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北陸新幹線の延伸区間、各駅の発車メロディが決定。実際に聞いてみよう

2023年3月10日 発表

北陸新幹線のW7系電車。敦賀開業の際にも、W7系を増備して使用する

 JR西日本は3月10日、2023年度中の開業を予定している北陸新幹線の延伸区間(金沢~敦賀)の各駅で使用する、発車予告音(発車メロディ)を発表した。

工事中の加賀温泉駅(2022年12月の撮影)。すでに、各駅とも駅施設の外観は姿を現わしている

自治体に依頼して、それぞれ発車予告音を選定・提供

 各駅ごとに独自の発車予告音を用意するとの話は、JR西日本から沿線自治体に対して提案を行ない、それを受けて実現したもの。人選や楽曲の選定も、沿線自治体で行なっている。そのため、作曲者の人選や曲の選定に関わる考え方は、それぞれの自治体ごとに異なるようだ。結果として、地元出身者による作曲となったケースもある。

 ただし、実際に運行を担当するJR西日本の立場からすると、発車予告音という用途の関係から、曲が長過ぎても短過ぎても本来の機能を果たせなくなってしまう。そのため、楽曲の長さについては15秒程度という目安が設定された。

 また、周波数についても目安を設けたという。駅のプラットホームに設置したスピーカーから流したときに聴き取りやすい楽曲でなければ、発車予告音としての機能を果たせないからだ。すると、高音あるいは低音に偏らず、スピーカーの能力に合った音域が求められただろう。

 各駅ごとの発車予告音に関する説明は、駅の外見パースとともに、JR西日本の配付資料から引用させていただく。その陣容は以下のとおりだ。

小松駅:オリジナル曲で、制作は石川県
加賀温泉駅:オリジナル曲で、制作は石川県
芦原温泉駅:オリジナル曲で、制作はあわら市
福井駅:Symphonic「悠久の一乗谷」。制作は福井市。すでに在来線で使われている楽曲を新幹線向けにアレンジし直したもの
越前たけふ駅:オリジナル曲で、制作は越前市
敦賀駅:来い来い敦賀(オリジナル曲で、制作は敦賀市)

実際の発車メロディ

小松駅

加賀温泉駅

芦原温泉駅

福井駅

越前たけふ駅

敦賀駅

 これらの発車メロディは、2024年春に予定している開業当初から使用することになっている。なお、W7系の車内放送で使われるチャイムの方は、現行の「北陸ロマン」(作曲は谷村新司氏)を継続使用する。北陸新幹線にはJR東日本所属のE7系も乗り入れてくるが、こちらは異なるチャイムを使用している。

地元が提案したデザインコンセプトに基づく駅づくり

 先に、各駅の発車予告音についてJR西日本の配付資料から引用したものを載せたが、それぞれ駅ごとに外装が異なることに気付いていただけたと思う。

 これは北陸新幹線に限らず、今の整備新幹線に共通するポイント。鉄道・運輸機構(JRTT)が新幹線の工事を行なうに際して、駅ごとに地元自治体に依頼してデザインコンセプトを出してもらい、それに基づいた設計・施工を行なっている。これについてJRTTでは、「利用者に喜ばれ、便利で使いやすい駅、そして地元に愛される駅を地域の皆さまと協働して作り上げていく基本姿勢」と説明している。

 もちろん、デザインコンセプトは駅舎づくりに反映されるものであるから、今回の発車予告音と直接の関係はない。しかし、駅ごとに専用の発車予告音を用意するのも、地元で駅舎のデザインコンセプトをまとめてもらうのも、「地元に根ざした、親しまれる新幹線を作る」という考えからすれば一貫したものといえる。

 そこで、北陸新幹線の延伸区間・各駅のデザインコンセプトも紹介しておこう。

北陸新幹線の延伸区間・各駅のデザインコンセプト

小松: ふるさとの伝統を未来へつなぐ「ターミナル」
加賀温泉: 加賀の自然と歴史、文化を見せる駅
芦原温泉: あわらの大地に湧き出る贅の駅
福井: 太古から未来へ~悠久の歴史と自然が見える駅
越前たけふ: 伝統・文化を未来へつなぐシンボルとしての駅
敦賀: 空にうかぶ~自然に囲まれ、港を望む駅~

 また、駅の内装で地元産の素材を活用するなどして、地域の特色を表現する工夫もなされている。たまたま筆者は工事中の小松駅と加賀温泉駅を訪れたことがあるが、それぞれ内装に違いがある様子が見て取れた。開業後に北陸新幹線の各駅を訪れる機会があったら、そうしたところに目を向けてみるのもおもしろいのではないだろうか。