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ANAとコラボしたセントレアホテルの「ANA ROOM」を見てきた。想像を超える“飛行機尽くし”の部屋は一見の価値あり
2022年6月30日 13:54
- 2022年6月 取材
セントレア(中部国際空港)に隣接する「セントレアホテル」(愛知県常滑市セントレア1-1)は利便性の高さに加え、高層階から空港がよく見える宿泊施設として人気がある。
その特徴を活かし、高層階&空港側の客室を確約した「エアポートビュープラン」を以前からラインアップしていたが、2021年10月29日にANAグループとコラボレーションした「ANA ROOM」をオープンした。内装は圧巻で、航空ファンにとってはたまらない部屋になっている。
今回、取材陣に披露されたANA ROOMは、航空セールスや地域創生ビジネスを展開する「ANAあきんど」と、セントレアホテルを運営する「名鉄グランドホテル」のコラボレーションとして誕生した。コロナ禍で旅行するのが困難な状況のなか、ホテル側として何か利用客にできることはないか検討していたところ「最も眺めのよい部屋をエアラインの世界観を凝縮したコンセプトルームにできないか」と発案されたのがきっかけという。
ANA ROOMの特徴はいくつもあるが、まずは従来からのウリである眺望のよさだ。パシフィックサイド(空港側)の最上階である11階に位置するため空港を見下ろすかたちとなり、滑走路もバッチリ視界に入る。双眼鏡や望遠レンズがあれば、離着陸の様子も手に取るように分かる。取材中もANAのボーイング 767型機がタッチ&ゴーを繰り返す訓練飛行をしていた。
内装も凝っており、部屋のいたるところにANAのロゴが施されている。さらに、フライト情報風に掲示された部屋案内やANAの路線図、クローゼットに描かれたバゲージサイズの確認イラストなど、さまざまな趣向が感じられる。
内装だけでなく、調度品もエアライン尽くし。ソファーのように置かれているのはANAの機内で見慣れた3人掛けシートで、ANAとトヨタ紡織が共同開発した本物のシート。その手前に置かれているテーブルは、ボーイング 777型機のタイヤホイールのうえにガラス板を取り付けたオリジナル品で、シートとともに部屋の特別感を演出している。
そしてふと横を見ると、機種のレドーム内に搭載されているウェザー・レーダーがインテリア品のように置かれているのにまたまたビックリするわけだ。ベッド脇に置かれたショーケースには、マルチメーターやエンジンファンブレード、コクピット・ボイス・レコーダー(CVR)、慣性航法装置などがズラリと展示されている。
極めつけは、この部屋に置いてある航空機のパーツについて、ANAの整備士が解説してくれる特典映像が用意されていること。一般人が知らない細かな部分まで説明しているので、宿泊した人はぜひチェックしよう。
そして、ANA ROOMならではというポイントがルームサービス。予約時に夕食付きプランをオーダーすると、スタッフが機内カートで食事を部屋まで運んでくれる、なんとも粋な演出を楽しめる。カートはそのまま部屋に置かれるので、利用客は自分でプレートをとってラップを外し、機内食風のディナーを楽しむ。メニューはホテルの料理長が考案したもので、肉料理、魚料理、子供用の3種類が用意されている。
最後に紹介するのは、フライトシミュレーターだ。窓際に置かれたフライトシミュレーターはセスナ 172のコクピットを再現したもので、初心者でも気軽に楽しめるよう簡単な設定になっているそうだ。操作方法についても部屋の案内ガイドに詳しく書かれているので、いろいろと試しながら大空に舞う気分を味わってほしい。
1部屋しかない特別室であり、オープン以来の利用状況は非常に好調であるとのこと。同ホテルは6か月先まで予約可能だが、現在のところ土・日曜、祝日はほとんど埋まっているので平日が狙い目といえる。もしくは、Webサイトで予約状況を逐次チェックし、直前のキャンセルを待ちたい。宿泊料金は、夕食・朝食付きプランが1人あたり2万2200円~(2名利用時)、朝食付きプランが1人あたり1万8700円~(2名利用時)となっている。
航空ファンなら楽しめること間違いナシのANA ROOM。実際に利用した人からも「また泊まりたい」といった声が多数上がっている。筆者も泊ってみたいと思わずにはいられないホテルのこだわりと熱量に感動した。