旅行代理店などがチェコのツアープログラムを検討するためのもので、3月のWBC(World Baseball Classic)でも話題となったチェコの野球や、おすすめの観光スポット、グルメなどが紹介された。また7月には、チャイナエアラインが台北~プラハ路線を就航し、交通面でもチェコがさらに身近になる。旅行代理店も活用する情報が盛りだくさんなので、いち早くチェコの見どころをチェックしてみよう。
チャイナエアラインが台北~プラハ間の直行便を就航
これまで、日本からチェコへ行くためには、ヨーロッパや中東を経由する必要があった。だが、チャイナエアラインが台北~プラハ路線を就航する7月18日からは、日本からチェコへのアクセスがより身近になる。同社は新機材を続々と導入しているそうで機齢が若くなっており、ボーイング 787-9型機も導入予定とのこと。
台北~プラハ路線に投入するのはエアバス A350-900型機。シート構成はプレミアムビジネスクラスが32席、プレミアムエコノミークラスが31席、エコノミークラスが243席となる。すべてのクラスの座席に個人用モニターを設置するほか、プレミアムビジネスクラスは180度フルフラットシートを採用しており、プラハまでの長距離フライトでも快適に過ごせる仕様という。また機内には、柿の実を不規則に並べたようなデザインをテーマにしたカーペットや、LEDを駆使して演出するさまざまな色彩があしらわれている。
2023年夏期の日本~台北線は、国内8都市9空港から最大週109往復を運航する。往復ともにチャイナエアラインを利用して台北へ行く場合、2泊3日でも羽田発で最大44時間、成田発で最大40時間滞在できるので、台北で過ごす時間を最大化できるスケジュールだろう。
台北~プラハ路線への乗り継ぎについては、桃園空港の第1ターミナル~第2ターミナル間を移動することになる。両ターミナルは直結しているため簡単に乗り継ぐことが可能で、空港敷地内のノボテル台北桃園国際空港にもトランジットで宿泊しやすい。また、桃園空港から台北市内へは約35分でアクセスでき、プラハへ行く前に台北でもちょっとした観光を楽しむことが可能となっている。短い時間で効率よく観光するなら、台湾観光局主催の半日無料ツアーなど、乗り継ぎ用のプログラムを利用するのもお勧めだ。
そして、チャイナエアラインを利用してプラハへ行く最大の利点は、トランジットの時間を短縮できることだろう。中東経由の場合、4時間程度の待ち時間があることも多いが、チャイナエアラインの場合は台北で約2時間で乗り継げる。プラハ現地に到着する時刻は7時10分で、朝からチェコ観光を楽しめるスケジュールになっているのも魅力だ。
WBCで話題になったチェコ代表
3月に開催されたWBCでは、ハッシュタグ「#チェコの選手」が日本でTwitterトレンドに入るなど、スポーツマンシップに溢れるチェコの野球が盛り上がりをみせている。今回のWBCをきっかけに、チェコに関心を持った人も多いのではないだろうか。
そこで注目したいのが、9月24日~10月1日に開催される「EUROBASEBALL 2023」だ。偶然にも今回の開催地はチェコとなっており、チェコを含むヨーロッパの16か国が参加する。試合はプラハ、ブルノ、ブランスコ、オストラヴァの4都市で行なわれるのだが、一次リーグではチェコはオストラヴァで3試合に臨むので、ここでチェコの活躍を見つつ観光をスタートさせるのがお勧めという。
なお、6月にもWBCチェコ代表チームとチェコの野球スターが一戦を交えるオールスターゲームや、プラハベースボールウィークが開催される。
コロナ禍を乗り越え、新たな観光スポットが続々誕生
チェコ国内では、新たな観光スポットやアクティビティが次々と誕生している。
スリヴォヴィツェ博物館
プラハにオープンしたスリヴォヴィツェ博物館は、チェコで有名な老舗果実蒸留酒メーカーの「R.JELÍNEK(ルドルフ・イエリーネク)」が設立したミュージアムだ。
スリヴォヴィツェとは、プラムを使った蒸留酒のこと。チェコはビールが有名な印象があるが、特に南東地域では果物の蒸留酒も盛んに生産されているのだという。
ミュージアム内のツアーでは、蒸留酒の作り方を学んだ後にテイスティングやフードとのペアリングを楽しむことが可能で、日本語の音声ガイドも用意されているため、言語面の心配もない。
料金は、基本的なテイスティングつきツアーが450チェコ・コルナ(1チェコ・コルナを6.5円とすると約3000円)で、蒸留酒3種とワラキア州フィンガーフード3種のテイスティングが可能。アルコールフリーの試飲ツアーも用意されており、プラムレモネード3種とフィンガーフード3種の味を体験できる。
ピルスナー・ウルケル エクスペリエンスセンター
ピルスナー・ウルケルとは、1800年代に誕生したチェコ最古のピルスナービールで、アサヒビールが世界中で流通を担っている。4月22日にオープンしたばかりのエクスペリエンスセンターでは、日本でも販売されているこのビールについて、展示やレストランでの食事を通してより深く知ることができる。見学ツアーの料金は、490チェコ・コルナ。
また同施設では、タップスタースクールも実施している。ピルスナー・ウルケルは注ぎ方によって味が変わるのだが、その方法をマスターした「タップスター」から実際に習うことができる。
プラハからアクセスできるさまざまな地域。古城やワイナリー、ローカルグルメなど観光資源が満載
南モラヴィア
ブルノを含む南モラヴィアは、自然が豊かでチェコの伝統色が感じられる地域。ワインの生産が盛んで、聖ペトル・パヴェル大聖堂や青果広場、世界遺産の「トゥーゲントハット邸」など、観光スポットも盛りだくさんだ。5つ星ホテルの「バルツェロ・ブルノ・パレス」「グランデッツァ・ホテル・ラグジュアリー・パレス」「コートヤード・バイ・マリオット・ブルノ」を拠点に観光しやすいエリアとなっている。
ブルノから50kmの場所に位置するモラフスキー・クルムロフ城には、チェコ出身のアルフォンス・ムハの大作「スラブ叙事詩」全20作品が展示されている。このほかにも、リヒテンシュタイン家の夏の離宮でネオゴシック様式の城館を見られるレドニツェ城や、ゴシック様式のヴァルチツェ城など、お城めぐりをするのも楽しい。
そしてヴァルチツェ城の地下には、チェコ国立のワインサロンがある。ここではチェコ産のワイン100種類を保管していて、購入したり試飲したりするツアーが設けられている。国内消費が多いため、日本では見られないようなチェコのワインと出会うことができる。
さらに、クルマでプラハから約2時間半、ブルノから約50分でアクセス可能なミクロフは、モラヴィアワインのテイスティングや毎年9月のぶどう収穫祭を体験できるエリアとして知られる。「ミクロフ ワインホテル リーズリンク」は、この街にある聖なる丘を眺められるワイナリー併設ホテル。フチーク ワイナリーのワインテイスティングができ、ワインに浸かるワインスパやワインビオサウナも提供されている。
ズノイモをはじめとする南モラヴィアでは、いたるところで「ブルチャーク」という飲み物が販売されている。ブルチャークとは発酵してワインになる途中の飲み物で、その年の国産ブドウから作られた製品のみがその名を名乗ることを許される。毎年9月から10月にかけてのみ販売できるのだが、その間も常に発酵が続いているため、蓋がされていない状態で受け取ることになる。もちろん、飛行機での輸送も不可能なので、南モラヴィアを訪れなければ楽しめないめずらしい飲み物だ。
オストラヴァ
オストラヴァは、チェコのなかでも特にユニークな街だという。炭鉱だった場所が現在では文化施設として活用されているなど、かつて工業が盛んだった様子が伺える。半日ほどで観光できるため、旅の合間に立ち寄りやすいエリアとなっている。