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【ハワイ現地発】ローカルフードに特化したデリコーナーが充実! ワイキキ中心部にオープンしたフルサービスのスーパーマーケットとは?

「リリア・ワイキキ」は全室賃貸の28階建てのコンドミニアム

 新店舗のオープンラッシュが止まらないハワイ。なかでも変化が著しいのはワイキキで、この1月には、ハワイの食文化を満喫できるフルサービスのスーパーマーケットがオープンした。その名も「ワイキキマーケット」(2380 Kuhio Avenue, 2nd Floor, Honolulu)。場所はクヒオ通りに新築された複合施設ビル「リリア・ワイキキ」内となる。

 そもそもこの地は、1960年開業の老舗スーパー「フードパントリー」のあった場所。再開発によって閉店し、このたび新たに生まれ変わった。

 ワイキキにはスーパーと呼べる店は少ないが、ここは本格スーパーマーケットでありつつ、ハワイを代表する食のテイクアウトにも力を入れている。レストランも併設し、ワンストップでハワイの食体験から生活までまかなえる。

 新生スーパーは入り口が2階にあって、1階はハワイ風ソウルフードを提供するレストラン「ピコ・キッチン+バー」とラーメン店(近日オープン予定)が入っている。

この階段を上ると「ワイキキマーケット」の入り口へ。左手に見えるのが「ピコ・キッチン+バー」
「Aloha」「E Komo Mai(ようこそ)」と案内されたエレベーターで2階へいくこともできる

 入り口の手前には、スタイリッシュなゴールドのショッピングカートが並ぶ。

普段は大きくて古くて重いカートが当たり前なので、黄金に輝くショッピングカートについ反応してしまう
すっきりコンパクトな入り口。入店時に「ハロ~ウェルカム!」と出迎えてくれる

 入り口を入ると、最初にあるのがデリコーナー。ハワイが誇る4つの食文化「ポケ」「ライス」「ローカルプレート」、そして「ベイクショップ」に分かれている。

一歩入るとハワイの食文化を堪能できる惣菜コーナーがお出迎え

「ライス」ステーションは、「It's All Rice ~イッツ・オール・ライス~」というボードが掲げられ、お米が中国人によってハワイに持ち込まれたという説明が書かれていた。お米は、寿司やスパムむすび、プレートランチなど、ハワイでは必要不可欠な主食となっている。

 このステーションは、そんなライスにフィーチャーして、スパムむすびやおにぎりなどを販売している。注目は自分好みのチャーハンを目の前で作ってもらえること。

エントランス右手にライスステーションがある
このなかから好みの具材を選んでチャーハンを作ってもらう

 ご飯の種類(白米、玄米、五穀米など)、野菜、肉類、ソース、トッピングなどを選ぶと、それらを鉄板の上でササっと炒めて、チャーハンのできあがり。自分で選ぶのがちょっと……という場合は、ガーリックシュリンプ、野菜、ふりかけをかけた「ノースショアスタイル」などのシグネチャー丼がイチ押し(絶妙だった!)。

「チャイナタウン」「ローカルカイン」などの丼のほか、スパムむすびやおむすびも販売している
「ノースショアスタイル丼」を試食させてもらったが、具材の相性が完璧だった

 次は、ロコたちの日常のおかず「ポケ」ステーションへ。「Poke All Day ~ポケ・オールデー~」をテーマに、1日中新鮮なポケを提供する。

ポケは店によって味付けが違うので好みの店を見つけたい
店のスタッフもフレンドリーで、注文をしやすい

 獲れたての魚をサイコロ切りにして、ハワイアンソルト、パアカイ(ククイナッツを使った伝統調味料)、リム(海藻)などを使い、伝統的な調理法で味付けしたポケが揃う。味付けが濃いハワイだが、ここのポケはちょうどいい塩梅で、フレッシュな素材が活かされていた。

ポケ、からあげ、枝豆、紅生姜を添えた「クヒオクランチ」

 ポケとローストポークの上にロミサーモンを乗せ、ガーリックのピクルスとネギをトッピングした「サーフ&ターフ」などの丼のほか、ポケ、サイド、ソース、トッピングを選んでカスタムメイドのポケボウルを作ることができる。

 隣の「Local Plates ~ローカルプレート~」はプレートランチをオーダーできるステーション。ここには、「各国からの移民が農園で働いていたときに、お弁当に故郷の味を持ち寄ってシェアしたことから生まれたのがプレートランチ」という説明が掲げられていた。

肉や魚介をフィリピン風、中華風など各国の味付けで提供

 アドボ味のポークリブ、ガーリックサンバルソース味のフライドチキン、スモークドアヒ・ポテトサラダ、本日の魚の味噌焼き、きゅうりとチョイサムのナムル、など、まさに各国の料理をミックスしたハワイの味を日替わりで満喫できる。

 ここまでの料理はほとんどが1人前20ドル弱。リーズナブルではないが、これが今のハワイの相場だ。

 お財布にも優しく気軽に小腹を満たすのにぴったりのステーションが「Bake Shop ~ベイクショップ~」。

ピザのようなフラットブレッドやマラサダを提供
マラサダはちょっとしたおやつに欠かせない

 1800年代にポルトガルからの移民がハワイに紹介した「マラサダ」は、今では誰もが大好きなハワイの定番おやつ。ここのマラサダは、一般的な丸いタイプではなく、四角いフォルム。オリジナルとモチスタイルの2種類で、ベーシックなシュガー、シナモンシュガーに加えて、パッション・オレンジ・グアバなどの日替わりフレーバーシュガーや、なかにクリームが入ったタイプもある。

シンプルな砂糖をまぶした四角いマラサダ。1個$1.89ドル

 マラサダの隣に並ぶのは、フラットブレッド。ピピカウラ、ポルチュギースソーセージなどをトッピングした「ハワイアンミートラバーズ」、フリフリチキンと玉ねぎ、リリコイBBQソースの「フリフリチキン」など種類も豊富で、ボリューム満点。焼き立てを頬張ったら味も満点だった。1つ5.99ドル。

ハワイらしい食材をトッピングしたフラットブレッドは手のひらより大きい!
フラットブレッドの並びには、スコーンなど自分でピックアップできるペイストリーも

 コンセプトがしっかりしているデリコーナーを見て回るだけでも楽しめるが、その奥がスーパーマーケットになっている(デリコーナーを回らずにスーパーに行くこともできる)。

 思った以上に広いスペースで品数が多い。ハワイのローカルビールも各種しっかり揃っているので飲み比べには最適だ。パスタソースや缶詰め各種、冷凍食品、日用雑貨などがすべて陳列されていた。これは便利。

アロハビール、ワイキキブリューイング、ホノルルビアワークス、コナブリューイングなどが並ぶ
オイルサーディンなどのつまみや調味料、ソースなどが豊富なので、調理しやすい
冷凍ワッフルは、オーブンで焼いてベーコンを添えれば、簡単にアメリカンな朝食になる
キッチンペーパーやティッシュ、ラップ、ホイル類、紙皿なども各種サイズが揃う

 パパイヤなどトロピカルフルーツや野菜のコーナーも充実している。すぐに食べられるカットフルーツの種類も多い。

ローカル野菜も手に入る
カットフルーツや野菜スティックなど

 ワイキキマーケットのオリジナルエコバッグやタンブラーは、発売されたばかりなので、持っている人が少ないレアなお土産になるだろう。

オリジナルデザインの布製エコバッグは約20ドル。ビニール製は3ドル
オリジナルウォーターボトルは約40ドル。タンブラーは約30ドル

 メイドインハワイのお菓子から、スパイス、ソース、雑貨まで、ジャンルも値段も選択肢が多いなかからお土産やギフトを選べる。

100%コットンの丁寧に作られたティータオルは約8ドルでお手頃
夫婦で手作りしている人気のソフトキャラメル各種が入手できる
メイドインハワイのチリオイル、ドレッシング、パンケーキの粉など
ハワイ産のカカオで作られるチョコレートも各フレーバーが揃う

 最後の会計はセルフレジが主流。ハワイでもパンデミック以降はセルフレジが急速に増えているが、とまどっているとすぐにサポートに来てくれるので心配ない。

「えっと」と思っている間に、スタッフが最後まで助けてくれて無事に会計を済ませた
デリコーナーで買ったプレートランチなどは、外のスペースで食べることができる

 ワイキキ中心部の本格的なスーパーマーケットは、やはり重宝がられると思う。郊外のスーパーに行くにはクルマが必要になるうえ、時間帯によっては駐車に時間がかかる。ガソリン代もハワイは結構な価格となる。そんなことを思うと、ワンストップで事足りるのは、旅行者、住民、ワイキキ勤務の人にとってもありがたい。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。